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【1116】孤独な鬼教官の散財GO AROUND猛特訓 [ビジネス]

 いの一番に過去記事の訂正から。自宅パソコンを更新するにあたって、今夏に購入したiiyama Infinity IStDEi-M06M-127-UHCXM型が『PC本体+キーボード』の構成でありマウス別売であるかのように勘違いして書いているが『有線マウスも同梱』でした。
 家じゅうに転がる空箱を整理してたらコロンと出てきたのだ。確かにな、キーボードまで入れといてマウスなしは悪魔だわ。ともあれ不注意でスイマセンでした【1107】

 …で、前回から引き続き脱ステ関連情報の補足から始めよう。
 10年目を迎えて今年一年は結構あちこちで『本当に綺麗になったねえ』と言ってもらっていて、口元で指先四本揃えて『あ~ら、お上手ねえ♪』と謙遜しながら隠した口元で含み笑いなどしたいところだが、この年齢のオッサンともなると難行苦行の成果としての言われ甲斐しかないさ。年頃の乙女でもないが故に『いっや、そ~おでしょ~』などと思いっきり実感こめて堂々肯定している。

 もっとも折角ここまで来ておいて、ある日ふと胸を押さえてうずくまった途端にコト切れちまいました…ってのは勘弁して欲しいので、おめでたいのは顔だけのクチだけにして大人しく自己観察するまでが今時点の限度だ。節目をもって完治の決定的事実が燦然と宣言できるものでもなさそうだが、とにかくまず『治った!』を言い切るかどうか考える段階まで改善してからのハナシである。
 世間の医療現場での無駄な勘繰りや拒絶につながると本末転倒なので、くれぐれもそうならないよう自己管理をお願いするとして、とにかく常用している薬のある人は、その薬について一応でも調べて、解る範囲で構わないので御自身なりに知っておくべきだと思う。
 解るところ解らないところが判ったら、その質問を改めて検索すれば、また次の段階のきっかけもつかめてくるだろう。まさに盲信催眠術でマインドコントロールとやらにかけられた廃人どものように、自己判断放棄で言われるまんまふらふらと謎の注射を打たれに出ていくような時代でもなくなっている。気をしっかり持ちましょうぜ。

 …ってとこで、今度はちょっと楽しい技術系の話題へ。いや朝ドラ絡みのネタですが。

 舞ちゃんは順調にレシプロ小型単発機で飛行訓練の段階に進んでいるが、う~ん残念ながら、私は飛行機の操縦を知らない。十数年前に池袋の東急ハンズで、確か千円ちょっとで売っていた赤外線遠隔操作の冗談みたいな飛行機を面白半分に買って、当時住んでいた郊外地の住民施設が持っていた体育館で飛ばしたのが恐らく最初で最後である。
 発泡スチロール板のマンボウみたいな形をしており、手のひらに乗るぐらい。確か数分間キャパシターに蓄電させてマイクロモーターのプロペラで数十秒飛ぶとか、その程度だ。赤外操作だから家電のリモコンみたいなものであり、ボタンを押すと垂直尾翼の方向舵がどうにか左右にパタンペタン振れる。それだけ。
 屋外だとそよ風にも抗えず吹き流されてしまう程度の造りだったが一応は飛んだ。ちゃんとオペレーションが効いていたのかどうかは飛行がか弱すぎて不明だ。家のどっかにまだあるはずだが…

 どちらかというと、私がまともに操縦っぽいオペレーションを体験したのはヘリコプターの方だったりする。平成ひとケタの頃だったと思うが、自分一人で試すのが怖かった友人にそそのかされて巻き添えにされ、キーエンス社製の『レボリューターH-610』という電動ラジコンヘリを買ったことがあるのだ。実機でなくてスマン!
 もともと当時のラジコンヘリはまずバッテリーとモーターが重すぎるのでエンジン駆動のものしか存在せず、大人の散財道楽にしても特殊かつ大層すぎて我々のような雑魚はお呼びでない世界であった。ところがこのレボリューターくんは胴体長も主ローター径もせいぜい30センチ程度の超小型ながら、さすがというかオモチャで済まない電子制御を満載しており、送信機からバッテリーから全てが箱詰めされたオール・イン・ワンの製品で確か価格も5万円以上したんじゃなかったっけ。

 そりゃあもう値段だけのことはあって、スイッチを入れるとまず飛行姿勢を維持するため内臓されている機械式ジャイロが回転を始め、その回転数が安定したのを検知して自動的に主ローターが回り始める。
 このへんは機械がやってくれるので、送信機でパワーを上げてやれば離陸する…という順番は正しいのだが、たったそれだけのことが実はそう簡単ではない。驚異の自動制御機構を備えてなおの、あの凄まじいジャジャ馬っぷりは今も忘れられない。
 主ローターの揚力空気流は地面にぶつかって四散する訳だが、そんなに均一平坦に放射状に散るはずもなく、強烈な乱流を巻き起こす。
 ジャイロによる自動姿勢制御でも足りず間に合わず、要はじわっとパワーを上げていっておもむろに離陸、は不可能なのだ。とっとと50センチなり1メートルなり高度を上げないと、自分の起こした乱流に巻かれて姿勢が大きく崩れ、主ローターが地面に接触して最初からまともに飛び立てずにオシマイである。

