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【947】ワレ思う、故にソレ在り [ビジネス]

 やれやれ、去年のゴールデンウィークに丸一年後の今頃、さっぱり何の進歩も無いまま『また』『まだ』緊急事態宣言なんぞやっていると予想した日本人が一体何人いたろうか。ま、仕方ないっちゃ仕方ない、こんなもんか。

 『コロナ死ぬ死ぬ』なんだから、ハンパなことやってないで国政として日本社会に問答無用の緊急停止措置を下さないと、みんな死ぬ死ぬ。重症化病棟ももう溢れてきているし、これは危ない、あちこち阿鼻叫喚の重症患者がのたうちまわって、みんな死ぬ死ぬ。
 誰もその気にならないのに、勝手にどこそこからいくつ届いただとか、古電球がどこぞのクスリ屋とハナシつけたつもりだとか、だらだら怪しげな注射ネタの見世物ばっかりやっている場合でもなかろうよ。みんな死ぬ死ぬ。
 それにしても『死ぬ死ぬ』がクチばっかりで、現場のガチ現実の臨死感がどっこにも無いんだよな。…って、くまなく探し回りもしないで言っている、不真面目ですまんね。

 まだ去年のうちはサラリーマン番組が、死にそうなヒトの救急搬送中『死ぬ死ぬ』自己申告の自撮り映像をたれ流してたりもして笑わせてくれたものだ。ホントに死にそうなヤツがそんな余裕あるのかとか不思議なんだが、検閲役人へのウケ狙いが先走り過ぎちゃって多分ちゃんと考えなかったんだろうな。
 着目点の詳細な開示は控えさせていただくが、あんなもの見る目のある人間が見れば、即刻で『オマエそれテレビ屋の大モノ搬入路だろが、備品のストレッチャーにどこの新米役者を乗っけて撮ったんだよ?』と一発でツッコミ入れちゃうような小細工でしかなく、せいぜいその程度のジャンク動画が平然と公共電波を介してニュース仕立てで流されていたのだから恐れ入る。すっかり姿を消してしまったので、どっかからバレてる旨の指摘を受けたりもしのたのだろうか?
 大陸や半島より数段質の落ちた日本国の放送倫理への抵触ごとき、今さら気にする道徳心なんぞ爪の先ほども無かろうに。

 『コロナ死ぬ死ぬ』をまだ引張れる現実解が『変異種』だとする理屈って何だろう?
 あんまり派手に変異しちゃうと、今度は原理的にワクチンが効かなくなる必然が避けられないんだけどなあ。例えばインフルエンザなんかでは、既知のウィルス種のうち感染防止の対象とする株種の出現予想がまずあって、それがめでたく命中した場合にのみ効力が期待できるとされる予防接種なのは御存知の通り。
 だが、いま新型コロナ・ウィルスの変異スピードが、烏合マスコミどもがその恐ろしさを連呼するほど驚異的な勢いであっては、もう随分と早いうちに去年開発されたワクチンなんぞ、どれも無力になり下がっているはずなんだけどねえ。最新型の名前と特性を教えておくれでないかい?みんな同じか答あわせしてみようよ。
 来週あたりには、悪魔のカギ爪を生やした腕や、凶悪に目を吊り上げたカマ首が突き出たような新型コロナ・ウィルス変異種の顕微鏡写真が出回りそうな勢いではある。どうせチマタで真に受ける日本人なんか幼稚園児にもいないだろうし、ちょっとデザインのセンスを見てやるから、そこらのサラリーマン番組でやってくれよ。

