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【1218】未来の希望にあって過去の落胆にないものの見つけ方 [ビジネス]

 たかが私ごときに国際ビジネスの競争事情をリアルタイム理解できているとも思わないが、前回のような振幅と速度の展開がガチ現実のものになっていることを頭に置いておいていただいて、だ。

 2025大阪万博という動きの悪すぎる事業プランについて、意思決定と実行措置のスピードを一気に上げたい。

 もう判っているだろう、現状の延長線上では『また失敗』が明らかだ。
 AI業界の超速・地殻大変動をいきなり見習えとは言わないが、既にダメが判り切った現状のグダグダにいつまでも節目付けを決心せず逡巡してばかりいたら、判り切っていた通りにバカバカしく失敗してオシマイである。
 『また』やるのかよ。『まだ』やるのかよ。
 ついこないだ東京五輪であれだけ散々な目を見た事実があり、日本社会のその記憶もまだ鮮明…どころかナウ五輪絡みの不正の摘発と処置の真っ最中、それで大阪万博がこの現状なのだから、もう重症だとか懲りないだとかいう問題ではない。

 ここで『できる・できない』の議論を始めてはならない。順番が違う。
 もう『できない』んだよ。率直な態度を取れる国から出展やめたよな。
 万博ってさ、あのEXPO’70みたいなやつだろ?できるワケねえじゃん。
 可能性ゼロ、この事実を認めないと何も現実的に進まない。

 企画を計画日程通り成功させたいヤツ、延期してでも成功させたいヤツ、いっそ中止にしたいヤツ、失敗に終わらせたいヤツとさまざまだろうが、結局はその全員が、時代遅れというにも旧態依然の過ぎる、死臭のような空気を吸って生きているところに問題がある。結局の結局、累々と転がる死骸に同化しても構わないと諦めてるんだよ。

 明白な事実の光景が正確に網膜に投影され、その見聞きした現実を過去に体験した記憶と照合して、言ってしまえば『こりゃ完全にダメじゃん』でマトモな社会人同士おおかた一致する共通認識まで持てている。個人単位内々の受信と理解まではみんな普通にできているのだ。
 ところがいざコミュニケーションの場で発信する局面に立った途端、せっかくの確固たる整合一致で得た実感をわざわざに無視して、現実と整合する見込みのない情報を混ぜ込んでくるから物事が行き詰まるのだ。 
 ときに『工夫すればできる』、ときに『実行すれば成果は上がる』、ときに『初志貫徹、諦めない』とそれなりにゴリッパを装っているが、端的に全部ウソだ。

 …さてと。
 過去に遡って何故あそこでああなった、ここでこうしていれば良かったのに、迷宮への一歩目を分析すれば路線修正の糸口は見つかるはず…みたいな、深み方向の細かいハナシに入り込むつもりはない。敢えて『そんなもの、いちいち気にしない。気にしても解決にならない』を合言葉にすることを勧める。
 あたかも過去の自分が加担した不始末をとぼけるかのような不誠実感は付いて回るのだが、何より『ただの失敗に終わらせない挽回で結末を迎える』のが最優先なのだ。

 人工知能AIという人類文明の最先端領域で、体力も快活で頭の回転も速い30代の人たちがめくるめく展開したビジネス劇を御覧なさい。
 …って真相のところは一体ナニがどうなってるのか私も判らないんだけど、まあいいじゃん。今は人それぞれ見えているまんまの判らないまんまで構わない。

 『今がウマくないから親玉をセット売却』
 『信用できない気がするヤツは追放』
 『くだらない経営陣には従業員の側から願い下げの離縁状』
 『空中分解した組織には、散りぢりになる前にどん!と受け皿を提供』
 『やっちまったと思ったらソッコーでベタに関係修復』
 『やらかしは、どう受け取られるかを勘ぐらず公開で後悔』

 …などなど登場人物全員、瞬間瞬間コレだ!と見えたものに場当たりでかぶりつく『お行儀のよろしくない』様相であることには間違いないのだが、上記のどれかひとつでも日本社会にあったなら、大阪万博の準備工程はこんな穴だらけの情けない進捗状況になっていなかったろう。
 かのAI騒動は『そうそうお目にかかることのない驚きの出来事』ではあったが、少なくとも今のところ悪意や意地悪は見えておらず、直感的でダイレクトな行動の自然な応酬であった。だからぐずんぐずん動き渋って幼稚な押し引きばかり繰り返す、未熟な意思の非効率イメージが感じられないのである。

 東京五輪と違い2025大阪万博は橋下大阪行政改革の一環としての地域活性化方策だったはずだし、その後の大阪維新政治は紆余曲折あったにしても地元の支持を着々と固めてきた。
 かつて汚れて詰まって淀んで腐臭を放つドブのようだった大阪府市政も明るく転換して、これだけやれる大阪維新勢力なら、すんなりと計画通り美しくは行かないにしても、もっとマトモなセンというか、せめて東京五輪と同じ経緯での転落まではしないと皮算用していたことを白状する。

 いや、大阪万博だからって、地方自治体・大阪府市が圧倒的な決定権を握っているとも思わないのだが、それにしても今日の経済環境からして見栄えのするイベント開催は非現実的と見える中、なんとも煮え切らない態度で計画額の上乗せにだらだら同調する大阪行政が不可解である。
 ここ一番で煮え切らずに流されないのが大阪府市民の大阪維新政治への期待であることが、忘れ去られているとは思えない。一般庶民の視点から見えない『何か』が作用していると思うのだが。

 ひとつ確実なところで、いわゆる『あるなしクイズ』を考えてみよう。
 『今の日本社会にはなくて、先般のAIビジネス騒動にはある、これな~んだ?』

 この正解こそ、出口の見えない長期低迷に沈み続ける日本経済いや日本社会を、良いか悪いかはともかく次のフェーズに移行させる鍵なのではないだろうか。
 ま、ここでよく述べている通り大阪の人工島でカジノIRさえ起動できるなら、万博なんぞ最終的にはどうでもいいと私は言い切るのだけれど。

 若い人たち、とにかく世の中の速度をいつもチェックして、遅れるなよ。
 素早いだけが能じゃないが、素早い個体がまずその土俵で勝者となる。
 その旧態依然に怯えない反射神経・反射思考にグッドラック!
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