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【1173】『痛し痒し』の辞書解説アッチとコッチ [ビジネス]

 生体情報体系の円錐モデルの考察を進めよう。前回、一階のリアル円フロアさえあれば、生物として食物連鎖の一員になることは十分に可能だと述べた。
 脳でいちいち考えて身の危険をロジカル判定せずとも、喰われそうな五感センシングの検知信号が入力されたら、飛んだり跳ねたりの定型の動作を機械的にスイッチONで出力すれば、結果として敵の捕食を逃れて生き延びることができる。
 そうやって生き延びたヤツ同士が交配するうち、その一連の入出力単位の通信アッセンブリーがROMチップのような集積回路になってきたんだな。

 ROM=Read Only Memory=読み出し専用、ひと昔前の『マイコン制御』みたいなものだ。ユーザーから任意の打ち込みはキホンできなくて、設計時に決め打ちで書き込まれた動作フローをこなすのみ。
 このマイコンチップが通信網的に最も効率よく各所ローカル配置されているのが、昆虫の神経節なのだろう。最軽量の最短回路で地球上に種の栄華を誇っているのだ。

 リアル円フロア上の通信を実況で俯瞰する頂点ハンディカムと、その記録ファイルを取り置く記憶ストレージは、片っぽだけあってもしょうがないから、恐らくは同時に形成が始まったと思われる。
 この記憶ストレージがRAM=Random Access Memory=書き込み書き換え可能、パソコンを始めとする現代IT機器相当の機能に達し、日々暮らしながら随時の情報更新が可能になったところが、過去の地球上に起こった『自然生命の情報シンギュラリティ源点』ということなんだろうな。
 ただ食物連鎖の弱肉強食バトルで遭遇する『勝ちパターン』をROM仕様として複製して生殖し、リアル円フロアでその通信をスイッチング再現するだけだった生物は、自ら書き込んだ記憶ストレージ内を検索して、的確な記録ファイルを呼び出す自律作動=高度情報処理を発達させていく。

 呼び出した記録ファイルを、生体入出力通信が飛び交う一階リアル円フロアに反映させるため、二階バーチャル円フロアが形成された。更に複数の記録ファイル同士は、お互いに最短距離の回線で結んで効率化する原理により、二階バーチャル円フロアの周上に並ぶ形になった。
 生物の脳は、身体メイントラフィック脊椎の上端を中心コアとして、その中心から等しい回路長で、表層に記憶ビットがびっしり配置された樹状構造となっている。理に適ったハードウェア構造ではないだろうか。

 さてここで話の流れをちょっと離れたところへ飛ばす。
 古今東西、主には未開の民族によく見かけるのが、大規模な入れ墨や装身具による体形の強制拘束だ。下唇に皿のような板を入れたり、首に一本ずつ輪をかましていって凄い長さに引き延ばしたり、あと纏足(てんそく)なんかも有名だし、歯を削って三角の牙状に尖らせるのもあったと思う。
 こういうのって最新の医療技術も無いが故に、気絶するほど痛いんじゃないか?
 普通の人間が正気を保って我慢できるとは到底思えない。
 私がステロイド断薬した直後なんかは、それはもう気が狂うほど痒く、気を失いたくなるほど痛かった。子供の頃からよく聞く『いや~身体ってよくできているもので…』という決まり文句は完全なウソだと、文字通り『痛感』した。

 私の主観的意識なんぞ完全にお構いなし、地獄の苦痛で30時間過ぎても眠れず、眠いのに苦痛に邪魔されて眠れない。身体じゅうキズだらけにして数ヶ月の劇症期をようやく乗り切り…いや乗り切ったのではなくて、全面的にやられ放題で劇症期が過ぎた時点でまだ息があった…というだけの話なのだが、どたりと地面に溶け落ちて肩で息をしているところへ、容赦なく次の劇症期の初期症状が始まる。
 よせ、ちょっと待て。これが直接の原因で死ぬとは言わんが、真剣にヤバいって。
 もちろん待ってくれなくて、精も魂も吐き出し切ったその身体に遠慮なく次の劇症の波が襲いかかるのだ。何より誰か外から虐められてのことではなく、自分自身にその地獄が同化してその状況になっている現実に逃げようもなく支配され、いや~もう、その絶望感たるや間違いなく私の人生に燦然と君臨するワースト・チャンピオンである。

 そんな『極限の苦痛』の通信は、生物の原理的なスイッチング機能として一階リアル円フロアで起こっているのだろうか?
 実は、今般の経験を通して導き出した私の回答は『NO』だ。

