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【899】優勝トロフィー回し飲みの打ち上げ会場準備 [ビジネス]

 大阪都構想、再び否決。これはここまで現実の行方を見ないと判んなかったな。
 270万人組織の自我に、『一人ひとりが誰にも邪魔されず意思表示するための万全の手段』をもって問いかけた結果がこれだった。ならば大阪市民全員で絶大の信頼を置いて、これを社会運営検討の原点とする。それがルールだ。

 吉村大阪府知事と松井大阪市長が今やって否決ということは、誰がいつやっても否決だよ。『これ以上なくやり切った。3回目は無い』とのことだが、確かに何度やっても結果は同じだろう。
 お疲れまでした。うん、また面白いこと考えよう。そのうち良いコトあるさ。

 個人的には推進派が説明不足で賛成票を逃したとは見ておらず、むしろ対案らしい対案もなく、反論のための反論に終始した反対派の方が理解され共感を得られる態勢としては辛かったと見ている。だが。

 ホントに『人間というのは理屈じゃない』のだ。
 私は、ちゃんと考えて詰められるはずの思考検討をちゃんと追求せずに放り出す言い訳としてこの表現を使うのは認めないタイプなのだが、だからってその裏返しとして、何事も筋をきちんと通し尽くしさえすれば必ず同意が得られるのが世の真理とも思っていない。
 理屈立った説得により限界まで追い込まれる人格と、自分という存在を確かめて自ら行動を採択する人格は、相互影響まではするが、結局のところ同一ではないというのが私の持論だ。要は最後の最後『自分がこうだと言ったらこう』、これについては、またいつかスペースを取って詳しく扱うとしようか。
 今日は大阪都構想住民投票の結果について、先へ進める。結論から行こう。

 大阪市の行政区画を、二分して進めてみるというのはどうだろうか?
 今回の住民投票の結果を見ると、大阪市は決定通り存続したまま、大阪都構想のコンセプトも活かした、新時代の自治体運営の模索検討ができるのではないかと思うのだ。

 正方形を描いて十文字で区切っていただきたい。これを大阪市としよう。
 この右上1/4に『賛成多数』の区が集中している。右上角っこが東淀川区で、その真下の旭区だけがぽつんと1区、『反対多数』であった。また東淀川区の左隣にあたる淀川区、淀川を挟んでそれらの対岸となる都島区、北区、福島区、さらにその南側ヨコ一列にあたる鶴見区、城東区、中央区、西区、浪速区。ここまで全24区中の10区が『賛成多数』だった。ひと声、『キタを中心とした大阪市の北東部一帯』である。
 なお右上1/4賛成エリアの右辺側直下にあたる東成区ただ1区だけが、第一回目の住民投票では『賛成多数』だったが、今回は『反対多数』と結果が逆転している。
 つまり今般の僅差の決着は単なる全体一様のものではなく、大きくこの賛成エリアと反対エリアの地域二色性がバランスした結果だったのである。しっかり2回やったから見極められるのだが、この分布傾向は住民の定常的志向であり、飛び交った情報に左右された『たまたま』などではない。

 これってさ、『先進模索行政区画』と『伝統保守行政区画』に大阪市二分割で運営カラーを特徴づければ、各々が支持する行政コンセプトで暮らせるのではないだろうか。

 もちろん反対多数の区でも、結構な接戦だったからには賛成票を投じた住民が半数近くいるワケだが、10代20代の若年層に賛成多数が目立つというし、若い人たちなら狭い大阪市内でたかが電車で1時間以内の他区へ引越すぶんには抵抗もないだろうし、主にフットワークの軽いそんな若年層には『もし不満だったら動いてよね』の遊撃バッファー役になってもらうと。
 もちろん政令指定都市・大阪市として、例えば対・国政で地方自治をどう進めていくかなどは『伝統保守行政区画』に優先権アリとすれば良い。

