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【1096】外為x-y-z軸別評価ポイントの関数導出テスト [ビジネス]

 あ~あ、『必要な対応とは必要な対応です』の独り漫才、最悪の結末だよ【1091】
 日銀が市場介入した。実際、為替レートが5円近くだか円高方向に反応したから、まあやったはやったんだろうが、これ結構『まさかや~』である。
 そこらで解説されている通り『市場介入』の意味は、日銀が円を買ってドルを売る作業のことなんだが、これ『必要』か?こんなものが『断固たる措置』だってか?

 今はドルが相対的に高いんだからドル売りの対価は大きいはずで、それを支払いに引き充てれば、相対的に安い日本円は少々派手に買い込めるんだろう。別にいいじゃん。
 …というハナシでは全くないのだ、当然のことながら。中央銀行は『あの世』なのであり、本来は『この世』の自由競争市場とは隔離された世界でなくてはならない【474】

 世界中で価値を見放された日本円なので、他の通貨の僅かな額と釣り合わされ、見劣りする交換レートで相場が決まっている。これが円安であり、だから現時点のこの世で、他の通貨に比べて多額の日本円が流通している。
 ならばあの世から手を伸ばして、この世から日本円を取り去れば、円安に逆行する操作は叶えられる…という理屈だ。一方あの世からドルにしてもユーロにしても、この世に降らせてやれば、そのぶん多額のドルあるいはユーロが流通し、つまり少額の日本円が多額の国外通貨と釣り合うことになる。

 今般コレをやったワケだけれど、大事なのは『この世の自由競争市場にとっては、自然な価値流通のバランス作動を狂わせる外乱でしかない』という経済的本質の意味である。みんなマジメにせっせと有価事物を生産して市場投入し、いっぽう安値で良品を買いたい消費力があって、そんななか競争を勝ち抜いて流通価格が決まり、それに応じて通貨の流通状態が平衡作動点に落ち着いているのだ。あの世から系外の操作を加えると、自由競争の公平性が崩壊する。
 だからなのだが、どこの国がどの通貨でやるのかを問わず、中央銀行が市場介入するのは、一般的にあんまり好感度の心象では見てもらえない。『禁じ手』と呼ばれるのはそのためであり、そんな反則技の断行を余儀なくされるとは、一体どんな取り返しつかないスカな失敗しやがったんだコイツらは?という顰蹙のイメージが色濃くつきまとうのが普通だ。

 もっとも、一旦やっちまったらやっちまったで直接的に結果が出るし、だからこそ『止む無し断行』で腹くくるんなら、確実に効く規模で内外にわかりやすくシンプルに、キホン一発で決める判断が必要となるのだ。昔の日銀はそれができず、ちょろんちょろんと雀の涙を砂漠に撒く無駄ばかり繰り返していた【277】
 当時まだ円安の弊害に本気で行き詰まって切迫してなかったということなんだろうが、今般に限っては145円/ドルから一気に140円台まで行ったから、もう後先考えない勢いでやらかした感じに見える。
 『日銀が日本円を買う』という表現で語るなら、溢れすぎている紙屑のような無価値の日本円を、日銀が随分まとめてお高く買い上げたと理解すればいいのかも知れない。
 この瞬間もちろん円高方向にコトは動くが、安物を不当な高値で買い取っている以上、つまるところ釣り合わない財務負担の背負い込みには確実になっており、これもまた『いずれの将来、日本国民が何とかする』ツケ払いの上乗せということにしかなっていない。

 ナニが『伝家の宝刀』だ、どあほ。
 理由があってみんな避けてる非・経済原理的操作をとち狂ってやらかしただけだ。
 『日本人の、日本人による、日本人のための、今だけの円安対策』の代償が怖いよ。

 日本国の生産性が軽く見られ、それが日本経済の通貨である日本円の客観的バリューとなって、円安という事実に顕れていた。これが是正され、つまり今までに無かった日本国の価値が創出され、それが客観的バリューに反映されて円高傾向に動いたのではない。だから、あっという間に国際経済の自然な作動の支配律に吞み込まれて、元通りを通り越して今を上回る円安の時代が到来することだろう。

 それでもなお非難轟々で世襲のガキの葬式などという、誰も何も生産しない価値も残らない、国民の反感を募らせ社会の活気を鈍らせる、そんなものを政権支配力の誇示のために強行するだとか、そんな遊びにさえならないみっともなく忌まわしい破滅のセレモニーが止められないのだ。日本とは、そんなだらしない国なのである。
 それも今や世界じゃ見るのも珍しいあほづらマスクづらの痴呆統率でやるんだろ?
 国際ビジネスのパートナーとしてお付き合いしてくれる物好きはますます減って、でも他国から見て日本国内の物品は格安になってるから、外から好きに使って役立ちそうなブツは買い漁られる。まさに放蕩商売で傾いた成金商店の成れの果て、恥だ。

 蒸し返して悪いが、経済原理をまともに理解して言論できる専門家は、この日本社会にただの一人もいない。誰も経済学の根拠を持って市場介入の制止言論を発動できなかったのなら勉強不足の判断力不足だし、誰かが発案はしたが現実を止められなかったというのなら、経済学の理知性が国家運営に活かせない日本国の構造的な欠陥からまず直さないと、経済学は最初から『遊び』『ヒマ潰し』以上の意味を持たない。
 こんなことなら日本中の大学から経済学部なんか無くした方が運営負担が軽くなって良いだろう。そんなクズ学部を卒業しても、所詮は成長期をレジャーランドで怠けただけの無能ガラクタ新卒でしかないワケで。
 そこらのアヤシイ宗教屋よりナニナニ経済学者・うんたらエコノミストの看板ぶら下げてる詐欺師の方が、よっぽど桁外れに社会で損害性の誤作動してんじゃないのか?

 ま、しばらく外為レートは眺めるしかないとして、それでも『経済』という看板のついた道にマジメに興味をもって取り組みたい若い人向けに映画を一本紹介しておこう。
 “THE BIG SHORT”(邦題『マネー・ショート 華麗なる大逆転』)である。

 要はリーマン・ショックの映画でブラピことブラッド・ピットが主演格で登場する。
 現場ガチの実際がどうだったかの詳細は知る由も無いが、金融業界史上きっての悪知恵とも言うべきサブプライム・ローンの危険性と破綻の行く末を早々に見抜いて立ち回った業界アウトサイダーたちの物語だ。
 北米住宅販売や金融格付け会社に関わる具体的な発信情報や反応速度のイメージが持てていると面白いのだが、とりあえずムツカシイこと考えずに先に観てしまい、この映画を例えば自分の家族や友人に解説できるかどうか取り組んでみる…みたいな鑑賞姿勢でも楽しめるのではないだろうか。
 実話ベースの再現ドラマ仕立て、ビジネス風ストイックな造りでよくできており、一度観て断片的にでも知っておくと話のネタになると思う。
 内容まんまをマジに研究して理解を深めておいて損は無いし、オススメである。

 さて、明後日まで少しこの世を静観してみますか。良いコトなさそうだけど。
 人間がいくら妄想を弄んでも、現実は行き着く先にしか行かないし、そこからどうするか考えて決めるしかないからね。確認しておこう、経済は数合わせの数理と、社会の有価物が運動する物理が大きく支配している。誰それがどんなつもりでナニ抜かしたとか、チンケな文系雑音はカンケーねえんだよ。

 雑音の遮断が、経済学の基礎なんだろうな。
 『豊かな日本列島で何となく一緒』を雑音にしないことだ。明朗会計で御幸運を!
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