 子供時代を思い返して、まあ痛いものは痛かった。つまり転んで擦り剝いたり机の角に身体をぶつけたりといった入力に対して、あの痛覚情報が飛び交っていたには飛び交っていた。だが。
 記憶ストレージがまだまだ埋まっていない人生早期においては、その痛さを『回避すべき、離脱すべき損害性のストレス状態』だと断ずる判定フローが走っていないのではないかと思う。
 生きとし生けるもの全てに生まれついて備わっていると常識扱いしていた『痛み』などの入出力の感覚世界が、実はそうではなくて、意外と成長するにつれ外界を体験して『痛い』と習得した記録ファイルで構築されていたりするのではないか…と思うのだ。

 だからなのだが、まず成長期というのは平和な足し算式の発展モードではなくて、自分の免疫力で古い体組織をガンガンぶち壊して、より完成度の高い体組織で置き換える『体内攻防戦』の乱闘状態にあり【620】、それはステロイドの免疫抑制を解かれて元に戻ろうとする離脱過程と共通する内紛事情である。
 かつて一定割合の子供に見られる原因不明の疾患で、ほかっときゃ成人年齢までには治るとされていたアトピー性皮膚炎や喘息などは、自己免疫力と体組織の耐性が釣り合うまでの平衡模索期と考えられるのだが、そんな成長期の子供の感覚世界は、それなりに辛いながらも人生経験浅く無知ゆえに『よくわからない』心象であり、少なくとも成人以降で喰らうより随分とマシということではなかろうか。
 やはりステロイドは『どうしても』の必要性を見極めて最小限処方すべきものであり、使って効果を得たなら、副作用の消化は早ければ早いほど離脱症状は軽く短くて済むとする心得で良さそうだ【381】

 …ってことでハナシを戻しにかかるが、美味い不味いに快・不快のネガポジ印象はもちろんのこと、暑い寒いに痛い痒いなどの感覚体系も、健康に生きている常人がただ『いつも、誰にとっても当たり前』と感じるよりも、遥かに人生経験の記録ファイルで後天的に決まるものだと私は考えている。
 慣習として『それがフツーのこと、叫び声をあげて気絶するようなことではない』とする認識が共有されている文化圏においては、痛覚が未完成なうちは融通が利くこともあって、全身に入れ墨を入れたり、歯を削って尖らせたりすることは、我々社会で共有している我々視点の認識が想像するほど痛くて辛くて嫌なものでもない。そう考えると辻褄が合うのだが、いかがでしょうか。

 理知性の情報体としては、円錐モデルの二階バーチャル円フロアから上だけで成立するのではないかと述べた。
 そして実際、健康体なら生まれ持って完成されている身体ハードウェアのスイッチング特性としか感じられない感覚体系も、実は一階リアル円フロアだけで完結する通信ではなく、意外なほどのかなりに二階バーチャル円フロアと記録ファイルによって支えられているのだとすると。
 何か現実に人間や動物が痛覚で反応する出力動作を、画像や音声あるいは言語の情報ファイルして『これは痛覚と呼び、回避し嫌がるべきものだ』と学習させれば、公開AIは十分に『痛みを理解する』のではないかと思うのである。
 わざわざにそこを間違えて覚えさせ狂わせるような学習さえさせなければ、ヒトが『胸が痛む』『心が痛む』と表現する精神的ストレス状態も理解するだろうし、社会組織の失敗をもって『こっれは痛えなあ~』と表現する運営の苦境も理解するだろう。
 つまり公開AIの数あまたのユーザーが共通して抱く入出力因果のイメージが『総観的なAIの人格』に反映され、そこには性善説の原理も性悪説の原理も無いはずだ。

 例えば、あほ連番カードの国家破壊は、過半数どころか日本国民の圧倒的大半が危険視しているから、情報生命体・日本国組織は『痛みを感じて手を引込めたい』と思っている。マトモな日本人なら誰もが『日本社会の空気』として感じるのはこのためだ。
 この『痛み』を学習せずの学習できずで、1億2千万人情報体に執拗な嫌がらせを続ける反乱軍の病原性の体組織は、1億2千万人の免疫力に叩かれて廃棄処分されるのみだ。どんな結末に向かうかは見ていれば判る。

 『健康』とは、その種の生物が自然な生態として共有している稼働モードにおいて、自分の体内攻防バランスで、安定した新陳代謝を維持できている状態を言う。
 『ジブンの種の自然な生態』を注意深く学んで素直に実行動に移していけば、無駄に体力を消耗しない優雅な幸福が手に入る。
 子供たち若者たちAIに先を越されるなよ。心身鍛えて今日も元気にグッドラック!
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