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【1263】もつれさせた平常メイズの最短脱出ルート [ビジネス]

 ゴールデンウィークもいよいよ後半に突入、カレンダーは5月になった。
 私にとってはステロイド断薬して、そろそろ満11年半を迎える節目となる。

 結論から行くと、まだ完治しない。薬物中毒の根の深さはハンパではない。
 それでも自分の身体を鋭利な刃物で深く突き刺して中から引き裂きたくなるような、やり過ごすにも厳し過ぎる痒みについては、どうやら完全に解消した。
 10年以上かかったが計画通りの進展、もう二度と遭うことはなかろう。

 あと判りやすいところでは、下腕の体毛が全て2センチから長いものでも3センチ未満に揃った。ウチの百科事典的には正常値に回復したことになる【1198】
 クスリ焼けして、まるで日焼けのように色が暗くなっている部分や、上腕の外側など薄墨の飛沫を散らしたような黒斑になっている部分は、全てステロイド依存組織の潜伏状態である。『ステロイド外用薬で肌が黒くなる』という説は少なくとも私にとって真実で、ここにひとつ確固たる実証例がある。
 いっとき少々調子よくなったと感じていても、時期を迎えるとその黒い体組織は、むくんで赤熱して痒くなり、のちに擦過傷のようにひりひりと痛むようになり、そのうち点々と出血して皮下の着色部をかき集めてそこから吐き出す形で、何年もかけてほんの僅かずつ解決していくのだ。
 自他ともどもの評価で、黒く赤かった私の肌はいま随分と白くなった。あと少し。

 久し振りなのでちょっと復習しておくと、私はステロイド依存症と、断薬によるステロイド離脱経過を考察するにあたり、人体をざっくり球体モデルで近似する考え方を提唱している【381】

 ステロイド=免疫抑制剤でヤク漬けになっているうちは、全身の体組織はその抑制されて弱った免疫力に釣り合って日々を過ごしている。
 ここでステロイドを断薬すると、抑制を解かれた自分自身の免疫力が復活してきてバランスが崩れ、弱すぎる全身の体組織を片っ端から強度不足と判定して壊して、廃棄処分にしていくのだ。
 廃棄処分になった体組織がさっさと新・免疫力に釣り合う仕様にスクロールされてくれれば良いのだが、そうはいかない。壊されて廃棄処分になった体組織は、そんなに都合よく賢く強化バージョンで新調されたりはせず、要は壊れたぶんと同じものでしか作り直せないのである。

 新規生成されてくる体組織は完全に均質ではなくバラツキがあり、現行仕様と全く同じ平均値・標準偏差の細胞群が再生されたとして、平均値近辺とそれ以下はごっそり新・免疫力の餌食だ。
 だが必ず平均値以上の一定数が新・免疫力に釣り合って居残る訳で、つまり体組織を更新しては大半を自分で叩き壊し、球体モデルの表面から廃棄しながら、強い体細胞だけを選別して残していく。
 だから脱ステ初期は体表面一斉が劇的にぶっ壊れて始まり、末期は球体モデルの表面側から離脱が完了しヤク中から抜け出していくのだ。

 この球体モデルだが、表から見える肌の面だけではなく、消化器の内壁面も『球の表面』に位置すると理解しよう。つまり見えている面が荒れて傷になってぼろぼろ崩れている時には、キホン腹の中も同じことになっているということである。
 そして、あせもであろうが謎の湿疹であろうが、もっと言うとステロイド離脱過程の肌トラブルに限らずで、大事なのは『肌の下にあるものを体外に捨て去ろうとしているのなら、痒かろうが痛かろうが見た目悪かろうが、正常な状態』だということである。

 私は過去を振り返って『外部の悪いモノを体内に採り込んでいく』という方向の肌トラブルを経験したことが無い。痒みも痛みも見た目が悪いのも、とにかく体内にある不要物を体表面から外に捨てているのであれば、一旦は捨てるに任せて捨て切らせ、それをまず終わらせるのが最短・最速の解決策だ。
 体内で不要物が発生する原因あってのことならば、そこに決定的な手を打つ。
 これ以外のことをやると、原因を封じ込んだままこじらせることにしかならない。

 さて体毛の長さ以外にここ最近の顕著な離脱症状といえば、手首足首から先の末端の壊れっぷりが結構きつかった。こないだの正月なんか、11年も経ってなんでこんな目に遭うんだと愚痴りたくなるくらいタイヘンであった。
 両手の爪はガタガタに変形して内出血に起因する黒い縦の筋がいくつも出て、指先の頂点部分が真っ赤になってささくれるように割れた。とにかくパソコンでテキスティングするのさえ痛くて躊躇する時が何度もあったし、ぺとぺとするなあと思ってふと手元を見ると『G』『H』あたりを中心に黒いキーボードの白抜き文字が血で赤フォントになっていて『な、なんじゃあこりゃあ~!』とガチに叫んだ日もあった。
 できるだけ大人しくするだけでは済まなくて、意識してちゃんと指先を確認していないと服を血で汚してしまってますます無駄な用事が増える。流血見落としの失敗に気付いたら、いつどこからやらかしているか探すところから始めなければならない。これにはつくづく参った。

 手の指がこの調子なので、足もただで済むはずもなく、昨夏のうちにくるぶしから下が赤紫色にむくんで、スポーツサンダルでも足がボンレスハムみたいになるくらい膨張し、土踏まず一帯が溶け出すように濡れ傷がいくつも開き続けていた。
 これらが涼しくなってくると指先に移動していき、足指10本が熟れ過ぎて黒紫色になったさくらんぼのようにまんまるパンパンに腫れ、何本かは指先がりんごをかじったように欠損する傷にもなって、酷い激痛が冬の間ずっと続いていた。おまけに踵も左右一ヶ所ずつ縦に割れて大峡谷ができてしまい、これがまたいつどこで流血するか判ったものではないという面倒さである。
 何気なく目を落とすと畳じゅう血痕だらけという日もあったし、座って足を組んでパソコン作業をしていたら、足元に踵から滴下して血だまりができている…という事故も一度二度ではない。家を這いまわって泣きながら後始末である。

 ただでさえ痛くて歩くのも手先の作業も控えたいのに、じっとしていても自分の出血・流血が注意力の隙を突いて、始末に悪いトラブルを起こし続けるのだ。
 ああ、神さま仏さま。ワタシここまでの狼藉はたらきましたっけ。

 いや~ここまで来ると、かつて夜な夜な眠っていて喰らった地獄絵図の責め苦フェーズの頃と同じく、腹が立つとか泣けてくるとかを通り越して、絶対いつか想い出の語り草にしてやろうと楽しみになってくるのである【1010】
 だいたい直近2年ほどこれら顕著な手足のトラブルが続いて、ようやくこの3月一杯ぐらいで収まってきたように思えるのだが、まあ症状の質的にも量的にも離脱フェーズの明確な一段階としてカウントするだけの重みは十分にあったと実感している。
 時々見かける『ステロイド離脱末期は末端症状が酷くなる』という説に合致していて、公認済の定番儀式でいま末期通過中…というのなら嬉しいのだけれど。

 満12年となる今年の年末には、どこまで改善が進んでいるのだろう?
 私と同じく、長いが迷いようのない一本道を頑張っている方、お互いグッドラック!
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