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【1217】赤紙召集された超現実の企業戦士 [ビジネス]

 やれやれ久し振りの空襲警報かよ、今回は南西諸島方面の打ち上げ花火だとさ。
 あんまり油断してオオカミ少年の逸話を地で行く失敗になるのもマズいんだけど、まあこの季節に夜遅く騒がされた人たち以外は日本中すっかり無関心に落ち着いた感じである。ものの道理としてそうなるよ。

 ちょっと前あんなに『戦争ハンターイ!』などと盛り上がっていた日本社会で、『さあ戦争の準備だ!』とはさすがに明言しないにしても、コトある毎に政府主導で『やれ大陸の脅威だ、半島の蠢動だ』みたいな脅し文句をわざとらしく口走るようになったのだが、辺野古埋立工事の可否からVTOL輸送機オスプレイの配備まであれだけ騒がしかった反対勢力が、今や静まり返ってさっぱりノッてこない。無関心放置である。
 かつての左巻き反戦組が言うところの『戦争したい人たち』は、最初は手を換え品を換え『臨戦の心得』の扇動を繰り返していたものの軒並スルーされてしまい、遂には日本社会の人目から隠して利得関係者のみでこそこそ頷き合って、無駄なハコモノ軍事で国費の食い潰しに群がる形態にまで行き着いた。
 そんなことをやっていたらバチがあたり、下見のヘリコプターが落ちて戦争でもないのに10人が一斉に命を落としたのである。本人らも納得して手を染めた隠し事とは言え、御遺族の無念が思いやられる。

 我々高度経済成長期に生まれた世代だと『戦争』のイメージは、オトコがみんな鉄砲持って戦闘機や軍艦に乗り、同じ技術体系の敵軍と撃ち合ってあちこち爆炎が上がる中、撃たれて即死するなり爆発で跡形なく吹き飛んだり…ぐらいが普通だったと思う。
 つまり日本人の戦争の記憶から、大人のムツカシイ話=痛くて悲しくて汚くて醜いハナシや、家族の日常生活がひっかぶる行政対応の酷いハナシなどが子供向けに削ぎ落され、勇気や友情や信頼や悲哀などが抽出されて漫画雑誌やアニメなどのストーリー設定として広く普及して、我々世代はそれを当たり前に見ながら育った。
 当時の戦中派にとって心穏やかに受け容れられる作風でもなかったと思うが、何しろ高度経済成長期にあって『大人の世界』と『子供の世界』は明確に分断されており、特に社会的に一人前の発言権を持つ大人が、半人前の子供の娯楽に関心を向けてモノ申すことなど考えもしなかった時代である。
 いい大人が子供向け娯楽文化の内容に言及しようものなら、本題に入る以前に『いい大人がそんなもの見るなよ恥ずかしい』と非難の集中砲火が浴びせられ、議論にもならなかったのは間違いない。

 実態としてはまず国務としての兵役が制定され、年恰好や健康状態を見て適性アリとされた者には召集令状=赤紙が届く。赤紙が来て喜んだ話はついぞ聞いたことがなく、どこのおうちもいつ赤紙が来るかと戦々恐々だったそうだ。
 『主人と息子を兵隊に取られる』というやつで、日本国民として拒否権は無いし、拒否したとして『非国民』の汚名を着せられ社会から親類縁者まで拒絶されることになる。結局は『お国のために喜んで行きます』『これで自分もお役に立てる、万歳!』みたいな社会の相互監視を観客にした虚しいシロウト芝居で、ずっと一緒に暮らしていた家族を命ぜられるまま送り出すしかなかったのである。
 不運にも戦死してしまった場合、髪の毛と爪しか遺品がないケースも本当に珍しくなかったようで、それでも消息が判明しているだけ救いだと語らねばならない結末は、何例か聞いた。
 NHK朝ドラ『カムカムエブリバディ』の算太おじさんはひょっこり帰ってきたが…

 『また』きな臭くなってきた中東方面について、どっちが凶悪な無法者でどっちが支援すべき被害者だ、みたいな愚論の応酬はさすがに消え去ったけれど、その日本社会のささやかな成長が南西諸島方面を食い物にした利権商売の根絶に効き始め、いずれヘリコプターも落ちなければ空襲警報も鳴らなくなる日が待ち遠しい。
 こんなことをしないと経済が動かせないと思うような時代遅れの老衰インテリジェンスに、もう生存確率は残っていない。あ、インテリジェンスじゃなくて痴呆症か。

