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【1104】高度成長に見上げた大阪下町の空模様 [ビジネス]

 この文書ファイルをSSD仮置きで維持するところまでは到達したとして、もしかして先にストレージコピーツールを繋いで前PCのHDDデータを覗きに行けないかと試してみたがアウト。そりゃそうか、甘かった。
 ちゃんと新品ハードディスクをフォーマットして、計画立ててドライブ別に容量を切り分けて、パーティションを設定してから、各々データを移していかないと。
 面倒くさい限りだが、これだけ快適になっといてここで文句言っちゃいかんね。気晴らしに、まずは小うるさく重箱の隅つつきでNHK朝ドラの大阪弁チェックから。

 人称を複数化するにあたり『俺たち』『僕たち』『私たち』『君たち』のように『たち』を使うのは、ネイティブ大阪弁人種にとっては、割と標準語めかしたヨソ行きニュアンスの感覚がある…という指摘である。
 例によって決して言わなくはないのだが、『ナニナニたち』はキホンかしこまった場、例えば式辞や契約書面の文言のような、文語体っぽくフォーマルなシチュエーションで使う様式のイメージがある。
 大阪の、というか関西の日常口語では『俺ら』『僕ら』『ワタシら』『キミら』『お前ら』『ウチら』『固有名詞ら』と、圧倒的に『ら』の方が多用されるのだ。
 『オレら』ってのはビミョーにラ行の連続発音が不自然っぽい気もしてしまうので『正しい日本語』でなさげと取られ、避けられがちになるのかも知れない。だが関西ネイティブは日常的に『オレら』を使う。

 …にしても『カムカムエブリバディ』に続き安心して聞いていられる大阪弁である。
 大口受注を手にした社長が仲間や家族に『おおきに、ありがとう』と放つ抑揚とタイミングは正確であった。『おおきに』はポピュラーな好印象ワードだが、特に最近になるにつれ使用頻度は急速に低下しており、昭和ネイティブでも作為的に響く感覚に躊躇して、まず使わなくなっていると思う。

 舞が校庭で飛ばしたライトプレーン、当時も素材と構造は概ねあのままである。
 あのくらいのサイズも確かにあったはあったが珍しい方で、倍近い大きさで翼長80センチぐらいあるサイズの方が一般的であった。ただこうなると空の広く開けた河川敷などで向かい風で飛ばしてやらないと、30メートルつまり10階建てくらいの高さにはすぐに上がってしまう性能を持っているので、飛ばす場所を選ぶ。
 向かい風と上昇気流が良ければ、みるみる高度を稼いでいってゴム反力を使い果たし、そこから悠々と滑空しながら地上に軟着陸するまで分単位の飛行が可能だ。
 翼には半紙のような薄い紙を張り、少し残ってしまうシワは霧吹きを吹いて紙を収縮させてやればピンときれいになる。まさに骨と皮ばかりの、なけなしの機能部品だけで構成された機体だが、うまく作れば想像を超える飛行能力で驚かせてくれて面白い。
 竹ひごは焦がさないよう水に浸してロウソクで炙りながら曲げたものだが、タイヘン根気のいる職人作業であり、昭和のうちから曲げ加工済の竹ひごに接続用のアルミパイプ、プロペラや脚など丸々一式を袋詰めにしたセットが売られていた。どこか模型屋さんででも見つけたら一度挑戦してみては?

 ライトプレーンはとってもエコに軽やかに舞い上がってくれるのだけれど、昔の飛行機、特にジェット機は嫌になるくらいうるさかったものだ。今のうちに高度経済成長期の旅客機鑑賞事情を。
 関空なんか無かった昭和40年代の大阪近隣では、実は滑走路が短すぎてジャンボジェット=ボーイング747型が発着できなかった。我々大阪の小学生にとって、ジャンボはまず見ることすら叶わない夢の世界規格の飛行機だったのである。
 そこらで遊んでいてよく見かけたのは四発のダグラスDC-8型で、ちゃんと『ディーシー・エイト』と洋風正確に読みます。いま写真を見る限りはほっそりした上品なプロポーションが美しいのだが、とにかく耳が痛くなるカン高い騒音が好きになれず、子供心にあんまり好印象の機種ではなかった。
 いわゆる『T尾翼』が特徴のボーイング727型と併せて、当時は大きめのジェット旅客機といえばこれら二機種が定番だったと記憶している。あと737もいたかも知れないが、朝ドラ劇中の映像に747ジャンボが映らないのは正しいのである。
 まあいずれにせよ、飛行場の間近にいるのでもないのに会話をかき消されるほどで、今日の飛行機と比べるとケタ違いにうるさいというか、もう忌々しくやかましかったものよ。滑走路間近を訪れた岩倉父娘は、二人とも耳栓を詰めていたはずである。

 岩倉家はお兄ちゃんが私立経由で東大ってのも王道の優等生だが、舞が中高で私立進学にこだわった様子もなく大学工学部の航空工学科っては、何だかんだで相当勉強好きの理数系秀才だという設定になる。航空は偏差値高いんだよ、大したものだ。
 岩倉工業だっけ、特命係長の町工場は危機を乗り切って規模を拡大できているのが何よりだが、『極端にタイトな納期での高品質特殊ねじの受注』を実現させ、大口納入で当座を繋げたのは非常にラッキーであった。競合が軒並みギブアップで断ってしまい、引き受け手に困った仕事が発注先を探している…そんな美味しいシチュエーション自体が、実はなかなか無い。
 立ち行かなくなってきた製造業は、赤字覚悟の納期度外視で何でもかんでもメクラ滅法まず受注するのが先決になるのが必然にして常識、と断じて過言ではない。製品がひとつでも現物のモノにさえなったなら藁にすがって、とにかく売上が1円でも手に入れば、そのぶん赤字でも工場の寿命は引き延ばせるからだ。生き残りをかけて凄まじい受注合戦が繰り広げられ、勝者以外は延命できずに消えていく。

 どうやら日銀が『またやらかした』ようだ。152円/ドルから144円/ドルかあ。
 どこから何の受注も無いのに、日本経済の通貨がこんなに値を上げた。
 前にも述べたが、こんな小細工あっという間に国際経済に吞み込まれて虚空に消えてしまうはずで、そうなると次の展開は、どんどん躊躇の歯止めが利かなくなって『また』のやらかしがエスカレートしていくしかない。

 現状の日本経済は決して手詰まりではないのだが、その話題は次回にしましょうか。
 何より即効策があっても1億2千万人日本社会が無関心の限り日本経済は動かない。
 深刻に円安で困っている日本人、どんだけいるのだろう?では今週もグッドラック!
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