 超小型の電動ヘリなので室内専用、他にぶつかったとき危なくないように、主ローター翅もテールローター翅もスーパーの魚介類パックのような発泡スチロール素材でできている。墜落して横転すると、飛翔パワーで回転し続けるローター軸のため機体は付近をのたうち回り、なるほど機体本体や周囲のモノは壊れないのだが、主ローター翅は粉々に割れて砕けて飛び散る。いやはや交換用ローターをいくつ買ったことやら、先進技術の粋の割には派手な大事故を頻発する製品であった。

 ならばと、もたもたせず一気に上昇したらしたで、本当の試練はそこからである。
 主に左右各々の手で前後左右に倒れるレバー2本を操るのだが、前後進と左右横滑り移動まではともかく、例えば『右旋回で進行したい』と考えた途端、いともあっさりパニックに陥る。そのつもりでレバーをまず前方そして右前方に倒すと、機体はまっすぐ前方を向いたまま将棋の角の駒のように斜め進行してしまい旋回してくれないのだ。
 な、なるほどな…確かにそうなるはずだわ…

 まず直進速度を十分維持しつつ機体を右に傾け、揚力を左下向きに蹴り出すとともに、更にテールローターで尻尾をうまく自分の調整で振ってやらないと、円弧の軌跡を描いて飛ばないのである。今まで『進んで、曲がる』の時にただのセット現象だったはずの進路や速度や姿勢がバラバラに要素分解され、それらひとつひとつがわざわざに意図して調和させるべき操作アイテムとなって複合オペレーションを要求してくる。
 こ、これは気が狂いそうだー!どうやって練習するかから考えないと歯が立たんぞ。
 この事実に気付く頃には、機首がぐるぐるデタラメな方向を向いていて万事休す、何をどっちに操作したらどう飛ぶのか判るはずもなくなっており操縦どころではない。何かに接触する前に一旦着陸させるしかない。

 ところが着陸は離陸より恐ろしくて、理想は乱流に耐えつつ20~30センチぐらいの高度から機体を無難に落としたいのだが、空中で既に機体姿勢もオペレーション操作も完全破綻の大混乱になっているから、結局もっと高い位置からまっすぐでもない流れながらの失力落下となり、そこらにローター翅の破片を撒き散らしてフライト終了である。岩倉学生でなくとも全員死亡確実の大惨事だ。
 当時住んでいた社員寮の無人階が訓練空域だったのでカーペット敷きの床が幸いしていたとはいえ、あれだけ繰り返し墜落して機体も周囲も壊れなかったのは立派。いやいや面白かったっす。

 大地に接地摩擦で踏ん張り、前後進の加減速に左右の操舵だけで運転できてしまう自動車の手軽さを思い知り、それであんなに楽しめるという事実に気付いて感動しまくったものである。自動車も両手各々で左右前輪を別操舵とし、下半身のひねりで後輪も操舵させ、両手指の引き金よっつで各車輪の出力を操る…とかやれば、多少はヘリ操縦の気分が味わえるかも。それでも高度で悩むことなく墜落する心配も無いだけ絶対ラクだ。
 空中に上がるとまずx-y-z三軸の座標をおのれで決めに行かないと誰も外から持っててくれないし、上がったら上がったで全方向の姿勢と運動に目を光らせ気を抜かずコントロールし続けないと、あっという間におのれの現状を見失って、操縦のつもりでやることなすこと全てが的外れの自滅行為に転じて墜落する。

 その後もっと安価で単純なラジコンヘリが次々と発売されていたようだが、今どき全てはドローンに淘汰されてしまったか。それだと何だか寂しい気がするなあ。
 飛行機の場合、速度をもって前進し続けている基準状態から『現状をどっちに向けるか』という運動モデルになると思われるのだが、空中静止から始まるヘリコプターよりはマシなもんなのだろうか?
 とある実機ヘリの操縦者が『テニスラケットの打面にボールを置いて、落とさずに維持する感覚』に例えるのを聞いたことがある。とにかく『航空機を操縦する技能』というのは別格スキルだと思う。憧れるよな。

 クルマは空を飛ばないし、空を飛ぶ機械は構造も物理特性もクルマとは違う。
 前に似たようなことを書いたかも知れないが『空飛ぶクルマ』という妙な造語は、どうにも技術的に収まりがつかず理知センスの無いネーミングだと引掛かってしょうがない。『解ってるヤツ』として、小型軽量のモーターやバッテリーなど汎用性高い重要技術エッセンスを抜け目なく刈り取るスタンスで関われるよう、クールな新呼称はないものだろうか。

 思い切って空中に飛び出すなら、それなりの獲物を狩らなければ『地に足が着いていた』安心感が懐かしくなるばかりのくたびれ儲けに終わる。いっときカラ騒ぎしても、それじゃつまんないだろう。
 若者たち、空を見上げて何が欲しい?どこへ行きたい?では今週もグッドラック!
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