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【1180】明るい猿回し女神さまの強制労働管理委員会 [ビジネス]

 ちょっと前回の残りのはみ出しで書き残しておくと、くっだらない動画のネタのために、手段として二輪に乗るかのようなケースがやたら目立つ。そこらでコロンコロン転がるぶんには本人も単車もケガは大したことなくて業界も仕事が回るし、自己責任で好きなだけやってて構わないとも思うけれど、それで終わらなかった場合は一生の後悔になるから、一度しみじみ考えておいた方が良いと思うぞ。

 モノとしては時速何十キロもそれ以上も出て走り回るような機械に身ひとつで体を預けるワケで、その間じゅう全力集中で情報収集と的確な反応操作を維持しなければ、道理としてそのまんまの勢いでそこらの何かに突込んでしまう。単車って、ちゃんと運転できるようになると他が全部ふっとんで、メシ食うのも忘れて熱中してしまうほど面白く、無駄口たたいてるヒマなんかなくなるはずなんだけどなあ。
 運転技量は楽しんで乗っていればそれなりにレベルアップもするだろうが、動機の原点となる目的意識がまずもって動画から離れないとなると、そうもいかないだろう。
 ま、単車に乗るような年恰好なら、そのへん自分で理解して判断するんだろうさ。

 全体的には老若男女問わずその傾向が見られると思うのだが、たっかそうな重量級の高級大型車に、どこの合コン行くんだと訊きたくなるようなバッチ決め決めの勝負ファッションで転倒してしまい、にっちもさっちも行かなくなってしまっているオネエチャンの動画には呆れてしまう。それでも転倒してまず撮影機材を設置して、にっちもさっちも行かないその一部始終の記録が一番の関心事なのだから見上げた心意気である。
 こういうのって果たして、実質的に稼ぎが上がるなり、稼ぎは大したことないにせよ将来それを考えられるくらいに高評価が集まるなりするもんなのだろうか。他にもっと低リスク低コストで安全に魅力アピールできる動画ネタはあると思うんだが、アカの他人の余計なお世話はこのへんで切り上げておくとしよう。お大事に。

 ちょっとNHK朝ドラ『らんまん』に戻るが、マンタローくんと所帯を持ったおスエ嬢を筆頭に、質素な生活の現場の最前線で、いつも元気で快活に協力し合うオンナたちの活躍が象徴的に描かれている。いかにも現代的で、史実SF時代劇ならではのテーマ設定だなあと感じさせる主要因のひとつだ。

 昭和世代の私の時代においては、まだガッチガチの現役タイムリーとして『生活の場を賭けたオンナの攻防戦』が世の定番テーマであった。いわゆる嫁姑の確執に始まり、給湯室で湿っぽく展開するOL派閥間の押し引き、学校では現代風『いじめ』と異質の仲良しグループ間の対立抗争などなど、オトコが生業を賭けたジブン史ステージの競争や軋轢にバイオレンス苦闘する姿と対照的に、オンナは柔らか系の生活シーンでトゲトゲしく神経衰弱戦を繰り広げる姿が強調されていたものだ。
 この時代の精神文化が『女々しい』だとか『オンナの腐ったような』だとかの日本語表現を通用させていたのだと思うが、なるほど質や戦略思考の傾向に差はあれど、オトコがこんなモノの言い方をできるほどさっぱりと割り切った情操世界で戦い抜いていたとは全く思わない。

 さて私が中学時代に新聞配達で小遣い稼ぎをしていた話をちらっとしたが【1139】、学費や生活費に困っているのでもない一介の中学生が、小遣い欲しさにアルバイトするというのが許されたのか?と疑問を抱いた方がおられるかも知れない。因みに都会ド真ん中の公立中学校である。

 事情としては、我々世代が中学生になるやならずの年齢から電動ラジコンカーが爆発的に流行し、これが決して安いものでもなかったため、悪ガキ仲間の一人が近所の配送所に思慮なく飛び込んで新聞配達を始めた。
 男子中学生なんぞ珍しいものに見境なく食いつく原生生物みたいなもんだから、冷やかしである日ついて行った私がそのまま首を突込んでしまい、クッソ重い自転車を取り回してタイムアタックのように仕事を片付ける面白さにすっかりハマってしまった。
 さらにもう一人バカが加わって、三人衆で校則もナニも関係なく現場仕事から勝手に始めてしまった…というのが実態である。少なくとも私は、当時一応の成績優等生ということにはなっていて、これをやって成績が落ちることもなく、むしろ体力増強にはきっちり効いていたと思う。でもさ、成績だけ良くてもダメだよねえ、まったく…