 冒頭のハナシに戻って、『民主主義のルールをかっちり守って、多数決の手順の完遂をもって議決』した結果に従う決心プロセスは理に適ったものだ。ここに議論の余地など無い。
 これをもって人間が『結論を出す』というところまでは間違いなく実現するのだが、実に半数もの異論を抱えた組織の自我がすんなりその方向で収まるかどうかは、また別の課題なのである。前回の大統領選以降の北米社会の不確定性および、それを受けた今回の大統領選のリアルタイム大混乱を見れば実感できると思う。

 『多数決』は一般的だが、例えば『今やってる議論、それちょっと的外れだぞ』というような、会議体の現状作動そのものに緊急停止ボタンを押す動議などに対しては、半数と言わず一人や数人といったごく少数でも採択して、会議体が重大な集団大ポカをやらないよう配慮してある場合も少なくない。逆に、過半数ではその後の展開がスムーズに行かないことを見越して、2/3なりそれ以上なりの集票ラインで採決する議会もあるということを知っておこう。このへん、『じゃあいくつなんだ』と言わずに判りやすく済ますのが多数決だという理解で、あながちハズしていないのかも知れない。
 ともあれこうして採決ボーダーラインを定めた上で、集団議決というのは、そこに宿る組織の自我の心の在り処をを的確に把握して『刈り取った結論の処置』に動かないと、結局は議決にかけた各々の考え方のどれにも沿わない発散で失敗に終わる【687】

 だから市の行政枠は住民投票で得た多数決議決に従い『大阪市なる一元枠の存続』で結構、だがほぼ同数で呉越同舟となった賛成派と反対派がきれいに地図上を二分して棲み分けているラッキー事実の大発見を活用して、拮抗した二案をその枠内でどこまで自由に走らせられるか試そうというのだ。
 24区中14区を占める『伝統保守行政区画』とはいえ、そこに大阪市運用経費の全額を投入する訳ではないし、逆にそこの住民生活に大した影響もないのなら、残りを『先進模索行政区画』でどんな運用トライしようが反対する理由など無いだろう。
 現行の行政システムはキホン守りながら、アレンジできるところ新築できるところは精一杯に改変し、双方の行政区画で各々実績を作っていく。各24区で適宜お手軽に区勢調査や区民投票をやったりもすれば、例えば高齢化の波に押されて『伝統保守行政区画』路線への転向志向が強まってくるとか、若年層が『先進模索行政区画』に移住する傾向が顕著になってくるとかも見えてくるだろう。子供たち若者たちが暮らす未来に向かって、今よりも精度の高い事実情報が汲み取れるはずである。

 『V字回復』というコトバを聞き覚えで使いたがる政治家をたまに見かける。
 自由競争市場の無限バトルフィールドで死んでも生き残ろうとするビジネス人種は、工数とコストをかけロジカルに得た結果を徹底的に底ざらえして金目になる収穫を搔き集め、それを『組織がそこにいるだけで嬉しく楽しくなるための正真正銘エンタメ企画』にまで仕立て上げられなくては務まらない。
 出足このぐらいはやんないと全然ダメ、いやまだまだ目を吊り上げて隅の隅までさらえないと、V字どころか水平に向くのも程遠いぞ。もちっと世間に揉まれてみな。

 さしずめ大阪維新と公明が『先進模索行政区画』、自民・共産が『伝統保守行政区画』の主担当になるんだろうが、各々手分けして各区民がワクワクするようなアイディア発掘をヨロシク!ってことでどうだい。
 今般『もう今後、二重行政にはしない』と全党揃って大阪市民に約束していることだし、270万人巨大組織も、ふたつの行政区画を常に敵対でなく分担で対比させる形として進めれば、大阪市民の目が『自分ちと向こう』という見方で行き届くかも知れない。

 双方には喜んで、完全公開で知恵を出しますぞ。大阪の皆さま、どうか御幸運を!
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