SSブログ

【1155】人殺したちの沈黙 [ビジネス]

 今きちんと気にしておかないと、いざという時に『宝の持ち腐れ』式に機能しない。
 日本国の自衛隊の指示命令系って、一体どんなことになっている?

 いいか、10人死なせているのだ。
 この逃げようのない事実にいい加減に観念して、何としても現存の仲間全員を守れ。
 何の業務目的で、何の現場作業をやらせて、貴重な人材を10人も死なせた?
 たかがこの程度の情報を国民全員に開示するまでに、何日かかっている?

 前線配属の自衛隊員の皆さんはよく見ておきな。いかにもトップダウンを気取ってあなたがたに命令してる連中は、それであなたがたに万一の危険が降りかかったり、あるいは手遅れで取り返しのつかない事態に陥ったりした場合、あなたがたを見殺しにして自分だけ逃げて知らん顔を決め込むような、フヌケ無責任のパシリばっかりだってことだ。いま黙ってるってことはそれが現実だよ、観念しな。
 こういうたるんだ態度で遊び半分のナメた軍隊ごっこなんぞやってるから、工数とコストを大枚注ぎ込んだベテラン人材や高額の軍用ヘリを、こんなに簡単に海の藻屑にしちまうんだよ。

 もし大東亜戦争で日本軍がこの程度の意思決定に動いていたのなら、確かに戦争ハンタイ左巻きどもの言う通り『戦争をしたい一部の私利私欲により狂った日本国が、前途有望な若い人たちを捨て駒にして、無駄死にさせて敗北した』ってことなんだろうな。
 いま現在、あれだけ騒いでいた戦争ハンタイ左巻きが抗議行動を起こしている様子は、実にすっかりと無い。いとも賑やかだった『戦争ハンタ~イ!』は、せいぜいその喧伝スタイルを売りにしたカネ稼ぎだとか、オールで夜遊びしたい反抗期の掛け声の流行だとか、その程度でしかなかったということだ。
 まあ清潔で快適な日常平和が普及した一般社会で『命を落とすこと、心身に一生回復できない傷を負うこと』に対する危機意識が現実感を失ってたるむのは、なかなかどうして止められない仕方ないで済むっちゃ済むんだけどさ。危険な目に遭うまではな。

 大東亜戦争と言えば、年々実感に欠ける淡白な展示に置き換えられているのを心配していたのが、遊就館の阿南惟幾(あなみ・これちか)中将にまつわる展示コーナーである。私にとっては中将としてのイメージが強いのだが、今ちょっと調べたら最終階級は大将となっているようだ。
 一応、軽く横道で解説を入れておくと軍隊組織で『小・中・大』のつく士官階級の位置関係は、まず現場末端に近い側から『少尉・中尉・大尉』、次が『少佐・中佐・大佐』、その上が『少将・中将・大将』、そして総合トップが『元帥』となる。
 とにかく中将、大将ともなると、総観規模の作戦で大勢の部下たちがその判断に従うことになり、それ故に大勢の部下たちが命を落とす。もっと言うと、やむなしながら敵軍の命も多数奪わざるを得ない立場だ。

 ともかく以前はレプリカとはいえ阿南中将の血染めの遺書がその姿で展示されていて、今はこれを写真撮影したその画像パネル、しかも随分と小さいものに換えられていたと思う。
 阿南中将は終戦にあたり、日本国の無条件降伏ではなく本土決戦の継続を主張したとされており、これが天皇陛下の『御聖断』により無条件降伏で決着したので、結局は認められなかったことになる。

 この結末を受け、阿南中将は遺書を残して割腹により自決した。
 割腹で自決する場合、側近の信頼できる者に『介錯(かいしゃく)』を依頼して、つまり自決の事実が成立した時点で、補助員に自分の首を刎ねてもらうのが通常の段取りである。万一絶命まで完遂し損なう失敗を避けるためと、無駄な痛みに長時間苦しまないための配慮だとする解説が一般的だ。
 ひとり自決した阿南中将は血の海になっている中を発見されたが『介錯無用』と自ら周囲を制止し、8時間だか10時間だか、恐らくは気の遠くなるような激痛に身を預けつつ絶命したのだという。