 先週あたりからAI業界を揺るがす人事異動…というか、もうギリシャ神話のナンタラを支配する神が誰それをさらって幽閉し、怒ったウンタラの神が世界の規律を変えにかかったところ、大地が割れてみんな世の支配律の分担を失いバラバラ個々人に散ったのだが、みんなして落ちて気付く次の地面がまたあって…と、そのくらい空前の大変動が起きている。
 誰がどんな腹づもりなのか測り知れないどころか、今ナニが起きているのか追いかける気も失せるほど目まぐるしい超・逆転劇の連続…みたいなんだよな、よお判らんけど。怠け者で他力本願の私は最初からコトの追跡を諦めており、どこかの理解可能な節目情報が出て来るのを待っている。出て来るのかな。

 ビジネスの新時代だ。
 人工知能AIという前人未到の情報処理技術領域がまず拡がっていて、これを人類がどう育てるか、人類がどう従うか、いや人類がどう関わるかを創成し模索する社会事業単位が組まれた。
 もちろん現行社会において合法的に設立された事業組織だから、我々には常識的な概念で『企業』『会社』として見える組織枠の構造体なのだけれど、今般の『ドラスティック』だけでは済ませられない創世記レベルの組換えは『現行社会に定義された企業体にあり得る現象』を超越していると思う。

 事業体のトップたるCEOに予兆なく突然、その運営を司る役員会が解任を告げるとともに、残党からは『能力と信頼の面でコイツはCEOとして適性に欠ける』と普通あり得ない険悪な表現でサイト公表がなされ、しかもCEOのみならず役員会の議長と二人あわせての解任を発表したのである。CEOと議長の役員会追放って…
 ところが7~8百人ほどいる社員の殆どが『CEOを復職させないと一斉に辞めるぞ』と反旗を翻して会社まるごとすったもんだとなり、一週間たたないうちに突然の解任から出戻ってのCEO復帰と相成った。おまけにCEO解任に踏み切った側の中心人物は『後悔している』だとか泣きを入れてくる始末だ。
 まあこれだけスピーディだと水泡に帰す事務処理の準備すら始まってなかったろうし、何よりだよ。私の勘違いがあるといけないので、興味ある皆さんはあっちこっち解説を読み比べて御自身で事情を推察してください。とにかく唖然茫然である。

 就業年齢未達の方々に解説を入れておくと、CEO=Chief Executive Officerは今はぶっちゃけ社長さんだと思って結構だ。他にもCOOやCFOなどいろいろあるが、資本を元手に活動して経済社会の一角にその身を置く『会社』があったとして、近年いろいろな経営仕事の分業形態が模索・確立されており、昔ほど単純にトップ職務とその周囲を固める参謀チームがあって…みたいなピラミッド型の役職配置でもなくなっている。特に欧米では首長呼称より機能毎の職務ポスト名が好んで使われるようになった。

 それはそうとして、コトあってお互いの認識が深まるエピソードは多々あるが、こんだけやらかしといて『後悔している』ってアンタ?素直というか浅はかというか、本気にしても芝居にしても、現行ビジネスの世界観の外側の超常現象だよ。
 …と思わず漏らすそのアタマが既に時代についていけていないのであり、今般の一件でも解任CEOと辞職社員たちを電光石化の投網で一気にがめようとした、業界最大手の大企業があった。あの企業規模にしてこの初見ハプニングへの瞬発力はまぶしい限り、さすが北米経済市場の一流どころは抜け目なく生存戦略を張ってくる。

 この解任劇、立ち回った役者たちは恐らくみんな30代であり、だとすると10年を待たずに日本でいうZ世代が、本件を『過去実績の一例』にしたビジネス世界を展開させる。
 このたび青天の霹靂で解任を突き付けられ早晩に出戻ったCEO御多忙氏、実は御存知の通りAI急発達にうろたえたどっかのデジタル落第国のあほ政府が、こないだ意味も無く呼びつけたんだよな【1153】
 呼んだだけと呼ばれただけで会話にならなかったろうぜ。迷惑千万なハナシである。

 某・電子新聞だったと思うが『同ブランドのハンバーガーにつく価格で日米を比較すると1ドル80円相当ぐらいなのに、為替レートは1ドル150円』という記事を見かけた。商品名として同ブランドとはいえ日米の仕様差は大きいと思われ、単純比較のイメージを鵜呑みにすることはできないが、面白い着目点である。
 そして通貨と通貨がガチ交換で釣り合わされぶつかり合う外為市場において、日本円が今どうしようもないところまで価値を落として、国際的にナメられまくっているのは事実だ。うすのろで的外れな日本の国力・経済力の評価額ってことだろう。

 かつて命懸けの国務を理不尽ともせず・できず散っていった仲間たちが大勢いる。
 無条件降伏でAIに身を預けていたとしたら、日本国の現状は少しは違ったろうか。
 若い人たち、既存データが容量圧迫しているなら上書きに躊躇するなよ。
 生き残りを賭けたその世界標準のファイル形式に、グッドラック!
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