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【1010】地獄絵図エンタメ整体クリニックの診療期間 [ビジネス]

 今月末をもって、この私がステロイド完全離脱を試みて満9年となる。
 実はまだ100点満点の復調には到達できていないのだが、当然9年もかければ相応の成果は上がっている。
 とりあえず私自身、何もなければ健康を標準状態として日々過ごす素性の個体であるとするならば、トラブルの原因を取り除くだけで本来の作動点に向かう…というのは必然の流れのはず。だが、その過程がこれほど時間を要するものだとは思っていなかった。実感として、確実なフルスピード巡航できっちり治っていって、この速度だ。

 以前は体調不良なんてせいぜい数日単位のものだと思い込んでいたが、外傷や感染症など災害性の外乱因子によるトラブルはともかく、そうでない、あからさまな健康災害というイメージを伴わない『不自然な作動点』からの復帰はメチャクチャ時間がかかる。災厄のイメージが無いからには、身体の各部も現状を捨てて未知の理想状態を目指そうとはしないのだろう。
 とにかく『治ってみて、ようやく以前のダメっぷりに気付く』というサプライズが多過ぎて、その昔ちょっとは医学の知識がある方だと自惚れていたおのれの無知無能がやたら愚かしい。

 直近1年=この9年目は、カイロプラクティック系というか、骨格にまつわる症状が印象的に思い出される行程であった。今年の春頃に一度『おー!遂に全快できるか?』と思えるところまで到達し、だが既に十分学習しているので糠喜びしないよう慎重に静観していたところ、その攻略は見事的中でおあずけとなり、ひとつひとつ残症状を確認しながらなお解決を待つ展開となって今に到る。
 普通に起きて動き回れるのだが、日替わりで肩関節や股関節が何かおかしい。ガンプラみたく球面の嵌め合わせで関節があったとして【207】【209】、その球面に何か凹凸ができてしまって可動レンジ内で均一に滑らないとか、あるいは寝違えたというか嵌め違えたというか、な~んか変な感触になるのである。朝起きたらそうなっているとか、大抵はそんな発現の仕方で始まると思う。
 『関節の痛み』『違和感』みたいな日本語で語って、訴える方も聞く方も片付けざるを得ない感覚だろうとは思うのだが、痛いんじゃないし、その実態はそう単純なものではない。因みに四十肩五十肩にぎっくり腰の類にはまるで無縁のタイプである。

 まあパイプ椅子に座っていて股関節が金属的な重い不快感に苛まれて落ち着けないとか、肩から大きめ重めの荷物を掛けて気持ち悪いので盛んに左右を持ち替えるとか、せっかくたまの洗車をしたのに脇が開かずルーフの奥を洗い残したまま諦めるとか、そうやって情けない日中を過ごす訳だが、問題はその夜だ。
 眠りにつくと神経系の交代により痒みの感覚を抑えられる話はしたけれど【937】、入眠して交代する先の方の神経系ならではのモノとして立ち上がってくる感覚もある。端的に、これが凄まじく痛い。

 日本の古い地獄絵図なんかで、生前悪いコトをしていた人たちが生きたままノコギリで胴体を引かれてたり、柄杓で煮え湯を飲まされて腹パンパンになってたり、槍で突つかれながらでっかい鉄鍋で煮込まれてたりするではないですか。完全にアレの世界だ。
 ちょうど鬼さんがコンクリのブロックを2~30センチ空けてふたつ立て、そこに私の大腿骨を渡して真ん中を踏んづけるような感じだろうか。もう乗せた片足に全体重をかけて、両手を腰に全身を揺すりながら『あれ、あれえ?なっかなか折れねえな、このモモ』みたいな。
 また別の夜には、鬼さんが私の腕をむんずと掴んで背中側にへし折って、肩甲骨の下に大工道具のノミやら中華包丁やらガシガシ突き立てながら『ん~、もうちょっとでこの手羽バラけるんだけどなあ…』と引き剝がそうとする。まさに漫画に描いたような、えらい仕打ちである。

 結局がところ、夢うつつで本当にそんなことになっていないのが頭のどこかで解っているからだろうが、そこまで凄絶に痛くて、頭の中で地獄絵図そのまんまの光景が展開していると、『い~ってえ~!いってええ~!』とささやき声で絶叫しつつも歯をむいて笑ってしまう。コレ絶対語り草にしてやろう♪
 いったん起き出してパソコンに向き合うなり、テレビの深夜アニメを見るなりすればこの地獄から抜け出せるのは解っていて、でも身体が自然とこうなるということは、回復過程の避けられない一段階なんだろうから、まあいいや、やらせておくか…とそこまで考える余裕が何故かある。
 いやしかし、そりゃもう半世紀以上も生きてりゃそれなりに痛い目も何度か見たが、こればかりは人生の激痛ランキングにあっさりシングル入りする勢いであった。でも醒めようと思えば目覚められたのに結局そこに収まっているワケで、やっぱり睡眠中の裏ブート画面って、表側から見えないだけでしっかりアクティブな別モードなんだよ。

