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【870】忘れられた表彰台の自己評価ランキング [ビジネス]

 そうか、言われてようやく思い出す、元々の東京五輪開催予定日が過ぎた。
 …ってことは、もう誰もが認める五輪大会としての成立は可能性ゼロとして、善後策をどうするかのスタンスに切り換えるしかないじゃん。幸か不幸か日本社会の自我はちっとも惜しがってないんだし。
 他国が一斉に出場を控えるなか日本勢だけで競い合ってメダルラッシュだなんて、日本社会が盛り上がるどころか、世界に恥を晒した後悔の自覚に揉み消され、下手すると第何波めかのコロナ感染者の日報の方が注目の的になってるんじゃねえの?

 まだどのくらい続くのかはともかく、この感染症騒ぎもゆくゆくは減衰して、キホン昨年までの生活様式にみんな戻ることになるだろう。ただ、景気悪化ぶんスポーツ業界はビフォー・アフター比較で格段にしんどくなるはずである。
 スポーツは生産活動ではないからだ。それをやって農水畜産物や工業製品が手に入る訳ではなく、よって選手も観客も衣食住を満たされる訳ではない。それどころか人間は、むしろメシ喰ってスポーツやって観て腹が減り、終わったあとは疲れてぐっすり眠らなければならない。
 身体能力の限界への挑戦が人間の永遠の関心事なのは間違いないが、それをやって大衆の興味を引いて応えるという一連の活動に対して、宣伝効果など商用性を持たせないと経済社会において存在意義が成立しないのだ。早い話がエンタメ企画や賭博ネタに仕立てた上で、そこから広告価値などを通して利益を刈り取る、だからそれ目的に出資する…そんなスポンサーがいるってことですな。

 だが来年の今頃、果たして収益性を見込んだ開催など可能なのだろうか?
 そもそも遥か昔の体感ながら、実はほんの昨秋に『都心じゃ暑すぎてマラソンの選手が揃わないから札幌』とかケチつけて騒いでたんだし、アレがちょいときつくなった程度なんだけどさ。
 コロナなんぞあろうがなかろうが最初からダメなものはダメ、物事やるんなら真面目にやらないと、五輪どころかスポーツ興行そのものの経済的価値が国民マインドの中で崩れ落ちて、次の展開は『食っていけないスポーツは、アマチュア趣味にしとくのが常識』なる日本社会の到来である。
 観客やスポンサーの立場ならともかく選手本人は、現役時代に全てを注いでおのれの可能性を使い切らねばならない反面、その選手生命からの引退後の生活を賄うため、どうにかして社会空間に自分自身の居場所を確保せねばならないという難課題も上乗せされる。

 昔ちょっとスケートが速かっただけのスカート履いた昭和ダメオヤジ、この死活問題というにも厳し過ぎる選手たちの経済事情は今やすっかり他人事で二の次三の次、もう自爆テロ非国民犯罪者政権の五輪ネタ内輪囲いにどこまで混ぜてもらい続けるかで頭がいっぱいだと見受ける。何しろ毎月毎月、選手たちの年収さえ遥かに上回るカネがウッハウッハと濡れ手にアワ状態なんだから、そりゃやめられないオイシイ商売なんだろうよ。
 コロナに打ち勝つだの何だの、仰々しく仕立ててもらった無意味なセリフだけ吐き捨てて、コイツ何の目的機能に立って何を実行するつもりなのか、ひとっことも無いんだよな。賞味期限切れのスポーツ選手をボロい餌付けで政治に再利用すると、こんな馬鹿馬鹿しい腐り方で、業界の将来のためにならないということか。

 インターネット環境に続きパソコンさらにスマホなどモバイル機器の急速な普及により、『いつでもどこでも自由自在の選択肢』が大量供給された時点で、あるひとつのコンテンツがまとまった人数の視聴を社会現象級に集めるのは、ひと昔前から桁違いに困難になっている。野球もサッカーも、かつて日本社会全体の空気を揺るがしたあの熱狂など見る影も無い。
 『みんなで共有するものがそれしか無かった時代』の記憶が、日本社会の自我から消えたのである。これだけビジネス収穫率のつらくなっている現代日本社会で、今日から向こう1年内の五輪の残骸なんぞに、何の収益性があるというのか。

 ちょっと前に、1年延期でなんと追加費用が3千億円もかかる、そのうちIOCが『たったの』300億を『負担する検討をする』などと、どこからともなく聞こえたような聞こえなかったような。

 問答無用でよかろう。今すぐ中止を決心すべきだ。

 若い人がスポーツに精出して得るところは本当に大きいのだが、『スポーツには直接生産性が無い』という宿命には観念しておく必要があると思う。直接に生産性がない以上、間接の部分を時の経済空間に合わせて自分で構築しないと、人生を賭けたチャレンジが叶わない。
 そっち方面を志す人は、周辺事情まで含めて将来構想を固めておくことを勧める。直接生産性が無いからには、ちょっと語弊があるが、誰かの直接生産力の余剰ぶん=社会における生産力の流動ぶんをアテにして、経済を通じて都合し合って生きていく選択になる。

 こないだ公務員の定年引上げが世論の大反対で一旦はつまずいたワケだが【849】、『2022年度から上級国民・還暦公務員特待の5年遊んでボロ儲け老後優遇制度=軽減税率』の仕込みはその前に、勝手に決まったことになったままだ【851】
 計算上は、この優遇制度に御案内する予定だった上級国民が行き場を失くし、そのぶん優遇制度の席となるムダ公務ポストが人待ちで空くという不整合状態になっている。ならば自爆テロ非国民犯罪者政権が、公務員定年引上げを何とか成功させるまで、おあずけ状態で事態は凍結するのだろうか?

 今までの流れを見れば判るだろう。現状を放置していては、日本社会は丸々底下げ的に、余暇を失い金銭的な余裕も失うことになる【578】【581】

 元気溌剌とドラスティックな動きを絶やさないアクティブ気性の社会組織は、次々と世代交代を繰り返しながら時代に適応し進化するものだ。日本国の役所組織は、この観点で致命的な欠陥を抱えているのだが、その話はいずれ回を改めて扱うことにしよう。

 安心してフェアに燃焼し切れもしないステージでやる競技や試合に、天井知らずの経費を積み上げる意味など無かろう。挑戦する当事者たちには確かに気の毒きわまりないが、ここで規模縮小とやらで強行して、日本国にとってスポーツ興行が『不真面目な大損害の既成事実』になってしまっては本末転倒ではないのか。
 あっちもこっちも厳しい時期だが、生き抜いて直さなければ先は無い。御幸運を!
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