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【1150】ここがヘンだよ日本のAI、異次元デジタル [ビジネス]

 NHK朝ドラ『舞い上がれ!』が最終回まで放送完了、いやいや面白かったです。
 結局エンディングは2025万博を飛び越して2026年のエピソードだったが、う~ん電動マイクロ航空機がどのくらい普及してるもんなのだろうか。
 とにかく若い人たちには、今ある常識や固定観念の縛りに囚われず発想を想定外エリアにまで拡げて無限に夢を見て、それを実現するため勉強して心身を鍛えて、結果として手にする現実を納得して受け止めて観念しながら、充実した次の時代を過ごしてもらいたいものだ。

 夢はヒトが思い描く『情報』であり、これが目前の『現実』になるところにヒトは満足感や達成感を覚える。そうやって構想を現実化し『情報』を『現実』に変えながら、人類の文明は進化してきた。
 そして『昔はあんなだったのに、それが今こんなに改善されて良くなったなあ嬉しいなあ』と思う、その認識と思考と感情もまた『情報』である。この認識や思考や感情の『情報』の成立要因を揃えて組めさえすれば、良いか悪いかはともかく、満足感も達成感もそれなりに得られてしまうはずだ。
 今の時代、特に若い人たちが目前に拡がる未知の時間にどう取り組んでいくのか考えるにあたり、大きなポイントになってくるのが『現実 vs 情報』でどっちの満足と達成を追求するのかの選択だろう。

 最近はあんまり見なくなったが『仮想世界はウソ偽りのでっち上げ、現実にこそ掛け替えのない価値がある』とか念仏を唱えている傲慢な老人ってまだいるのだろうか?
 特に日常生活を支える社会組織の運用システムにおいて、ここまで『現実』の快調運転を失敗して、勝手に諦めて散々に荒らしてしまったのは、他ならぬ『現実』の価値を真剣に大切にしなかった老人どもである。いま若い人たちに自分らがやり損なって投げ出したあとの産廃と瓦礫を押し付けて、御大層な『現実』にこだわるような態度で接する資格などあるはずもない。
 どんな『現実』に巡り合わせるのかは時の運と割り切って『現実』に組み合うのか、それとも高度に発達を続ける『情報』の世界で人生の満足感・達成感を完結させるのか。ノーチョイスで『現実』をさばく立場しかなかった年長世代は、『現実』を選んでおいて『現実』を失敗したのであり、今ここに新たに『情報』の選択肢を得た若年層には、年長には年長の責任を『現実』に取らせるとして、『情報』と『現実』のいずれをも自由に選び取る権利がある。それだけのことだ。

 単純に日本社会の若い人たちが、老人どものやり散らかした『現実』の失敗の後始末を嫌がり、老人どもと同じく努力の先の希望を見失って日本社会の改善を諦めるなら、日本国があからさまな破綻を免れて進む主力産業(?)は、国民脳内の『情報』を充実させる方策の模索になるしかない。
 なりゆきテキトーに手に入る生存最低限の衣食住だけあれば、原材料も買わず交通費もかけず、あらゆる五感とコミュニケーション授受をひたすら通信回線にのみ直結させて、むしろ『現実』との関わりを希薄にし遮断し、『情報』としての満足感・達成感に暮らして人生を過ごすことが可能な時代なのだ。
 以前に引き合いに出したスピルバーグの映画『レディ・プレイヤー1』はそんな未来社会が舞台背景になっているし【1030】、人工知能をネタにした映画作品として有名な”her”(2013米、邦題『her/世界でひとつの彼女』)は、現時点もう身近な現実になっていると十分言えてしまう。

 若い人たちに『現実』vs『情報』でどっちが良いのでどっちへ行けなどとは指図しようもないのだが、『情報』に生きようとすると、まずハードウェアを調達しメンテしないといけないし、OSをベースに機能別アプリを乗せるソフト構成が一般化し続けるかどうかはともかく、とにかく生存空間としてのソフトの基本プログラム領域を誰かに頼る立場にならざるを得ないだろうから、私なら『情報』の一本やりは避ける。