 夜な夜な鬼さんたちのオモチャにされ、やられ放題いたぶられ放題の夏が過ぎてゆき、そんな鬼さんたちに狙われた部位は、その後に赤熱して肌がかぶれて時間経過とともに解消していくのだが、その後ふと未知の軽快感に気付いて思いっきり納得する順番となる。いや気のせいだけではなく、可動範囲・反応速度ともに測定可能と思われる。
 そうか、傷病だと自覚するほど痛くない・痒くない・だるくないの日常は決して正常で健康なものではないのだよ。不意に現れて数ヶ月から時に年単位で消えないような丘疹やかぶれ・赤斑も、身体の深部・芯部から代謝される排出物の出口断面がそこに見えているだけである場合がどれほど多い事か。
 体外に棄てたいものが深い所にあるのだから、それが全て出て無くなるまで結構な痛み痒みの感覚が継続するのも道理なのだ。これを『いつまでも正常状態を作れない皮膚の謎の疾患』として体表面側から外用薬で対処しようとしても当然うまくいかない。
 最短で解決する特効策は『栄養つけてよく寝て、代謝完了を待つ』ことである。ともあれ鬼さんたちも飽きてきてくれて、やれやれとなった。

 今になってみて『そういえば、いつからだか覚えていないが、あれはクスリの失敗によるものだったんだ』と思う感覚の記憶ストックは数々ある。だがそれを表現する日本語が見当たらない。
 医者は患者の病状を自分の身をもって体験記憶している訳ではないから、患部がどんなに酷い様相を呈していて、患者が迫真の表現で苦痛の感覚を訴えても、医者が現象把握する段階でとにかく見えてるだけ・日本語で語れるだけのプアな情報量の制限が、どうしてもかかってしまう。これが難しいところで、ちょっと余談がてら今般過程の知見を挙げておくと『吐き気』だけでも最低4種類は存在するはずなのだ。

 一番シンプルで軽微なのが『食っちゃいけないモノ』を吐き戻そうとする口腔の吐出反射。次が『胃に落ちたものが良くない』として内容物を吐き戻そうとする胃袋からの逆送反射で、たぶん飲み過ぎや二日酔いで吐くのはこれではないだろうか。
 あと咳と同系の発信源と思われる喉の気道確保のための掃気反射と、残るひとつは頭の中に起因するもので、恐らく脳機能の制御不全に対応して気道・食道に物体が詰まる危険を排除しようとする嘔吐反射だと思う。車酔いはこれかも知れない。
 『吐き気』というのは、かなり結果系としての感覚だけで十把一絡げに語られている表現であり、これを医学的な視点で特定の原因事象と因果づけるには、あまりにも情報量が足りていない。

 うわ~参ったな、全然ハナシに区切りがつかんじゃないか。
 人間といわず生物がトラブルなく健康に過ごしている限り、『特段に何も感じない、何とも思わない』が基本のゼロ起点となるのが世の道理であろう。ゼロだった健康状態が崩れて初めて、それを司る各部の機能と作動原理が理解できるのである。
 逆立ちしてもこの習得要件は覆らない訳だが、こんな時こそ、例えば私が頭にハーネスだらけのヘルメットを被ってスイッチONで記憶内容をどこかにアップロードできたら、そしてそれを医療関係者が同じくヘルメットを被って任意に再生体験できたら、凄く役に立つんだろうな。

 え~、半ばムリヤリにまとめると、気の遠くなるような道のりに思えるが、やはり『意識』『記憶』のアップロード・ダウンロードの方策については少しずつでも考える価値はある…ってことにしときましょうか。
 とりあえず今日は早く寝て、より健康な明日を目指してグッドラック!
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U3

「あ〜く」と「てぃ〜しゃつや」はお仲間です。近づかない方が賢明です。
by U3 (2021-11-30 10:12) 

にすけん

 U3さま、いらっしゃいませ。
 コメントありがとうございます。

 とりあえず私にとって、御贔屓さま方はどなたも等しく大切なお客さまですゆえ、いらしていただきたいですし、いらしていただいたらお邪魔することにしております。

 別にどなたの御機嫌を取る訳でもないんですが、製品開発組織でヒット商品が出た場合など、業務分析すると『嫌いなもん同士が争いあったがゆえのコト』が効いてたりするんですね。
 私は、優秀な生産性高い組織が『おてて繋いでみんなでニッコニコ』ではないと思っている人間なので、ここは本気で『まあいいじゃないすか』と言っちゃいます(笑)

 みんな思い思いの原動力で充実した内容の情報を林立させられれば、お互いさまで支える理知的パラダイスですよ♪

 U3さまも、皆さまも、いつでもお気軽に覗きにいらしてください。
 またのお越しをお待ち申し上げます。
 どうもありがとうございました。
 


by にすけん (2021-12-02 21:55) 

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