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【900】対岸の大火事の鎮火占い [ビジネス]

 遂に900回を迎えた。こりゃ1000回いくんだろうな。とりあえず続けましょう。
 北米大統領選が前代未聞の混乱ぶりとなっている。ここまで来りゃよっぽどの大番狂わせでもない限りバイデン爺の勝ちでキマリなんだろうけど、その後が今以上の混乱に陥るのではないかなあ。

 トランプ君はいろいろヨレた部分ネジレた部分がありまくりだけれど、当選以降ここまで、北米市場に資本主義経済の作動原理を取り戻させようとする目的意識が一本はっきり見えていた。しかもヤツ自身、首尾よく北米国内限定でそれっぽい目的達成が得られたからといって、そんなもの一時的な途中経過にしかならず、それでアメリカ合衆国の運営が安泰になるなんて思っていないはずだ。むしろそこから新時代の北米経済と、それを取り巻く世界情勢をどう作り込むかの方が、ヤツにとってはライフワーク的な課題だったのではないだろうか。まだ過去形にしちゃカワイソウか。
 少なくとも北米社会の経済的側面…と言っても、これまた多面性があるのだが、『経済大国アメリカの先進資本主義』を価値観の中心に置く経済マインド空間においては、平等でも均一でもなかったが、それなりに活性化の実績を上げていた。これを新型コロナ・ウィルス感染拡大による経済の急停止が、問答無用でフイにしてしまったのである。
 トランプ君が大統領をやってきた意味・やっている意味が一気に御破算になった感が拭えない。ヤツにとっては、天から降り落ちてきた不運がモロに命中したようなもんだろう。

 経済の平衡点が崩れると、人種差別に絡んで北米社会に潜んでいた反感のわだかまりが次々暴発してしまい、トランプ君本人にも感知しようのない街角のあちこちで、必要以上に白人優先主義の強権主導者的なマイナスイメージが強調されてしまったのはちょっと残念かも。
 もっともそれこそが国民感情の原理にまで深く深く根を張った北米社会の基本特性なのであり、あながち理不尽なアンラッキーを喰らったとも言えない。後出しジャンケン式に無責任な批評だけ言い放つならば、万が一のこんな事態まで計算に入れて人種問題に気を遣っておかなかったからには、これは必然のなりゆきであったとも言えてしまう。このあたり本人も解ってるんじゃないだろうか。
 以上のひと通りを観念した上で、まさに死んでも生き残ろうとするビジネス人種の本領発揮とでもいうのか、トランプ君は『本人の立場から負けを認めず、独り手前で食い下がっている』ってのが現状なんじゃないですかね。まあワリを食わされてた連中にとっちゃ『ここで会ったが百年目』状態のはずだし、勝ち目キビシイけど。

 いっぽう真剣にタイヘンなのはバイデン爺で、これまた運の巡り合わせで前例の無い深刻な難題が立ちはだかっている。
 トランプ君が曲がりなりにも上げてきた成果、特に経済指標やその手段ともなっている貿易政策が、現状よりも押されて割り込んでくるような事態はキホン許されない。御存知の通り、トランプ君が無理ムチャ承知の力技で相手を寄り切って現状の作動点に押し込んでいることが多いから、このへん丸ごと戦局悪化の方向にしか行きようがない気がしている。77歳をつかまえて、このチカラとチカラの均衡で得た作動点を引き継いでさばけというのは、ちょっと非現実的な要求に思えるなあ。
 『反トランプ』で大統領に当選したは良いけれど、『トランプ効果を失っただけに終わらないナニか』を一刻も早くカタチにして現実感を持たせ、直近わかりやすい実績事実をいくつか作るところまでやらないと、今度はおのれがいくらも持たない。今やんやの喝采を送っている群衆は、実入りがなければあっという間に態度を翻すだろう。
 もっともトランプ君ももう74歳であることを再確認して、あの良くも悪くも攻撃的なバイタリティには改めて驚くばかりだ。そして古電球が『まだ』71歳でこんなにもみすぼらしい様相で、他人に用意してもらった台本を繰り返し朗読することしかできていない貧相っぷりに愕然とする。

 トランプ君もあと10歳若ければ、北米社会組織が一旦バイデン政権の現実を自分らの選択の結果として体験認識するのを待って、次回の大統領選を狙うという作戦が立ったろうに。この大統領選は、候補者ふたりがどちらも歳を取り過ぎていたのが最大の難点であった。
 まだまだ日本社会より、遥かに今日一日をどう生き抜くかで手一杯の人々が大勢いる北米社会、これまでになく銃が売れているというが、これは今後の北米社会の更なる混迷を見越して、自衛の意識が高まっているのだと見て的外れではないだろう。北米社会では公金財務が破綻すると、対象区域の警察が機能停止しますからね。

 で、いいんだけどさ、日本みたく識字率が基本100%を前提に、投票用紙に『賛成』『反対』を書き込んでくださいとか普通に言える平和で安全な国に暮らしつつ、ひからびたような政権に跪いてお恵みを乞う甘々おもらい雛壇は、生きるため世界中から人々が集まる北米の選挙事情を指差して知った顔でトランプ批判なんかしない方が、多少でも利巧に見えると気付こうぜ。

 バイデン爺が大統領の座に就いて、最初にナニが次期北米の公認国力アイテムとして効いてくるのか、私には全く予想がつかない。まずは『トランプ禍の解消』『トランプ圧からの解放』みたいな業績の上げ方も通用するんだろうが、それって国民の半数しかいない反トランプ派にしか認められないものだし、北米全体の、特に日常経済の肌感覚を底上げできなければ、一気にトランプ君アンコールの世論が盛り上がってくる可能性は十分にあると思う。そうなったら一体どんな揉め方をするのだろう?

 大勢の人間が成す社会組織も、それ自体がひとつの人格を持つ生物だと述べてきた。巨大生物・社会組織の自我も、『やってみて失敗から学ぶ』『現実を見て初めて認識する』という、我々人間個人と同じ認知特性を持っている。組織の決心ゴトは『重大な組織運用史の節目』ではあるが、『万物確定の永劫世界構築』ではない。
 大切なのは、そんな社会組織が変遷する時間の流れの中で健全に稼働し続け、そこに帰属する人々が、そこにいるだけで嬉しい楽しい良かったねと思えるために、いつも気を抜かず手を抜かず操縦する心が存在していることである。

 う~ん、かつて御世話になった北米各地の連中、みんな暮らし向きはどうなのかなあ。お土産にもらったペンシルベニアの熊さんのマグネットを眺めつつ、今回は主に北米の皆さんにグッドラック!
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