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【902】信じられない言葉を信じて確かめる信用の成果物 [ビジネス]

 トランプ君、頑張るというかしぶといというか。かなり割り切っているんだろうな。

 選挙とは、社会組織の自我に問いかけて返答を得る行為のひとつだ。それをやっておいて、上がってきた答に文句をつけるという態度で返すからには、『社会組織の自我を信用していない』という意思表示を確信的にデモっていることになる。私ごときに読み切れているとも思わんが、大丈夫か?
 理屈として『信頼関係が成立していない会話の応酬だ』というだけではなく、巨大生物・北米社会組織の自我に対して、トランプ君の側から、相互信用にもとったお付き合いを退けるという姿勢で、少なくとも現時点『戦う』気構えを固めているように見える。

 もともとは社会組織に向かって『あなたがたが形成する組織の自我の在り方を、ワタシという人間一人の身をもって成り代わって表現します。あらゆる偶発事象と人間関係が交錯するこの文明社会において、あなたがたの問題意識や納得満足その他、あなたがた組織の自我をこのワタシ自身の人格に投射して組織を運営し、実現していきます。だからワタシを組織の代表役に立たせてください』と公約して、そんな自分に相応の信用が得られるかどうかを問うのが立候補である。
 立候補した時点で、候補者はまず自分個人が社会組織の自我に信用を寄せていることを前提にして、そんな信用するあなたがたの代表役を任せてくれと申し出るのだ。

 ここまでやっておいて、いざ社会組織が自分の申し出を聞き入れない回答を返してきたからといって『そのNOは信用できない』と拒絶してしまうと一体どんなことになるのか。しかも単なる拒絶ではなく『あなたがた不正をやったろう、信用できない』と疑いの身体検査を仕掛けるのである。
 この行動には、まず原則的な自己矛盾があることに気づいておこう。

 『あなたを信用します』なら、そのあなたがNOと答えた以上はNOだ。
 これをYESと言い直させようとした瞬間、『あなたを信用します』はウソになる。

 少なくとも回答時点のその瞬間において、出てきた結果は絶大の信頼で無条件に受け入れないと、他ならぬ自分が有言不実行となり信用を失ってしまうのである。
 お互い十分に意思疎通し合える通信手段=言語情報で交わしてきた一連のやりとりだとは言え、確かに途中で情報が歪曲されたり誤解されたりする余地はゼロにはならないワケだが、その外乱の影響はここで身体検査など持ち出さず、また全く新たに別の問題として提起しなければならない。
 そもそもの信頼関係から壊してしまっては、その後の会話が全て真意をもって通じなくなってしまい、まず同じ世界観で森羅万象・世の道理が転がる社会空間に共存できない不審者同士というレベルで、修復不能な仲たがいに陥ってしまう。
 決まり事やなりゆきのもつれ方次第で、相手に理解されない事態や敵対してしまう事態は多々あるが、最終的に同胞で居続けるつもりならば『まず信頼関係を通信の土台として維持しておくこと』が必須要件である。
 なお私はこのハナシ、社会性生物ならば人間といわず全種共通だと思っている。

 まず信頼し、悪意や反感で受け止めることはせず、ただ素直に真面目に『みんなにとって良いコト』を自然な日常の行動指針としてロジカルに進めていく。これが基本だ。
 みんなで決めるのに誰の意向にも従わない組織の統計的特性というのは正直なもので、良いコトには組織内の『効く実力』が着実に応答してくるものなのだ。
 これが意外と年単位でかかったりもするのでつい投げ出されがちにもなるのだが、現代文明社会の直情的な慌ただしさに惑わされず気長に実直を心掛けていれば、必要な現実は案外と早期に無理なく起こるような気がする。

 あと、一度でもNOが出るからには確かにNOが出るような原因事象がどこかにあるはずと観念しておいて間違いは無く、何かの勢いに任せて首尾よくYESが刈り取れたとしても、そこで露わにならなかったNO要件はいずれ組織の問題となり立ちはだかって、腰を据えた本格的な処置を要求してくることだろう。
 タイミングや運や勢いは大切だし、活かせる限り活かすに越したことはない。だがそれらによって、何か解決すべき課題を放置したまま物事が無難に収まるとか、人々の心が理由もなく自分の思い通りに向いたりすることは絶対にない。
 『勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負け無し』というコトバ、なるほどこういう言い方もあるのかなあと思ったりすることがある。

 ただならぬ反対派の非難を轟々と浴びながら、『でもオレがやんなきゃ国が持たねえんじゃんよ!』と高い筆圧で、あの直線的なトランプ君サインを走らせる光景には、ある種の痛快さを見出してしまう。
 どこかの国のみすぼらしい老人どもが、無駄に虚勢を張って使いたがる『躊躇なく』という表現は、ああいうのを指して使うものだ。その躊躇ない勢いは組織運営のため必要なものだし良いんだけれど、それにしても解って捨てるものが釣り合わな過ぎやしないかなあ、トランプ君。
 組織の自我が全く悩まず『その気になっている』なら、そもそも僅差の多数決議決になんかならない。トランプ君の主張通り不正があったとしても、少々の小細工なんぞ押し流して明確な差で勝敗が決まるものだ。多数決議決は、そこまで含めて理解しておく必要がある。

 まあいいや、北米は世界中から生き残りの目的を賭けて集まった人々が法治国家という社会システムを介して共存し、国家として総合力を発揮する組織単位である。この文明構造において、あれだけのビジネス実績を持つトランプ君が次にどんな手を打ってくるのか、引き続き観察していきたい。

 ところで新型コロナ・ウィルス、まだ感染騒ぎになって1年経ってないのに『効果90%のワクチン』って何なんだよ?母数100%が何なのかセットで語られてない時点でおかしくないか?誰もがフツーに期待するような嬉しいモノなワケねえだろが。
 またしてもの感染防止対応は辛いけど、こんな妙な不確定情報に惑わされて余計な失敗をしないよう注意されたい。冷静に生き抜きましょうぜ、では御幸運を!
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