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【910】即戦力スーパー管理職の瞬間査定ランク [ビジネス]

 今年も残り少なくなってきた。光陰矢の如し、早いものである。
 『政府はたかが現状ごときで、いちいち面倒臭い対応なんかやらんのだ、わかったか』と古電球が居丈高に悪態をついていたのは、ちょうど1年前のことだ。
 いまコロナ感染者の1日新規確認数は全国で3千人を越えるに到っており、苦し紛れに口走った『勝負の三週間』とやらは、誰がどう見ても完敗であろう。

 負けたなら敗北したまま放置という訳にも行かないから、もちろん次はリベンジ勝利を目指して新しい行動を起こさねばならない。
 だが負けてやられてしまっている以上いきなり勝利を夢見ても気休めの夢想にしかならず、まずダメージを喰らって弱った自分を戦えるパワーにまでに回復させ、そこ時点の実情に合わせて勝算を見込める作戦を組んで、仕掛けるならそこだろう。
 そりゃ負けてるんだから今はみっともない体たらくなんだろうし、やれるはずのことやるべきことにも存分に組み合えないし、大概の場合は『泣きっ面にハチ』で地に這いつくばりながらなおも被弾の雨あられだったりする。だが。

 実は負けている時に限らないのだが、大事なのは手元にある原資を無駄に捨ててしまわないことだ。現有の原資は、一切の負担なく自分の持ち駒として自由に使える。だからこそこれを洩れなく有効打にして、キホン固定性・長期性の好転ファクターとして刈り取ってゆく必要がある。
 『危機を感じたら、その回避・離脱に全力集中する』は生存本能の基本要件なのだ。

 組織が災害事象に見舞われた時、その対処プロセスの概念で語られる『クライシス・コミュニケーション』という用語がある。ちょっと段階別に考えてみよう。

 ステップ1:平常時の規則を壊し、危機に見舞われた現状特設の最適解を決定する。
 ステップ2:その最適解を、現実的なアクションに直結するマニュアル情報にする。
 ステップ3:それを、組織が必要とする、そして実行可能なところに伝達する。
 ステップ4:対策効果を測定・情報収集、実態に応じてステップ2から再スクロール。

 このステップ1においては『現場の実情を認識できないヤツをリーダーにしてはならない』とされている。ナニがいけないのかも見えていないヤツに、その後の思考検討などできるはずもない。
 そしてこれはリーダーとなる人材の資質だけではなく、『中央集権型の指示命令系統は、危機対応に弱くなりがち』という組織の構造が要因として効いてくるところにポイントがあるというのだ。
 中央に一点集中した組織の意思決定機能は、現場からの情報をきちんと受信しなくなる。単純に現場から組織表上で遠ざかって情報としての受信内容が薄くなるだけではなく、その位置関係がウチワの特権意識に化けてしまったりすると、自分らだけのトクと組織全体の健全作動、どちらが至上命題なのか見失ってしまいがちなのである。

 確かに今、地域社会の暮らしをどうにか持たせるため懸命になっている自治体の首長たちや、大混乱する診療現場の人員・設備を切り回す医療団体から、日本社会における感染拡大の機会を一斉に抑えるための政策が繰り返し要望されている反面、この国家的災厄に乗じて公務ポストと公費支出費目を焼け太り式に無限発生させたい政府に、全くその危機感は無い。

 前回紹介した震災時の踏切のケースでは、誰ひとり『そこらへんのオバチャンに指図されるいわれなど無い』と反発もしなかったし、『いいや、交通規則だから踏切が鳴り止むのを待つ』と独善にこだわりもしなかった。
 その時点で、オバチャンは現状を最も的確に知っていると同時に、何の欲も持たない人間だったから、交通規則に目をつぶるためのストレス議論も起こらず、平常時の規則が迅速に壊せたのだ。危機的状況を素直かつ真剣に認めて、車列のみんなで危機回避の組織総合的な潮流を作り、誰も妨害したりせず、組織の自我はスムーズに逃げて無事に済んだのである。
 結果的に見れば、このオバチャンは『車列に迫る危機に関して、誰より詳しい現場の専門家』として完璧に機能していた。

 そう、クライシス・コミュニケーションにおいて、ステップ1に専門家の知見が反映されなければ機能しない。またステップ2に現場従事者の意見が反映されなければ機能しない。
 いま1億2千万人日本国組織がしっかり現認しておくべきは、どこに誰が何人いようが、有用な知見を使える情報にして自由に発信し、それを受信した組織全体が協調して最適解めがけて動かない限り、組織力は発揮されないし、組織力を発揮できない大衆は、生きる能力を備えない烏合の群衆でしかないということだ。
 このままでは1億2千万人もいて、これだけ致死率が低くて、文明社会インフラが行き渡っていて、たまたま新規感染者の1日確認数3千人程度、あと重症者が5百数十人で死亡者は50人強というセンに収まっているという恵まれた境遇にありながら、衰弱した経済を更に疲弊させつつ狂ったように税金資本をばら撒いて自滅である。

 改めて、学術会議の人選に、何の権利意識で外野の古電球が口出しをした?
 くっだらない強権の主張を仕込む動機が国政のどこかにあって、その同じ根源に『どうせもう自力の解決はできない』『自分らが失敗したことにしたくない』『それでも自分が尊重されないと我慢できない』みたいな自意識があるのなら、それこそが日本社会組織の生存本能をここまで弱らせた元凶である。摘出と処分が必要だ。
 古電球を見逃してはならない。血とはらわたと一緒で結構、全て吐かせないと。

 健常な生命力を残している大阪府市および東京都・北海道にはまず総力上げて頑張っていただき、全国でこれを支えると共に、全国相互で過不足を調整しながら追従し、とにかく総崩れの発端を防ぐ。日本の現時点の感染事情と医療現場の実力なら持ち堪えられるはずだと思うのだが。
 ともあれ皆さまくれぐれも御大事に、そして引き続きの御幸運を!
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