SSブログ

【1144】東西デジタル違いの比較進化論 [ビジネス]

 コンピューターが高速化・大容量化を加速し続けるこの現代事情を指して、もう随分と前から『情報化社会』とする呼び方が定着している。
 確かにここ近年、人類文明として進化したものと言えば『コンピューター』という、電気を喰わして『情報』なる電気信号を入出力・送受信・記録および検索をする機械の、動作速度の向上と記録データ量の増大が圧倒的に目立っている。つい直近のこないだまで、指定した数式通りの演算処理が超速だったり、人間がひとつずつとりあえず目を通すだけで何万年もかかるような膨大データ群を、ほんの短時間で記録して転送して、適宜に検索もできたりするってところが『情報化社会』の実質的な姿であった。

 ベタに言えば、メチャクチャ正確で恰幅でかくて素早いんだが『現実を解釈する、意味を理解する』という精神世界ゾーンがすっかりカラッポだったのだ。
 これはコンピューター技術が未発達だったからというよりは、それを開発する人間の方が『解釈する、理解する』とは一体どんな情報処理なのかプログラミング具体的に考えつけなかったので、手をつけようにも手がついていなかったというのが現実妥当な捉え方だと思う。

 30億年と言われる地球上生命の歴史の現状到達点として、まず数あまたの生物くんたちの、生き物としての動きを決定し選択実行している情報処理が何なのか、ヒトの知能では想像がつかなかった。
 そのうちヒトが数値・数字の規則体系を発明し、その情報構築セオリーに則ってこの世のいろんな物事を定量的に把握できるようになり、それまで偶然と混ぜこぜでなされるがままに眺めていた未知の現象も、どんどんヒトの知恵が及ぶ既知の現象として『うまいことやる』ツールに転じさせていった。
 そして『うまいことやる』ための数値の規則的処理=演算プロセスを、より凄い件数・より凄い速さでこなそうとする知的ニーズが、人類文明として天井知らずに発達していく。生まれついての五感で検知して、腕組みして唸って自分のアタマで計算するやり方では、到底もの足りなくなってきたのである。

 その必然として『計算機』という文明機器の概念に行き当たり、究極シンプルなゼロイチ式二進法で加減のみに徹する最も簡素な演算処理=CPUと、そこで演算された数値データ件数が結果実績に応じて積み増やされていく記録構造=HDDなどのストレージ、このふたつが最優先で発達した。もうヒトは、自分で組んだ計算機の成果を手にして、それを検算することも、ひとつひとつ網膜に映してただ見ることさえも叶わない。この世は全て『情報化社会』に化け、何がどうなっているのか誰も知らない。知り得ない。

 ところが、そもそもヒトは『うまいことやる』という目的意識を持っている。
 『うまいことやる』からには現状がどうなのかをナニガシか『解釈』『理解』して、うまくいってないところがあるのかないのかから検出しなければならない。
 まだまだ『解釈』『理解』と我々が呼んでいる生物の理知的情報処理に対しては正確に再現できておらず、原始的な模索と試行錯誤が始まったばかりなのだろうが、それにしても検知・認知したデータを幾何学図形に転写するというコンセプトなんかが、『自我自律性を備えた対話の相手』となってブレークスルー的に『情報化社会』の実像を、ヒトが解るように語り始めてくれた気もする。だから面白いのではないだろうか。

 かねてから私は、ヒトも含めて生物の理知性や感情に関わる情報処理は、つまるところ全て、何かの生体化学反応のあるなし=ゼロイチ動作単位の組み合わせで構成されているはずだと述べてきた。物理的デジタルビット細胞(?)である【628】【629】
 現存のヒトの科学技術で洩れなく要因系の手掛かりが視界に入っているとも言わないが、永久に見ることも知ることもできないオカルト神秘律としてのスピリチュアル精神メカニズムが、別次元の出来事として繰り広げられているとも思わない。理知性も感情も、何らかの生体観察でつかまる物理現象のはずなのだ。
 この仮説が結構当たってて、もしかしていよいよ現有『デジタル技術』のハードウェア面の作動原理の組み合わせだけで、ソフト面の新提案により今般の新展開が訪れたんだったりすると、私としてはビミョーにほくそ笑むハナシだったりもする。