 私自身は、阿南中将が『自分の意思決定により払われた犠牲の痛みを知り、その責任を取るため』の手段として割腹を選んだとする記録は見たことが無い。またそうだったとして、責任者個人の割腹で犠牲者たちの損害が微塵も和らぐことはないと考えるタイプの人間だ。
 だが決して無駄でも時代錯誤の浪花節でもなく、ここに見る責任感は信頼を寄せるに値する立派なものであり、阿南中将御本人が文字通り命懸けで手を抜かず責務に尽くしていた証拠だと理解している。その人柄に対する周囲の信頼は厚かったそうだが、同時にその規律順守意識の厳格さには定評があったと言われる。
 もちろん私は今の今まで御本人の噂さえ伝え聞いた立場でもないのだが、人さまを大切にし、その人さまが成す組織を掛け替えなく大切にする価値観がまずあって、その具現化のために手段としての規律が決まっていて、だから規律を確実に守るべきとする論理の構築があったのならば、強く共感できるものだ。
 ヒト組織の安全管理にあたっては、危険予測や過去知見を物理的に蓄積させた職場規律なる情報体系でもって、不安定かつ気紛れで再現性の低い=しょっちゅう死傷の危険に迷い込みがちな、ヒトの判断力を厳格に規制する必要がある。

 宮古島ヘリ事故の件、日本の空で合法的に運行される人員輸送用の航空機が、『陸自機だったので海上遭難の想定を怠っていました』などという子供じみた免許不携帯式の点検洩れで飛べるはずがないため、ブツはあってそれを正直に報告していないだけだろう。幼稚なママゴト隠匿の邪心で重保管理をナメやがって、冗談じゃねえんだよカス。
 そんな隠し事のヤミ指示で飛ばされたのだとしたら、みんな普通に考えて家庭で父親の一面を持っていたはずなのだが、その日は家族に行き先を告げず出勤したのかも知れない。本人たち含めて、いつも通り職場に戻って帰宅したあとの生活として、この先の人生と人間関係が続くつもりだった。だがもう永久に叶わない。

 むしろ民間事業や観光目的として遭難したのなら、当事者同士で折り合いさえつくなら他から事情の公開まで求められる筋合いは無いとして決着もあり得ると思う。御遺族や直接の不都合を強いられる関係者でもないのなら、たかが外野が大義名分めかして横からヤジウマ糾弾するような話ではない。
 またどこかのイチ民間企業の事故だったなら、上から下まで『社員全員で業務管理・安全管理しないと次は自分の番だぞ』で、どこまで命と健康を大事にするか社内規範の自己責任が原則だとも思う。

 だが本件、日本国民の税金を資本とする自衛隊の活動であり、他国と直接具体的な紛争も存在しない以上は、一般社会に対して秘匿する理由のない公務である。そこで発生した集団死傷事故に関して、業務内容の設定に始まる安全管理の経緯について、民主主義国家の『国民の知る権利』として全て情報開示しろと繰り返し述べているのだ。

 いったい何の業務目的で、何の現場作業をやらせて熟練人材を10人も死なせた?
 おかしな『閣議決定』をやらなければ、10人は今も無事に勤務していた。
 10人死なせた『閣議決定』をやらかしたヤツらはどいつらだ、と訊いている。

 物事、原因があって因果の連鎖が発生し、結果が残るのだ。死者10名。
 まず『宮古島に軍用ヘリ』の決定、これだけで『人為的原因』が確定している。

 どいつらがやった? 普通10人も殺したら死刑があり得る。
 殺意があったのか過失なのか、不可抗力の事情の介在があったのか。
 日本は法治社会なのだから、速やかに対象者を司法審議にかけねばならない。

 田舎漁港のお手製花火の方は、今のところ気にするには及ばない。宮古島の件に一点注目させないための攪乱じゃないのか?とさえ感じられるのが率直な印象だ。
 政治的なオオヤケ発信に熱心だったという24歳の彼の本気度は量りかねるが、結局はカラス駆除ぐらいにしかならないようなものでしかなかったと見受ける。まあ怖い思いで済むぶんには被害ゼロで取り返しがつくからゴメンで済むし、何てことはない。

 10人殺した凶悪テロ実行犯を隠すような政権が『この国を守り抜く』もないだろう。
 今週末の選挙で有権者たる日本国民の一人として、日本社会の透明性と安心安全を望んで選ぶ意思表示を尽くしておかないと、次はあなたが、あなたの大事な人が、カネ儲けやサル山の遊び事で殺されて揉み消される。

 とにかく現場で捜索作業にあたっている方々、くれぐれも無事故安全の御幸運を!
nice!(10)  コメント(0)