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【840】仮想ジャンク日本国のカンヅメ専門課程 [ビジネス]

 先週末に比べると、全国の都会の映像で人の姿が目に見えて減ったと思う。
 例によってここの御贔屓さま方は、社会の中でもトップクラスの思考力・理解力と感情のコントロール能力を兼ね備えている層だと見込んでのお話から。

 『コロナ疎開』などという愚かな真似をして、既に僻地の地元居住者に感染拡大させてしまう事例が散見され始めた。観光名目で離島入り・長期滞在しようとする者の存在も報じられている。
 もちろん僻地地元の小規模コミュニティとしては感染リスク要因の無限ロシアンルーレットもいいところで、正直受け入れたくないが違法行為でもないし取り締まれない。どんどん受け入れを続ければ、当然アタリの順番が回ってくるのは時間の問題だ。
 これ、体感からくる自意識を根拠に『自分はまだ未感染だろう』と推察し、『ならば感染機会の多い都会を離れて、今のうちに未感染の僻地で身の安全を確保しよう』という理屈を立て、それを阻止する強制力が無いので本人が一方的に強行してしまえばそれっきり…つまりこういうことだよな。
 利己的な行動パターンであるが、それ故に自分以外の同種の人間の存在が勘案されていないところ、そして自分が疎開した先の小社会の未来事情が客観視できていないところがポイントである。

 『逃げ込んだ自分を最後に、ウィルス遮蔽の扉で平穏な日常生活が隔離される』
 こんなおめでたい絵空事が成立しない限り、コロナ疎開はただの無駄な散財旅行でしかないのだ。いわんや離島なんかで深刻な規模の感染率・致死率の急増が顕れ始めたら、もちろん島は本土と一切の交流を絶たれることになる。キホン二度と本土に戻れないどころか、ささやか過ぎる医療キャパシティに重症エリアを抱えた小さな閉空間は、むしろ本土より命の危険が増す『死の島』と化す可能性だってある。
 ショッキングな言葉だが、本土としては島全体の幸運を祈りつつ見捨てるしかない。数ヶ月あるいは数年経って島に生存者が確認されても、本土と通常の生活の接触を回復するまでに果てしなく手間がかかる。
 離島は軽視して見殺しにするというのではなく、地理的特性としてそうならざるを得ないという話だ。コロナ疎開を思いついて実行するのが自分一人でない限り、先に行ってロシアンルーレットの銃口側に並ぶようなものではないか。やめなさいって。

 ま、だからなのだが、巨大生命体・日本国組織も人間個人と同じこと。
 病気して調子悪くなったらムリに動かず大人しくするでしょうが。それが一番だ。

 …と正論を言い放つのは簡単だが、行動空間を狭く限定されるのはやはり辛い。
 だからこそ心が折れないようここで断じておくが、いつぞやの横軸:時間で縦軸:感染者数の『あほ富士山』が右に低く崩れる落書きに続いて【827】、横軸と縦軸を同じくとって『対人接触2割減だと垂直上昇で激増vs対人接触8割減だと垂直降下めでたしめでたしの、あほ銀河鉄道999離陸線路』も科学的根拠の見えないウソっぱち、解説(?)もナニ言ってるか全然わかんないし、あんなもの真に受けてはならない。

 恐らく『外出抑制の実効力を持たせたい』ので、『定量的な数値目標を提示したい』ということになり、『半減では効果ないだろうし、だからって100%人に会うの禁止だと最初から投げられちゃう』…という逡巡で、実際のウィルス感染プロセスとは何ら関係なく『口先の専門家』の間でアレが決まったのだろう。
 だいたいが現時点で、まだ感染経路が物理現象として解明されていないのだ。あの数百年前の古寺の廃墟で発掘されたミイラが黒縁眼鏡かけて起き出してきたようなシロート老人会の副座長とやら、あれをまず頼り甲斐のありそうな現役世代に代わらせることってできないのか?

 まあいいや、仮想二次元空間でランダム運動・完全弾性衝突する粒子群モデルにおいて、『キャリア粒子』が『非キャリア粒子』に衝突した時、何回に一回かの一定確率で『感染現象=非キャリアの方がキャリアに転じること』とプログラムすれば、感染拡大の数値シミュレーションと呼べる実験空間が成立する。いや、多分それ以上の凄いモノなんぞ無いんじゃないかなあ。
 粒子の存在密度と運動速度を、例えば『東京都民ってこんな感じ』とテキトーに決め、真値不明のまま感染確率をエイヤと設定すれば、とりあえず感染拡大のスピードは算出される。ただ直感でお解りの通り、これだと感染確率をどんなに小さく設定しても、感染は拡大する一方となる【830】
 そこで感染してキャリア粒子になってから一定時間を経過したら、『ひとりでに非キャリア粒子に戻る自然治癒プログラム』および『そのまま消滅する死去プログラム』のいずれかを選択する設定にしておけば、収束過程が加味された計算結果が得られるはずだ。

 さて各々のパラメーター数値をどのくらいに設定すれば、そんなに都合よく衝突回数8割減でパキンと感染者数推移グラフが折れてくれるものなのだろうか?
 上記のシミュレーション、もともと演算としては単純だし、ランダム運動や弾性衝突まで用意しなくとも、1,200万東京都民に初期値で感染者が何人いたとして、初回衝突いくつのうち感染現象いくつが発現、その結果を受けて第2回目衝突で新たな感染者数は…ぐらいのループ計算プログラムなら少し考えればすぐ組めるだろう。
 確率の概念がわかれば原理の理解には十分だから、素質あって早い人なら中学生で1日もかからずパラメーターを打ち換えながら、仮想日本国の将来像オプションを比べることもできると思う。相当昔の表計算ソフトでも、時間推移の曲線を引かせるのはあっという間だ。
 今のこの状況下で、『あほ富士山』や『あほ999離陸線路』みたいな曲線をオオヤケ解説に出して使って良いものかどうかすぐ判るはずだ。センスが無いにも程があるっての。残念だがまだ感染は拡大するだろう。これを鈍らしたい、今そこまでだ。
 若者たち、時間余して退屈してるんなら是非やってみたまえ!数値シミュレーションによるマクロ現象の体感で得た、立派な専門的知見だぞ。

 そう、今はまだ何もわからないし、わからない以上はどうしようもないのだ。
 科学的な書式を装ったデタラメな落書きなんぞ横行させているヒマがあったら、『動くな、他人と会うな』の単純素朴な行動規範を、信頼されるリーダーが『信頼される情報』として発信し、組織全体が『実行される情報』として受信し納得して実行し、一旦その現実の到達点を事実として確かめる必要があるのだと思う【829】
 良くも悪くもその結果実績を刈り取らないと、次を考えられない。
 そのためのギリ死なない当座の生活資金を行政が頑張って用立てる、この順番だ。
 こんなもの一発や二発で正解に当たるはずないので、被弾し傷を負いながら形勢の動向を窺う形になる。しょうがねえじゃん、やられるんだから痛いさ。

 図らずも東海道の両端にある東京と大阪が、国政を見捨てて独立自力の実験場双璧として機能し始めた感があり、あながち暗く苦しいばかりの展開でもなくなってきた。
 腹くくって現実をさばき抜いて、お互い生き残りましょうぜ!皆さま御幸運を!
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