 もっとも日本国民の認識が『そろそろコロナ、死なないんじゃね?』ってことになってたとしたら、それはそれで経済復興を口実に、旅費から遊興費から税金をばら撒くハナシが『また』『まだ』横行してたろうから、そんな気の狂った無駄遣いが止まっているぶんだけ、去年より進歩はしてるってことか。
 今年になってしみじみ思い返してみると、去年のあの『GOナンタラ』ってのは、悪意あるユーザーによる不正利用の防止にしろ、優柔不断な国政による突発キャンセル対応の補償にしろ、『政府のあらゆる決め事は、次の瞬間どうにでも自由自在ひっくり返せる』という実証事例になった訳だし、あながちただの無駄な大混乱でもなかったという言い方はできるのかも知れない。愚かな失敗も、そのぶん賢くなれば刈り取れるってワケだ。
 長年まことしやかに『国事として決めたことだから、もうひっくり返せない』『限られた役職以外が触ると、財務計画の辻褄が崩れて経済が破綻する』みたいな通説が頷き合われてきた。国家財務という大規模かつ重要なタスクだし、そりゃ不透明な公共事業や納得いかない税金の無駄遣いなんかはしばしば見かけたりもするけれど、つまるところ下民には到底考え及ばないようなムツカシイ重責ポストがかっちり数字を合わせて決められているんだから、やはり解らないしどうしようもないんだと。

 まさに国民が目の当たりにした通り、それは大衆を諦めさせる世論操作だった。
 例えば役所窓口など国民目線が直接とどく視野の中で、『いきなり上で変えられたので、どう処理すべきか決まっていない』『次々に新規の作業を積み足される一方なので対応できない』といった無能マネジメント…いや、不適格と能力不足によるマネジメント崩壊のとばっちりに大混乱および疲労困憊する職員たちの姿が露わになったのは、いま思えば日本社会が認識を改めるのには好都合だったのだろう。
 生活に行き詰まって鬼気迫る表情で駆け込んでくる住民たちを相手に、とにかくその場を収めて帰ってもらう暫定処置だけ落ち着けて、そこから深夜まで先の見えない残業の山に押し潰されそうになっていた役所職員たちのつらさは想像に余りある。

 そりゃ一連のデタラメな税金ばら撒き政策は、現状国家財務の採算性をわざと不可抗力の大出血で誤魔化して、公務員層の職務ポストと人件費だけがめる腹づもりなのは読めるにしても、それをやって公務員待遇だけ守って日本社会全体の平和な経済ループが壊れてしまっては、その公務員層も安心安全で楽しい日常生活を失う結末にしかならない。日本社会の日常生活の現場に触れて暮らす日本人なら、そのくらい立場を問わず等しく解かっているはずだ。
 そう、問題は社会の『現場最前線でない、上級国民の立ち位置を決め込んでいる層』にある。そしてそんな階級と現場最前線の間に越えられない『世界の壁』が存在することを、漠然と常識にしてしまっていたのは、他ならぬ我々1億2千万人の現場社会の方だ。

 久しぶりに左腕にサイコガンを持つ男、海賊コブラを思い出した。そのエピソードのひとつに『カゲロウ山』の登山にまつわる話があるのだ。
 その存在を信じる者にその山は存在し、その存在を疑った途端にその山は消滅する。『ある』と思うから物理的な実体が保証されるという、欲媒花マンドラド【838】に並んでこれまたインテリジェンスたっぷりのサイエンス型オカルト設定がなされたストーリーなのだが、これはSF漫画の凝った絵空事だけの概念なのだろうか?

 私が長らくここで『ヒエラルキー』『チカラ関係』『ウチワ箱庭』などと呼ぶ、数多くの日本人が閉じ込められている陰険で非・生産的な空間構造・世界規律とは、まさにドンピシャこれではないかと思うのだ。社畜サラリーマンに終わらず、一生を捧げてそこに暮らす者も少なくない。
 ここの御贔屓さま方は重々御存知の通り、私自身はこういうのを一切信じない。その代わり、この日本列島の自然が時を経て育んできた『森羅万象としての世の道理および因果律』は固く信じている。

 まずは手近なところから、国民全員が身をもって『コロナ死ぬ死ぬ』の一斉点検だ。狂暴に進化した凶悪殺人ウィルスや、呼吸困難に喘ぎつつ絶命していく悲愴な犠牲者たちは、我々の生活空間のどこに何人いるのだろう?
 巨大組織生命体・日本国が再び元気を取り戻すため1億2千万人日本人たちは、老いて腐って狂った実体なき空間構造の幻影を捨て去って、いま日本列島が身を置いているナウ現実の姿を、きちんとありのままに仲間同士で共有する必要があるのだと思う。
 頑張って生き抜いて、元気を取り戻した日本社会をまた楽しみましょう。御幸運を!
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