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【33】時代適応力 [ビジネス]

 次世代の行方を憂いているばかりでは始まらない。
 時代の流れに合わせるべく組織の運用形態を変化させていかないと、経営状態が悪化してしまった後では取るべき対策も取れなくなってしまう。

 バブル入社組が大勢いる反面、その後数年ぶんの新卒にあたる世代が空っぽの会社は珍しくない。その採用戦略が正しかったかどうかは別として、大事なのはそれに合わせた体制が取れているかどうかである。

 特定の世代層がどかんと膨らんでおり、その膨らみが毎年一斉に勤続年数を重ねていく。
 まずこれだけで、本来なら人件費の配分計画に対する考え方を、従来から一新しなければならない。年齢給の概念を撤廃するか、年齢ぶん以上を減給する何らかの理由が必要となる。
 業務内容にしても、従来は若年層が仕事の環境を覚えていく段階として位置づけられていた簡素な定型作業まで、中堅以上の誰かが受け持たねばならない。これはかなり困った記憶があると思う。
 世代の構成に対応した業務分担の概念が成立しなければ、それを実現する組織構成の標準モデルも成立しなくなる。三十路を過ぎて忘年会の幹事をやる人間が出てくるだけでは済まないのである。

 皆さんの職場はいかがだろうか。
 これほど単純なひずみに特定の対策も打たず、苦しみながら単に人件費予測値の盛り上がりが毎年1年ずつ進んでいっただけ、という例は多い。
 それで良かったのだろうか。

 今後『ゆとり教育』の失敗をどういった方針で立て直すことになるのかは判らない。また、成長期のIT機器依存による悪影響にも手が打たれる日が来るような気もする。無論、競争に負けて路頭に迷いたくないのであれば、いま率先して若年層の能力開発に明け暮れる必要がある。
 そして、いずれもその効果が上がれば、中堅層より若年層の方に能力が偏る可能性があることを忘れてはならない。現在の体制で、それを受け止めるべく組織が変われるかどうか考えるべきだと思う。

 いくら決め事を作って理屈を立てても、不満の感情だけは抑えようがない。
 不満の感情は生産性の低下のみならず背徳行為を呼ぶことも多く、必ず損害を出す。内部の人間なら、中身のない仕事で業績だけ細工することも可能だし、どんなに手の込んだセキュリティでも必ず破れてしまうものだ。
 不満はKaishaの種になるのである。

 今後、御社の人材構成はどうなるのか、具体的な予測はありますか?
 それに適応した経営のイメージはありますか?
 いや、既にいま現在、組織運営のコンセプトと現実の整合性は取れていますか?


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