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【737】消えた未来と不都合な現実のチェックリスト [ビジネス]

 ノートルダム大聖堂が火事を出してしまった。建物が崩れる光景はいつも悲しい。

 自宅の近所で廃墟化していた長屋が取り壊されるのを見かけるにしても、その断面に見える床の間や柱が夏の夕風吹き抜ける和室の心地よい佇まいを想像させる。ちゃんと目的を持って大工さんが建て、人の生活の時間が流れていた。
 そこに囲われていた居住性の空間が終わる姿だ。誰も、もうそこに身を置いて時を過ごすことはできない。

 私はノートルダム大聖堂に行ったことが無いのだが、今般の映像を『ああ、あのへんは木造だったのか』と少し驚きながら見ていた。もっとも、さすが洋式の大型建築というか基礎構造の部分が石造りになっており、そこは火に強かったようで、貴重な収蔵物も相当数が焼失を免れたのは何よりである。
 再建の寄付金がどんどん集まっているようだし、マクロンさんの言葉通り本当に5年以内で完了したなら新たな逸話でその歴史を飾ることができるだろう。早く明るい知らせが聞けますように。

 さて次の週末までは、とにかく日本中の選挙で現状打破の流れを押しまくるとする。
 要点は、第一に大阪の成長を止めないこと、第二に現・国政の与党二党を否定すること。

 無論これになびくかどうかは各自の自己判断だとして、選挙権行使にあたり、その回答をストレートな表記で反映させられない方は、棄権したりせず『まだ見ぬ当選者に、住民相手の丁寧な諮問意識を持たせ、慎重に議会運営させるため』、その要求の意思表示となる白票を投じることだ。
 今や日本国政は外交も内政も、安全保障も産業振興も、全方位ですべからく壊滅的危機があからさまであり、とにかく現状と違えないと破滅が確実の局面にある。

 敢えて、ちょいと政治ニュースの個別トピックから離れてみよう。
 このサイトを始める以前の十数年前にまで遡って、私は『社会組織の一要素として平然と帰属しながら、その社会組織の生命維持の一端を担う本能が失われる現象』に薄々気付いていたように思う。端的に、組織の仕組みに身を委ね世話を焼かれながら、平気で組織と噛み合わない我を通す『生命ロジック喪失型の壊れた人間』がちょびちょび出現し始めており、これがただの出生確率によるものではないんじゃないかと、いま思えば直感していたのである。
 だがまさか平成の終わりに、国内外双方の観察眼に晒され、これほど孤立するまでに極端な姿で、よりにもよって日本国政のスタッフ業域がそうなるとは思ってもいなかった。

 妙なハナシだが、例えば『何かの業績にあやかって、自分が幅を利かせている一部関係者だけ相手に私欲を押し通す』みたいなトラブル形態は、それほど深刻なものではない。
 この当事者は組織あっての人間関係を利用したのであり、組織が知ってか知らずかその悪事を現実の一端として廻している限りにおいて悪巧みが成立しているワケで、要はこいつにとって『組織がなくなってくれては困る』と意識されているところがポイントである。
 従ってこれを摘発したとして、納得するかどうかは別にして本人の身の程を解説し思い知らせてやり、『みんないてくれないと困るだろう、その中に自分も仲間としていられないと困るだろう』、これらを前提としてその場の処置や善後策の議論ができるのである。
 『組織に暮らす同胞』として、コトの落としどころの共通概念が存在する訳だ。ある意味、素直なトラブル形態と言える。

 ところが、みんな=組織が現実として受容れられず、自分を含めて何もかも崩壊してしまう結末をも厭わない、自爆テロ型の動向で問題を起こす人種が出てきた。不思議なことに自分にも組織にも、崩壊後のことに一切意識を向けないため、当初その対処には手を焼くばかりであった。
 種明かしをすると、これは当該問題児が何らかのパワーダウンに見舞われ『組織に生きる自分の将来像』が失われて起こる現象であり、更に組織の健全性維持を諦めて問題児を看過する周辺人員もまたパワーダウンしているのだ。組織全体の生命力が落ちている中で、未来を見失った個体が自滅を先導する構図である。
 だからパワーダウンしがちな高齢化ニッポンで、我々国民の選挙権行使の思考力・判断力にブーストをかけ、自爆テロの発生源を可能な限り否定するという方策を提案している。御理解いただけるだろうか。

 …とここまで書いたところで突然テレビの情報に引張られるのだが、おやまあ、やっぱりというか消費税率アップの延期がチラつき始めたって?こりゃ本当なんだろな、やれやれ。

 以前にも述べたが、消費税率10%やりまーす!は税率計算の数値を変えれば済むとして、軽減税率の痴呆制度だけは現実作業のさばきようが無い。
 例えば『補助金つけます、おトクです』の詐欺広告にまんまと乗せられて軽減税率対応のあほレジ機まで用意したとしても、そもそも売る人間も買う人間も目前のカネをどう処置して良いのか概念がはっきりしないので、安心して機械に作業を預けることなんかできない。商品と代金を交換して、それで解決したと一件落着できないのだ。
 経済が現場作業につっかえて更なる景気低迷を呼ぶ以外の展開は無く、おまけに真面目な国民の納税意識も明快な現実解を失って荒廃し始める。税率いくつだとか、税理作業が適切かどうかだとかいう議論ではなく、のっけから税制として現実にならないのである。

 設備予算・導入計画の恐ろしいところは、原則ナニか決めてしまうと、それに対応するナニかが起きてしまうことである。執行を停止するなら早ければ早いほど傷は浅い。
 例えば『10億円で惑星力ロボを導入』と決めてしまったら、『惑星力って何だ?』『何の役に立つロボットだ?』『それって本当に動くのか?』などなど子供でもマトモに取り合わないような問題に、優秀とされる大人たちが四苦八苦して精いっぱい良心的な解釈で答をこねくり出し、とにもかくにも事業としてウソにならないよう10億円をかけ、年度末には現実にナニかがそこに存在してしまう。
 そいつは予算を投じた実績であり資産となるワケだが、もちろん結局は丸々10億円を何の役にも立てずに捨てただけであり実質大損害。その真実はみんなに周知されながらも、無慈悲にモノだけが存在し続けるのである。
 大ウソを根拠にした消費税率アップもあほの軽減税率制度も、それに絡む異常なムダ付帯措置の数々も、このまま放置すれば『どうしようもない現実の成れの果て』を迎えるのみだ。

 あちゃーこりゃ参ったね、とんでもない支離滅裂の回になってしまった。まあ悪い方向のハプニング情報ではないから良しとしようか。こんな回もあるさ。
 ともあれ、これが日本国運営の迷走の仕方として十分に納得できるかどうかを今一度考えて、今年はきっちり選挙権行使して参りましょうぜ♪
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