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【1106】指先ひとつ北斗経済拳の舞台背景 [ビジネス]

 たまのことなので、もう少し経済の話題を続けましょうか。
 もうぐっちゃぐちゃの財政出動が金曜夕方に突然発表されたが、御覧の通り『ナニナニにいくらバラマキ』ばかりで、従来比で変化点の中身はナニも無い。

 ここに常連でおいでくださっている方々ならもう直感的に納得されることだろう。
 実に大したことないハナシであり、こんなものを受けてナニも変わらない。

 例えば日本国内で、宇宙空間に散らばる波動エネルギーを収集し凝縮させて、石油と全く同じ物性の液体を生産することができる…という新技術が開発され、そのヤマト式石油がどんどん他国に買われて外貨収入が激増したのなら、日本社会に暮らす日本国民がその恩恵をどんな形で享受するかの議論が始まる。
 逆に日本国内でのみ空気中の酸素が1/10に減ってしまい、他国にお支払いしてわざわざ空気を買わないといけなくなったのなら、今度はその支出を日本国民で分担して負担するための議論が始まる。世界の中で日本が上向きか下向きか、ってことだ。

 お解りだと思う。おうちの中で『ほおら、お手伝いとお小遣いの交換券をたくさん作ったのでみんなに配るぞー』と子供たちに振舞ったところで、いま抱えている住宅ローンの返済がどうなるものでもない。お宅の子供たちが他人んちにお邪魔してお手伝いを頑張り、その交換券を差し出しても、お小遣いどころか何の『いいモノ』とも引き換えてもらえない。
 子供たちが明るく正しく賢く朗らかに成長して、おうちの中でも外でも構わないから、美味しい食べ物や便利な機械を作り出すとか、誰もが喜んで身を預けるようなサービスを施せるようになって初めて、例えば外の他人様から御代1万円札がおうちの中へ転がり込んで、それをローンの支払いに充てることができて、そのぶんローン残高が減るのだ。こういう話において『カネは天下の周りモノ』なのである。
 自宅の中でお手伝い交換券を1万枚刷っても外の誰も気にしないし、その1万枚を独占しても、羨ましがるのはせいぜい子供たち兄弟姉妹だけだろう。もちろん29兆枚刷ってもその状況は何ひとつ変わらず、むしろ増えすぎて異次元レベルにダブつくばかりだ。

 ここで『家事のお手伝い』なる作業は、世間一般として確かに傷害・災害に映るネガティブ事象ではないが、だからといって無条件に誰もが有難みを見出せるバリュー事象でもない。要は『家庭内スタッフ業務』とでも呼ぶべきものだ。
 肩を叩いてもらって元気を出したお父さんや食器洗いを代わってもらってよく寝たお母さんが同僚より抜きん出て稼ぎを上げてくれれば成果アリ、つまり『両親の直接業務の収益性を向上するための間接業務』という位置付けになる。
 だがそもそもからお父さんの仕事向きが怪しくなって、ローンの支払いが焦げ付きそうになってきたとしよう。あなたのお宅ならどうされますか?

 まず『支出で引き換えて調達しないと死ぬモノって何だっけ?』の勢いで支出を極限まで削るのが喫緊の最優先だろう。お菓子や漫画に引き換えられてしまうお小遣い、つまりお手伝い交換券なんぞ即刻全廃せねばならない。
 一番のポイントは、家庭の外との契約取引としてローン負担を抱えているため、家庭の外で通用する『お金』を家庭生活から捻出してローン支払に充てなければならない、というところにある。イチ家庭まるひとつをイチ単位とする社会空間層域において『お金vsローン残高』を釣り合わせる『価値』と、その家庭内空間でささやかに『お手伝いvsお小遣い』を交換する『価値』は違う。

 ここで、一家として『稼ぎを上げる直接業務』が必要ぶんやれてもいないのに、家庭内でだけ間接業務に精出して、ナニか頑張ったつもりで気を済ませてしまうパターンが、その気になればできてしまう。社会性を失くした現実逃避一家だ。

 コレお気づきの通り現状のママゴト日本経済の例え話であり、他にもテーマ相応にいろいろ展開のさせようはあるのだが、今回ここでは日本の職場がついつい陥りがちな…というか、意識してその目的で目を光らせ指摘し、クチうるさく修正を加え続けないと、自然ななりゆきとしていつの間にか落ち着いてしまう非効率業務体質の姿でもある、という理解に絞っていただきたい。
 職場で視界に入ってるヤツ10人ひっぱり出してみると、生業たるアウトプットが実質的にできているのが1~2人いてくれれば良い方で、あとは知ってか知らずか『仕事してるつもり』だけの大人サラリーマンばかりだったりするのだ【971】
 製品も作っていなければ商品も売らずに、せっせと『イチ足すイチはニ』で計算した根拠を綿密調査して報告書をまとめていたり、目を吊り上げて問題ない日常をスケジュール表に書き落としていたりする。

 狙いどころや当たり前が外れて損害が出るのが通常なので、無事や正常を追いかけたい衝動は一応理解できるものであり、まあ決して邪心や怠けグセでこうなるワケでもないのだが、とにかく直接業務が及第点レベルに稼働しない限りまず売上が手に入らない事実の認識は、大人数になるとぼやけがちなのだ。特段の工夫をしてでも間接業務の緊縮と削減に徹し続けないと、端的に組織が維持できなくなって破綻する。
 組織生命体として、おのれの食い扶持を支えるための実効アウトプットは現状ナニがいくつで、過不足ぶんはナニがいくつなのか。いま動いている間接業務は内部損失に終わらず、直接業務の実効アウトプットを実現するための不可欠要件として作動中か。

 ナンタラ支援金にウンタラ補助金はこの計算を狂わせる。
 衰弱した実効アウトプットの挽回には能力も時間も必要なため、不採算財務の緊急改善策は生命維持ギリまで厳しく削り込む支出の抑制にしかならないワケだが、そこへ場外からカネが投げ込まれるとその体質の転換ができなくなるからだ。
 マシにやれている投資家連中はこのくらいのことは常識以前に心得ており、今般だと何のバラマキ通貨がどこにいくつではなくて、日本社会全体の経済生産力の特質として程度を見切って、日本経済・日本円に総観的バリュー評価を下してくる。

 う~ん、非効率ニッポンのフラクタル解説にしたかったけど、まとまりイマイチか。
 NHK朝ドラの悠人くんは『指先一本で大金を稼ぐ』とのことだったが、その指先が『収益性を保証できる確率で、的確なキーを叩く直接業務』を実現するために、どんな抜きん出たスペシャルな間接業務が必要なのかもよく考えないとね。
 ま、頭いいし性格も悪くないし、思うまま頑張れば解るさ。今週もグッドラック!
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