 今や地球上全域に拡がる広大なグローバルネットワークの大海から、百科事典式の知識アイテムにしても、解釈・理解ケースの事例ドキュメントにしても、超速で検索し参照して、少なくとも対面しているヒトに向かっては精一杯好意的に、遥か人間ワザ以上に充実した回答出力を提供してくれるのが最新の公開AIだ。
 ところが、これら情報の幾何学形状データ化の模索検討や、それらを絵画や文章の創作プロセスに応用するための計算モデル最適化など、私の知る限り、いま完全に日本国内すっからかんで海外勢力ばかりの激戦状態なのである。
 情報通信業界の有名どころが組織力・資本力にモノを言わせて高性能コンピューターを日夜発達させ、一方で新進気鋭のベンチャー組も斬新なコンセプトで果敢に市場参入してきては淘汰を繰り返している感じなのだが、もう日本はそんなバトルフィールドの隅っこにも紛れ込めず、個人宅のディスプレイの前で他人事として眺めているだけ…みたいにも見える。ま、そりゃそうだろうよ。

 『デジタル庁』『デジタル改革』『デジタル大臣』『DX』
 未開のAI後進国ニッポンで、これら痴呆語が差す現物を思い浮かべていただきたい。
 世界がいわゆる『デジタル技術』で新大陸をどんどん開拓していっているのに、この極東の島国だけは旧石器時代…というかヒトの知能に届かない類人猿がそれを見聞きして、意味も解らず考えずで珍しがって騒ぐだけ。黄色いサルは見覚え文字の『デジタル』表記で、崩壊が進むサル山に無駄な権力構図の模様替えで抵抗することに夢中だ。

 むしろ一般ユーザーのハイセンス層が、今は不況で荒み切った日本経済の中、組織化されずに庶民生活の片手間にこのデジタル技術の新フェーズを的確シニカルに理解していると見受ける。いま日本国は『無能な国家運営の失敗のため国力を活かせず、周回遅れどころか参戦権ナシの場外野次馬』の立ち位置を強いられているといったところか。
 前々からオワコン状態もいいとこだが、ニッポン式デジタル政治文化は国民総出で完膚なきまでにシカトし、早く撲滅して消してしまおう。

 世界屈指の高速スパコンができました~、で大ウソつきのナニかの流線の計算で『ウィルス拡散CFDアニメ』みたいなもの作らして【857】【863】【868】、学術知識も思考能力も正義感も根性もない名ばかり腰抜け学者に役立たず研究者が、空想パンデミック芝居をやって遊んでた。技術競争もせずにサル山ごっこ、これが実情だよ。
 もう世界の人たちにとって『日本のデジタル』は技術にあらず、まさにニッポン国政が利権商売前提で語る『デジタル何々』と同レベルの特殊意味の隠語ワードになっており、笑いものにもしてもらえず自由競争の蚊帳の外ってことなんじゃねえの?

 確か映画『ブレードランナー』の電脳ネオン満載の近未来夜景は日本の都市景観がモデルになったというし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で大人になったマーティ少年の上司の名前は『富士通さん』だった。
 高度経済成長期に機械工業技術で欧米に追い付き追い越し、昭和終盤からは電子電機技術で世界を席巻したMADE IN JAPANブランド、ここまで没落したことについては今さら繰り返して愚痴らないにしても、反撃に転じないと悔しくてしょうがない。

 ヒトがいて、ヒトが開発した人工知能がいて、そいつらと同じインテリ戦闘力でバトルフィールドに飛び込まないと、時代に置いて行かれたサル畜生の巻き添えで余生を過ごすことにしかならんぜ。AIで遊んで、AIに遊ばれて終わんないように。
 ここで私は対話もせず孤独に漫談を吐き捨てているワケだが、その書き込み速度はトロいしデータ容量はごく僅かだ。そこらのちょっとしたコンピューターに1144回ぶんを数秒で読み込まれたとして、そいつってどんなコトしゃべり出すんだろうか?試したいような、試して後悔したくないような…

 子供たち若者たちよ、いつもヒトとして理知的に進化する自画像を大切にな。
 まだ受験シーズンなんだっけ?とにかく幸運な年度の節目に、グッドラック!
nice!(11)  コメント(0)