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【862】不安と不満のくつろぎ会員証返納キャンペーン [ビジネス]

 あら?専門家会議とかいう怪しげな集会、解散したの?まあ良いんだけど。
 最初から最後まで、どこのどんな専門領域の人材を集めてきたのか、病気を治したかったのか感染拡大を止めたかったのか社会機能を守りたかったのか、さっぱり判らない意味不明の寄合だったことよ。
 元々から当人らの意志なんてものがあったのかなかったのか知らんが、せっかく黒縁ミイラが記者会見でしゃべってる真っ最中に、当人らのまるで与り知らない所からカマキリ人形がいきなりの一方的に解散を宣言したとかしなかったとか。
 まあ何かモノの役に立つようなマトモな専門家が混じっていたとも思えないんだけど、どっから誰々を呼び集めたにしても強権発動的の見せしめ的な終わらせ方だよねえ。まあいいや、とりあえずお疲れさまでした。

 『日本の職場は効率が悪い』という話にちょっと戻ろう【858】
 洋の東西を問わず、人々が社会の暮らしで行動するにあたっては、ナニガシかの目的があるのが普通だ。勉強するのは賢くなりたいからだし、商売するのは稼ぎたいからだし、いろいろと娯楽に興じるのは楽しみたいからだし、寝るのは眠って休みたいからである。

 だが日本人が自覚しない、日本人に特徴的な国民性として
 『社会で行動する目的を二の次にしてでも、だらだら調子を合わせて頷き合う』
という、日本人以外にはなかなか理解し得ない行動パターンのDNA特性が存在する。

 端的に、お宅ナニしたくてそこにいるの?と首をかしげたくなるような、非・生産的きわまる組織への自傷型帰属形態(?)が散見されるのだ。本人も思い遂げられずストレスが溜まるだろうし、明るい見通しもない根拠で絡まれて効率的な運営を邪魔される組織としても徒労の連続、たまったものではない。
 それこそ『人間として普通』なら、とっととソリの合わない連中とは決別して自前で組織構築を始めた方がよっぽど快適な近道だろうし、少なくとも北米社会の精神文化だと考える間もなく一瞬でそっちだろう。
 おのれの信念を賭けて独り立ちする行動力も精神力も固めないまま、憂さ晴らしやヒマ潰しのように嫌われポストなんぞ決め込もうものなら、誰からも会話もすっぱり切り上げられてオシマイだ。お互い情報交換し協力し、一人では叶わない良いコトを実現できる相手を心底大切に守ろうとする多様性バトルフィールド向け価値観の裏返しである。

 日本式組織の慣習ではキホン、何か組織の枠が設定され、一旦そこに帰属する手続きさえ済ませば、あとは少々の揉め事があっても『そうしとくもんだ』と許容され説得され諭旨されて、組織の一員として扱い続けてもらえる不文律がある。これは組織の懐が深く情に厚いという見方が確かに成立する反面、ヒト対ヒトの実効力ある協調が雑音に阻害されて組織力の純度が落ち、誤作動個体の不毛な内乱で組織が健康を害してしまい、組織全体として非効率に陥るリスクが避けられない。
 近年『日本の職場は効率が悪い』という指摘が、『日本人は、自組織のために採算性・生産性を自己管理する精神構造に乏しい』という意味として、目立ってきていると述べた【858】
 そう、散々苦労して気が付いてみたら、外部の誰も知らない自組織の中だけで『自分たちは決め事に沿って決めた仲間関係を守った』というニッポン伝統芸をただ積み重ねただけ…という切ないパターンだったりはしないか。

 これを細かく分析して論じると終わらなくなってしまうので端折るとして、一貫して問題の本質になっているのは『暮らすために仲間でいるのか、仲間でいるから暮らせているのか』の順番が、日本社会では根本的に前半の『暮らすために仲間でいる』優先になっていると思うのだ。仲間が協力して組織力で暮らしを実現しないと、組織も個人も収支が破綻し、組織が崩れてバラバラになり、結局は暮らせなくなるので、両者はよく言うニワトリと卵の関係でしかないのだけれど。
 よって前半vs後半のいずれが基準とすべき姿なのかは一概に答が出ないのだが、現状日本社会は前半基軸でありながら、自分たちがそのメンタリティを持っていることにも、そのメンタリティでここまで歴史を紡いできた経緯にも、関心を持てなくなってしまっているところに問題がある。

 何故そんなことになるかというと、今の日本社会の暮らしが十分に幸福でない…というか、言ってしまえば総じて不幸で不満だからだろう。他人任せで済む日本社会での時空間は、面白くも楽しくもないのなら、なりゆき任せで放置されてしまう。
 きっかけを捉えては、デモや暴動という実行動が社会組織の規模で起きる欧米文化とは、明らかに異なる社会のDNA特性ではないだろうか。

 もっとも個人レベルの行動の暴発には、やはり日本でもそれなりの傾向が顕れるもので、景気と放火件数の間には確かな相関があり、不景気になると間違いなく放火件数は増えるのだと聞いた。
 いま生業の日常稼働ペースを奪われ、そもそも職から失ってしまった人も多い中、政治家や役人ばかりが勝手な規則解釈を振り回し、散々不正を働きながら税金資本のいい加減な浪費をして咎められないという非合理性は、明らかに昨今の日本社会における『効率崩壊』の原因になっているはずである。
 いわゆる『身を切る改革』を指して、政治家や公務員の人件費の減分を単純計算し、『数字的には必要とされる財政改善代に対して微小過ぎるので意味は無い、だから人件費削減の必要は無い』という理屈を口走る詐欺師が後を絶たないが、騙されてはならない。
 『フェアネスの周知徹底』を布く政策は、人が社会生活に抱く満足感・幸福感となって普及し、広く多面的に組織力の効率向上を期待できるものなのである。

 元々この島国で仲良く小ぢんまりやっていくぶんには適した精神風土が、日本列島の自然に育まれ出来上がっていた。それが高度経済成長期を迎えて、日本人固有の組織観が、必要以上に他人任せで目前の直接業務だけやっていれば生活が完結するという、半人前どまりの人生モデルに化けてしまった。
 バブル崩壊は幼稚過ぎる失政だったが、あれを免れていてもグローバル・スケールの資本主義経済の失速には行き詰っていたはずであり、いずれにせよ空前絶後の超・好景気の経済環境でしか成り立たない人生モデルをアテにした大勢の日本人が未来の光を見失い、不安と不満に沈んで現状に到る。
 解りもしないひとんちのデモや暴動を指差して、のうのうと的外れの雑談をやっている場合ではない。

 …と、ここまで理解したら、現実にナニをどう直すかから考え始めましょうや。
 いずれ本当に直ったその時、みんなと一緒に『自分が直した』という記憶が持てていないと、満足して幸せには浸れませんぞ。
 では今週も諦めずに、引き続きグッドラック!
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