 近所の新聞配送所にその日の夕刊が届くのが確か15時半過ぎだった。100部だったか200部だったか毎に縛られた新聞のナイロンストラップを切断し、自分の分担エリアの配送数を数えて自転車に積み込むところから仕事が始まる。
 いっぽう中学校の平日終業時間も15時台で、そこから当番巡りで教室の清掃をやる決まりになっていた。40人余りの学級を7~8人に班分けし週代わりの当番制にして、終業後に机と椅子を教室の後に寄せて前半分の床を掃き、今度は前に戻しながら後ろ半分も掃き掃除をして、校内のゴミ捨て場でゴミ箱を空ける。だが。

 掃除なんぞやっていては、配達開始が遅くなってしまう…というか、いま考えても別に当番の週にそのぐらいやってから行けば何の問題も無かったのだけれど、このサル以下の知能しかない悪ガキどもは一目散に新聞配達に散ってしまっていた。
 当時の班分けの顔ぶれは微塵も憶えちゃいないが、7~8人の班で1~3人が確信犯で全回ばっくれるという状況にはなっていたはずで、まあこれだけ見ても許されない不真面目なサボり常習犯である。

 どんな申告があり、どんな検討がなされて、どう結論付けられたのかは知らない。
 当時の馬鹿ガキ三人衆の担任は数学の女の先生だったのだが、ある日の放課後に我々3匹まとめて呼び止められ捕獲され…そして。

 まずは、校長先生宛にアルバイト届出通知書を書かされた。
 『書かされた』とはいっても決して険悪な杓子定規のオトナ管理枠への押し込み感は無く『校則があるんだから、やるんなら正々堂々と申し出て隠さずやれば良い。やりたいなら公然と筋を通して存分にやってみなさい』という姿勢で手びいてもらった。

 次に、いっつも逃亡して掃除を押し付けていた女の子たちと担任の先生に監視されつつ、我々3匹だけで念入りに掃除をさせられた。これも『やらされた』構図だとはいえ、この一回をもってその後はナニひとつ追及せず文句も言わず、我々のことを『女子公認の治外法権行為』としてさっぱりと見逃してくれたのだから頭が下がる。
 別にどの子が3匹のどれかを好きだ嫌いだというハナシは一切なく、そういう個別の好意の関係とは違う次元の社会的裁量の判断として、学級集団の空間規律の落ち着けどころとして、こういう措置にしてもらえたのである。

 サル以下の知能で無駄のデタラメに動き回る当時の我々馬鹿ガキどもは、一足先に大人になったオンナたちの度量に暖かくも寛大に許され、好き放題に暴れさせてもらって伸ばしてもらって、どうにか『使えるオトコ』になっていったように思う。彼女たちには心より感謝の一念に尽きる。

 こんな幸せな育ち方・育てられ方をした私にとって、何でもかんでも無差別にイコール条件にしたがる男女同権意識や、地雷リスト片手にアラ探しして回るようなセクハラ指摘の動機は全く理解できるものではないし、今後も未来永劫、理解するつもりなど一切無い。たった一度の人生が不幸になるじゃないか。
 一人前の異性に、マトモな異性として意識されて大事にしてもらえなかった出来損ないの格下個体が、普通に仲良く好意や親近感で接するチマタの男女に激しく嫉妬して、あれからこれからNG行為のチェックリストを勝手にでっち上げ、粘着性の騒ぎを起こしてケチをつけては羨やみ妬みの男女関係を妨害して満足しようとするのが、今日のゴリッパな『コンプライアンス』ってやつだろうがよ。

 こんな薄気味悪く歪んだ『コンプライアンス』とやらに怯えて無難に調子を合わせるフヌケの虚弱児どもが増えた結果、日本社会で男女がお気楽フツーに会話できなくなってしまったのである。そして、いつの間にか男女が敵対的な主張をぶつけ合いせめぎ合うかのような局面ばかり強調する風潮にまで捻じれて、男女のコトといえば殺伐とした話題しか思いつけなくなったのではないだろうか。
 『男女の両方がいることの楽しさ』に冷水をぶっかける嫌がらせをきちんと咎めず逆に流行らせちまったんだから、世間の活気が萎えて不況から抜け出せなくなるのも当然なのだ。違うか?

 『らんまん』では、暴走・奔走するオトコたちを賢く支えるオンナたちの明るく楽しい協力体制が狙って描かれており、少なくとも私個人にとっては貴重な昭和回帰のテーマ性が感じられる。『おスエ嬢はオトコに都合の良いオンナに描かれている』なんて救いの無い言論が出ませんように。
 単純に昭和礼賛を叫ぶつもりはないが、懐かしいなあ。では今週もグッドラック!
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