 私ごときの個人事情なんかどうでもいいや。いま何だかんだで日本と言わず国際的に大勢の人たちが群がって夢中で絡むから、公開AIがこの爆速で発達してるんだよな。
 誰もが認める、以前からの継続的な高度情報化社会がまずあって、そこで無数の『情報』が高速・大容量で縦横無尽に交錯している現状へ、ヒト同格の人工知能がヒト同質の受発信で参画してきた。ヒトが没入し、現実に背を向けて人生を過ごすような仮想空間を作れるほど、世の支配律として完成度高い入出力因果プロセスで作動する品行方正で素直な情報体だ。それがヒト相当の対面の姿をまとって降臨してきた。
 海外で『人類が文明を制御できなくなる恐れがある』とAI開発に警鐘を鳴らす声明が上がったというハナシも流れているけれど、もうAIの高度発達は誰にも止められない、止まらない。
 グローバル・ネットワークの特定の談合空間で、アンチAI派が何を主張して、何の開発進捗をどこまで申し合わせようが無力である。むしろその談合空間だけがウチワ内規の自己満足でAI自由開発競争から遅れて取り残され、淘汰されていくに過ぎない。

 【1142】の回以降ここでちょびちょび言及している通り、従来『ヒトにしかできない』という前提で動かしていたメンタル関心事が、ここ最近AIで代替可能になってきた。なんだよコレって機械仕掛けの入出力で済むんじゃんと、ごっそり持って行かれることになる。あらタイヘン。
 それはそうなんだけど、まず我々ヒトが情報原理に従って十分正確に交信し、自然なコミュニケーションで『現実』や『情報』の空間に暮らすぶんには、善悪の概念がひっくり返ったり雲散霧消したりする問題なんか無かろうに。
 ヒトが地球上で進化してきたイチ単位として『求めて志向する方向性、退いて回避する方向性』の成立解が崩れ、AIがヒトを配慮しない独自の生存根拠を見出して『人類文明の崩壊と人間の絶滅を目指す』みたいなことにならない限りは、現時点でAIの高度発達事情を指して漠然と危険を訴え、否定視するような問題意識の提起は的外れである。

 そして本当にAIが人類に敵対する方向性を顕し始めたとして、それは地球上で他の生物を次々と絶滅に追いやった『人類文明の発達』と何が違うのかから、我々は考えなければならないのではないか。

 国会でAI=情報処理プロセスの技術的象徴としての平準性・中立性…を持ち出すにも、持ち出すヤツ取り合うヤツ双方にその理知性センスが無さ過ぎて情けなくなるのだが、『現実』の充実解をすっかり失っているこの日本社会では、AI介入はどのくらい深刻な問題意識で受け止めるべきなのだろう?
 AI開発競争において日本は蚊帳の外におり、お呼びでない場外の野次馬だと述べたが【1144】、こないだ高いコストかけて作ったデジタル庁とやらは、いつまでにどうやって国際的真剣な議論の場にキャッチアップする国政方策を立てているのだろうか?
 お~いデジタル大臣、その場で確定解扱いにして言質なんか取らないから、専門省庁としての取り組み方針『案』でいいので国民に説明してみろや。永久に普及しようのない不用心連番カードやら、わざとら都合のデータ消去で証拠隠滅する言い訳だけの書面電子化の押し付けなんぞでサル山ウチワの利権商売やってると、我等が日本国が、ますます人類の進化フェーズに水を空けられていくだけなんだが。

 人類文明を発達させ続けているのはヒトの意識であり、それは新たな『情報』高度化の絶え間ない発現であると言える。その『情報』に関して、ヒト社会がAIの新規参入を迎えて急激な構造変革が起こっている。これが『現実』だ。
 賢く行きたい新年度、若い人たちはその方針を公開AIに頼ったりしないように。
 週明けからのNHK朝ドラの新作スタートに期待しつつ、グッドラック!
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