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【748】ささやかなマイ御褒美の納入伝票 [ビジネス]

 トランプ君が来日しているワケだが、彼の就任直後に比べると、日本国内世論はまあえらい変わりようである。端的に、かつて二言目にはトランプ批判・非難というのがマスコミ論調の定番であった。
 もっとも初期のうちから政権の外交姿勢としてはゴマ擂りが目立っていたので【587】、国政方針としては一応ブレてないってとこだろうか。早々に日本社会の経済力が北米頼みになっていた証拠であり、情けないっちゃ情けないんだけれど。

 で、トランプ君はちょっと置いといて、先週の段階でまだ『国内の景気は緩やかに回復』との発信をやめられないでいる我が日本国の問題である。

 とりあえず、現状の日常生活がいま流れている。
 この日常生活は、単に皆さん御自身が採算を合わせて日々を暮らすだけのものではなく、1億2千万人が集まって巨大組織・日本国の経済力となっている。この国はやはり、足りないモノは他国から買い、その御代を用意するために売れるモノを売って稼いでいるのだ。
 日本国内のどこでどう好き勝手にカネを刷ろうが、それに応じてどんな数字で帳簿を埋めて誰に見せようが、日本国のくくりで経済を捉えたその姿が本質であり、それは変わらない。

 では昨日一日あなたは、どんな買い物をしたか思い出してみよう。住んでいる場所や生活形態にもよるけれど、買い物に出ずにお店でお客さまを迎えた方は、そっちの売った方を思い出していただいて構わない。
 そこに飲食費はおいくらいぐらい含まれていただろうか?

 実に北の最果ての離島から、最南端の賑やかな楽園まで、日本じゅう隅々で発生する買い物について、まず消費税率が今の1.25倍に上がる。8%から10%というより、今まで払っていた税金の1/4が更に上乗せされるとイメージした方が実態と実感に沿うと思う。
 もちろん日本国組織の運営経費として本当の本当に必要ならば、明らかにガツンとしんどくなるのは判るんだけど、いきなり生活が根底から破綻する訳でもないし、仕方ないかという向きも少なくないと思う。確かに、社会運営の帳尻も合わないのに納税を渋るだけの国民になんか誰もなりたくないだろう。
 社会の高齢化が進んだとはいえ、自分を取り囲む人間関係を見渡して自分より若年層の仲良しなんか一人もいない、自分は自分の年代以上だけを相手に今この世が転がりさえすれば、あとは知ったこっちゃない…なんていう人は殆どいないはずだし。

 では、お財布にガツンとしんどい負担が掛かるとして、そのうち飲食費に限ってのハナシなんだが、現行並の税負担に収まる手段があったとしよう。
 そのために、例えば昨日した買い物、かなりの確率でそこに飲食費が含まれていたと思うのだが、それが飲食費だと証明するため、あらゆるレシートを全部取り置いて保管・管理するとする。
 いざその段になれば当然、昨日のぶんだけでは済まず毎日その作業が発生するのだ。

 毎日の買い物レシートをマニュアルに従って全て整理・保管する時間は、5秒10秒で済むだろうか?その余裕=ヒマは、今のあなたの生活時間割の中にあるだろうか?
 余裕がまだ幾らかあるという方は、その時間に何をして過ごしておられるだろうか?
 勉強にせよ娯楽にせよ、その時間を失い連日レシート整理に追われることになるのだ。

 とにもかくにも消費税が今の1.25倍で持って行かれるので、手元の日銭はそのぶん確実に減る。1日千円の食費ならば税負担が80円→100円となり、一週間の平日5日で100円の差が付く。週末夜の自分への御褒美になっているコンビニ・スイーツや発泡酒缶は、経費削減で廃止せねばならない。
 単純に1年52週間で約5千円の差がついてしまうから、日常生活のほんの隙間のささやかな楽しみがまず消滅し、その代わりにレシートの整理作業をやることになるのだ。
 時間と交通費をかけて税務署に出向いて、その現行8%vs新10%の差分=2%を還付してもらうために。

 現段階で上記の解説が実感を持って響かないのは、当面のところ軽減税率を欧米式としているためだ。
 上記のようなとんでもない手間を法管理の定常プロセスにする『適格請求書保存方式』【574】ではなく、店頭での支払にまとめて済ませてしまう欧米方式にして、まずは『軽減税率の導入』を既成事実化する魂胆であるのは間違いない。いったん導入してしまえば『手続を変えるだけ』と一方的に言い放って、還暦公務員の『役人老後ウハウハ高給閑職計画』に移行するのは目に見えている。

 ひとつ断言してしまおうか。
 三権分立を無視し、役人組織の議会窓口となってこんなデタラメな国家破壊工作のような法案を仕込んでくるゲタ政党は、もう今年のうちに日本の議会から抹消するのが日本国民の急務だと思う。
 ただ、このところ数々の悪事がバレて議席数もどんどん減っているためか、コイツらなりに生き残りを賭けて従来の態度を翻すようになってきているとも見受ける。政治家クビになったら食ってけない人種だろうからなあ。

 大阪では、文明社会で関わる人として到底信用するに値しない、大阪都構想検討の書面合議の一方的破棄が話題になったが【726】、W選での大阪維新の圧勝を見てこれを再々度に翻し『大阪都構想の検討に賛成』と寝返った。
 もちろん多数決議会で政策を採択し推し進める政治の世界においては、我を封じ優勢になびく心変わりも生存を賭けた苦肉の策の一手である。
 大阪都構想の合議が成立する賛成の定数条件を一刻も早く満たせるなら、諸事すっかり見通した上で注意深くカタチだけ認めて首の皮つないでやるというのは、大阪府市民の『シビアな大人の選択肢』のひとつではあるだろう。

 どこのどいつが孤高の出場者なのかは皆さまの御判断にお任せするとして、我国の財政はもう完全に『あほの独りチキンレース』に陥っており、連日おのれの首を絞め足しつつ『国内の景気は緩やかに回復』と言い張るのをいつどんな言い訳でやめるのか、実質これ以外の問題事象は存在しない。
 ブレーキが間に合わなかったら景気ドボンで墜落…ではなく、国民全員が自国の立法や行政を見放すという、ある意味もっと恐ろしい組織病理モードに突入だ。

 さて、もうすぐ堺市長選かー!改めて、私の考える基本コンセプトを復唱しておこう。
 大阪の成長を止めないこと、こんな事態を引き起こした仮面無所属を消去すること。以上。
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