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【1179】アタマとカラダの交通安全、夏前講習 [ビジネス]

 車の遠乗りの話を出したので、ちょっとそっち方面で続けてみよう。
 先週のことだったか、しょっちゅう歩く近所の幹線道路の歩道から見ていたら、交差点の赤信号でまず1台目が停止線のところで停まったは良いとして、次に続く2台目が3~4車身ぶんも空けて遥か後ろに停まった。別に1台目が『いかにも』のいかつい高級外車という訳ではない。
 渋滞してはいなかったが交通量の多い道路だし、信号待ちの車列を無駄に伸ばすと、最後尾が別の交差点を跨ぐとか何かと迷惑だったりもするのだが、コイツ一体ナニがしたいんだろう?

 そう思った途端に謎が解けた。運転手が早速スマホを取り出していじり始めたのだ。
 …カンベンしてくれよ、まったく。危なくておちおち愛車で出かけられやしない。

 もちろん走行中にスマホ操作すると交通違反になるから、その間隙を縫って交差点の停車中という理屈なのだろう。
 確かに運転中に、通話にしろメッセージにしろ着信して、シグナルストップでとりあえず発信元をチラ見で確認するぐらいなら危険は無いけれど、この30代とおぼしきドライバー氏はホクホクの表情でスマホにかぶりついていた。
 間違いなくAT車だったから、過去にスマホに夢中になってブレーキの踏力が緩み前車にごっつんこした経験でもあるのだろう。それにしても他の交通もあるのに、こんなハタ迷惑な位置に停車してまでスマホにかまけようと思うその気持ちは、とても理解できるものではない。

 我々学生時代の主流は、バイトして買った数万~数十万円の中古車だったが、まさに『愛車』としてみんな大切に乗っていたものである。車も運転も、それはそれは大好きだったから、ぞんざいな乗り方は決してしなかった。
 このスマホ熱中ドライバーは追突事故の面倒がイヤで車間を取っただけなのだろうか。それとも一応は車を大事にする気持ちがあってのことだったのだろうか。

 ネットニュースには対面通行の一般道で、対向車がセンターラインを越えてくるドラレコ画像がよくアップされている。対向車がセンターラインを跨いで自車の進路の中央から向かってきたら回避するのは難しく、自分自身がどうにか軽症以下で済んだとしても廃車レベルの車輌損害はほぼ間違いない。
 急な体調不良もあるんだろうが圧倒的に運転中のスマホによるものが多数だと思われ、どうせこっちのドラレコに明確な画像が残っていなければ、相手は正直に『スマホ操作で前方不注意でした』と白状しないケースも多かろう。
 衝突を回避しようとして、自車が人身なり物損なり事故を起こす行きがかりにでもなったら泣くに泣けない。

 そうそう、車の話を出したついでに最近見かける困った事例をもうひとつ。
 オツムが退化して交通規則における『ゆずりあい』の基本コンセプトをマトモに理解する知能を失い、横断歩道なり交差点の右左折信号なりで歩行者を立ち止まらせたら、その事実をもって機械的・暴力的に『歩行者妨害』を捕ろうとする無謀な取り締まりの愚行について以前に述べた【1125】
 いっぽう歩行者がスマホに夢中で速やかに歩き出さず、背後に待ち車列を従えた先頭車が発進に躊躇してしまい、道路交通が速やかに掃けない『通過車妨害』の方が遥かに遭遇頻度は高い気がする。
 こんな時『ハイそこ、その場で動かないでください』と指摘・指示されて、円滑な交通を阻害した件について行政指導あるいは行政処分されるべきは、間違いなく歩行者の方だろう。いくら歩行者優先の原則があるからって、私的事情で公共交通を遅滞させて良いはずがないのだ。

 しっかし、そんなに一瞬たりとも見逃せない良いモンばかり映ってるのかねえ?
 私は昨年1月に『オマエの携帯はもう死んでいる』と通告され、バッテリーの寿命も来てしまい交換は不可能、必要にかられて止む無くスマホに換えたのだが、1年半を経過して携帯電話で通話およびメッセージ送受信をするのと、携帯メールを確認する以上の操作をやったことがない。マジである。
 まあ他人の好みを自分の個人的な感覚で批評するような無駄なことはやらないとして、いいから他人の迷惑になるような公共空間での自己管理の放棄だけは控えて欲しいものだ。

 リアルな公共交通の空間で、その場に居合わせた歩行者や運転者が正確に交信するから、それに応じた行動決定の判断が各自で下されて交通が掃けるのである。手元のスマホという異質の情報交換の場が、リアル交通の情報交換の場に割り込んでいる状況だと理解して、社会ぐるみでその危険性を再認識すべき事態になっているのだと思う。

 ありゃ、ここまでで分量がえらく中途半端になってしまった。行楽シーズンを前に、単車に乗る人たちに豆知識をひとつ紹介しておくとするか。
 普通の単車に後退ギアが付いていないのは御存知の通り。だからなのだが、下り勾配のついた場所にアタマから突込んで駐車すると厄介なことになる。車重を後ろ向きに引きずり上げる手段は、人力しかない。
 下り勾配がきつ過ぎると思ったら、無理せず応援を頼むのが後悔しない最善策だが、そこまで絶望的でない程度の勾配なら単車でも単独バックする方法があるのだ。
 まず単車の車重を重力に逆らって引きずり上げるのだから、エンジン動力を使う。
 エンジン動力を使う以上は、必ず運転体制で着座し左足で支える【953】

 ギアを1速に入れてチョンとクラッチをつなき、前に飛び出そうとする車体をすかさず前ブレーキで押さえ込む。ここでフロントフォークが縮むワケだが、縮んだフォークが戻るタイミングに合わせて両手でハンドルを引き戻すのだ。
 このワザを使う時に限っては、後ブレーキを開放して両足を地面につける態勢も構わない。1速でチョンと出てはフォークを押し込み、その反力を利用して車重を引き戻す。

 もともとは悪路走破を競う『トライアル競技』において、岩の上など狭小スペースで直立停止状態のまま車体を方向転換させる時に使うテクニックの応用である。
 トライアル競技を観戦していると、あたかも前輪と後輪を交互に勢いづけて引張り上げ、何度もタイヤ接地を置き直していくかのように見えるが、単車の車重を乗員の体重と股ぐらグリップで浮かせるのは不可能であり、上記のように動力とブレーキをうまく使っているのだという実況解説を、ある日テレビで聞いた。なるほどと納得してそれ以来、自分でちょくちょく応用して使うようになった。
 下げ勾配の駐車から抜け出す時に限らずバックが必要な局面で便利なので、そこらで練習して慣れておくと良い。間違えて立ちゴケしないよう気を付けてね。

 …お、良い感じの分量になったので、今回はここまで。
 いま単車に乗っている方は、くれぐれも予測・予測のまた予測で、常にどこにどう逃げるかを考えながら走ってください。対向で来られて身ひとつで勝負はあまりに分が悪すぎる。インカムでの注意散漫な無駄口が多すぎる動画が目立つなあ。

 二輪も四輪もお出掛けが楽しい季節ゆえ、スマホ封じの集中力で無事故の御幸運を!
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