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【685】使い回し新古品のカモフラ演出専用機 [ビジネス]

 そもそも税収が不足してるから増税が必要、故に消費税率アップという基本ロジックだろ?
 本当に必要ならば、増税するしかない。敢えて増税すればいいとは書かない。

 消費税率を10%にしておいて、キャッシュカード決済なら8%にするというんなら、とにかく消費者の銀行口座から8%しかカネが出て行かないんだから税収はビタ一文増えない。当たり前である。
 むしろ支払い代行手数料がカード会社に流れるため、税収は減ってしまう。減ったぶんは税収計画値を割り込む負債勘定となり、時間遅れをもって取り直す手間とコストがかかるだけである。そもそもがキャッシュカードを持っていて、カード会社に年会費を収めていないとこの8%据え置きのおトクにあやかれないんだが、そんな余裕のある消費者が何割いるんだ…って、もう何がなんだか解らない。あちこちムダ経費が関係ないところに散発するだけで、間違いなく税収は純減する。
 そう思っていたら、また出たかの現金バラマキ案がチラつき始めた。自爆テロ政党の捨て駒アタックは本当に迷惑千万だ。

 なぜ真直ぐ増税しないのか?端的に、税収は何ら不足していないからである。
 何しろプライマリーバランス黒字化をいけしゃあしゃあと放棄している以上、財務収支バランスは赤字で構わないと割り切っているのであり、ならば度重なる自然災害損失からのいち早い復興を目指すのと、ここ最近の不穏な国際経済失調に惑わされ国内経済が腰砕けにならないようローカル活況を演出するための目的で、消費税は5%いや3%いや数年間はゼロにする経済政策まであっても不思議はない。
 その方が遥かに現実的であり、少なくとも日本国内市場は明確に好転反応を返して来ることだろう。本来プライマリーバランス黒字化の放棄などという荒ワザ財務運営は、このようにオールジャパン至上目的を判りやすく掲げて、期限付きの緊急集中稼動として行うもののはずだ。

 再度おさらいしておこう。
 この消費税制の改変は、いま誰も必要としていないレシート管理を無理矢理に新規公務として規則化し、その新規就業枠に還暦公務員を充てようとする邪心の意図に起源する、日本独自方式のものだ。

 街の小売店で食料品などに低い税率の値札がついて並ぶだけのことではない。
 イートインが外食扱いになるのならないの、店員さんにレシートの『店内飲食禁止』表示を抜き打ちチェックされて、その場で2%追徴課税されるとか、それを拒否して店を追い出され店頭で嫌がらせにゴミ放置するとかのクロスロード選択でもない。
 いま二通りの税率適用の場合分けがドタバタ悲喜劇式に難しいハナシばかりを意図的に騒ぎ立て、国民の関心をそっちに引き付けておこうとする企みが明白だが、そんなものより遥かにヤバい本命の軽減税率制の予備段階であることに気付いて、現段階のうちに抜本的な廃止根絶に追い込んでおくべきと考える。

 例によって、既に決定済事項であるかのように、勝手にひっそりと公開?されている『適格請求書保存方式の導入』【574】をしっかり検索して復習しておこう。
 その異常なまでの煩雑さは改めて解説しない。日本国民の義務として御自身で確認し、日本国民の権利としてこんなものを受け入れるかどうか御自身で判断し、こんなことを計画する人間に向かって意思表示する決心を固めていただきたい。それをやらなかったから、今この惨状になっている。

 本命までの過渡期だからなんだろうが、今般の軽減税率は『まずは日本社会への導入さえできれば御の字』的な軽い間に合わせが目立つ。『軽減税率+還暦公務員=役人老後ウハウハ高給閑職計画』の予備段階を、既成事実として社会の風景にしてしまうところに目的が特化されているのだと見受ける。

 例えば『軽減税率対応レジ』だ。どんなスペシャルなレジ機なのか御存知だろうか?

 ずらり見慣れた数字テンキーたちの左沿いタテ列に、『果物』『雑貨』『酒類』…と、思わず目を疑うざっくりし過ぎのジャンル指定キーが新たに並んでいるのだ。
 レジ係さんは、買い物バスケットからいちごパックを手に取ると、まず『果物』キーを叩き、次いで『2』『4』『8』とお値段を打ち込む。次に手に取ったのが発泡酒なら、『酒類』キーを叩き、次いで『1』『1』『8』とお値段が続く。
 こうして全てのお買い上げ品をレジ打ちしたら、ハイ清算!で普通のレシートが吐き出されてきて、その記載内容をよくよく見てみれば…
 驚くなかれ、順不同に計上された商品たちの品目と税抜き価格が列挙されたその下、『外税10%』の行には10%品目の価格合計値とその10%税額、『外税8%』の行には8%品目の価格合計値とその8%税額が、2行にちゃんと分別され併記されているのである!
 …って、あほか!? ジャンル指定キーはせいぜい5~6個で、これじゃ足りる訳がない。
 まあ前回も作るだけ作って終わったからなあ。今度も国民全員で完全無視するのが正しい。

 そもそも税率というカネ基準の定量概念=人工文明が設定する価値基準に対して、人間が社会生活で直面する衣・食・住の自然な充足度が一対一で現実に対応するはずがなく、つまりは市場経済の原理的レベルで軽減税率という仕組みは成り立ちようがないのだ。
 ここの御贔屓さんは心配ないんだろうが、税率適用のどっちがどっちハウマッチ?で夢中を演じるマスコミ風潮には不用意に乗せられないよう、周囲に広くリマインドされたい。取り合うだけ時間のムダである。

 以前、官僚キャリアパスの特性について考察した回は大人気であった【647】【648】
 近々『役人組織の黒幕が、時の政権を使い捨てていく業態図』の考察でもやってみるか。

 たかがカネ・地位の損得勘定やちっぽけな自分ちの名声ごとき、要は卑しい私利私欲の志望動機しかな持てなかった政治家は、役人組織の悪知恵にいいように翻弄され、歓声・罵声の両方を大衆から浴びせられながら命の限り踊らされる。踊り狂って、役に立たなくなった時点で捨てられ寿命を迎える。
 組織に携わる者たるや、組織への畏れを忘れると、組織に生命を絶たれるのだ。
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