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【1136】未来人発掘プロジェクトの進捗報告記入欄 [ビジネス]

 今のところここはノンアル更新でやることにしているので、たまには早い時刻に。
 いや、アルコール摂取の有無に関して、昨今の日本社会みたく気が狂ったような線引き否定も理解できる…などと言うつもりも無いのだが、『自分で後で見て、十分納得が行く判断で記述ができてるかどうか』という視点からすると『自分が思うこと思うまま言論する場』はノンアルにしといた方が間違い無いだろうと考える。それだけのことだ。
 要は夕方以降、確実に飲んでいるというだけなんですけどさ。御免あそばせ。

 さて、大きな賞で短歌が評価されたNHK朝ドラの貴司くん、歌集を出すにあたって『不特定多数にわかりやすく訴えかける作風を出してくれ』と要求されて四苦八苦している。
 個人内の価値世界でやっていたことが抜きん出た好印象で大衆に反応され、いざそれを商品化するとなると、そこからはもう自分の好きだけでは済まない。そりゃ出版元としては、歌集を出す以上は一冊でもたくさん売れて、少なくとも赤字でなく収益の上がる事業になってくれないことには意味が無い。
 かくして梅津センセイこと貴司くんは、自分のココロから自然に流れ出たコトバだけでは間に合わず、心得の無い俗物の見る目の無い目にも留まるような『イージーさ』『インパクト』みたいな要素の織り込みを要求されるようになったというワケだ。
 『メジャーになった途端、売れ線狙いを強いられる』というやつで、他のギョーカイでも実際よく聞くハナシである。最初から『売れたい、メジャーデビューしたい』が至高の目的になってるヤツの方が、こういう局面ではラクなんだろうな。

 ところで、あなたの職場でもナニガシか業務用の書式テンプレはあると思う。
 ささやかなところでは、新年度から対面業務ペースに戻すので、改めて最新の通勤ルートと交通費の申請フォームを埋めてくれ…みたいやつ。このくらいならA4半分のA5ヨコぐらいで十分だけれど、最上段に『通勤申請書』の見出しをつけて、『職番』『氏名』に始まり、『現住所』『最寄駅』『乗降ルート』などの欄が並ぶと。簡単に想像できるだろう。
 たったこれだけのことではあるが、もしこの書式フォームが無かったら…?

 職場の人数規模や人員の属性にもよるが、レシート大のメモ用紙の切れっ端あるいはA4コピー用紙一枚の片隅に『自分の氏名』『路線情報サイトで表示された片道運賃』しか書かないヤツは、いないようで結構いる。他人が書き殴ったA4コピー用紙にちょいと相乗りしてカラー付箋を貼り付けてくるケースも普通にあるはずだ。
 当人個人の立場としては、職場に通う交通費がちゃんと職場に伝わって、そのぶん支給されれば片付くのだ。忙しいんだし、たかが通勤交通費申請の連絡に手間や時間はかけられない。
 反面あなたがこの紙片を受け取る側にいたとしたら、たまったものではない。専用の書類受けをひとつ用意していたとしても、誰がどんな大きさのナニを放り込んでいるか判ったものではない。

 こんなことにならないよう通勤申請書フォームが組まれていて、まあ誰もがぱっと見いで直感的に正しく空欄を埋めていけるし、キホン間違えようのない単語選択レベルの記載だから、それで落着している。
 これさえあれば、ずらり氏名の五十音順にみんなの通勤経路と交通費が一括整理できて、適宜に記載内容の正否チェックも思いのまま、何よりも総額おいくらだとか、大体どのあたりが安かったり高かったりという傾向マップまで把握できてとても便利だ。
 例えば、いつか自然災害などで再び出社制限をかける事態になったなら、業務分担を組み替えてコレコレこうしておけば僅かでも損失額を抑えられるかも…など知恵も浮かんでくるのが解ると思う。

 『通勤経路と交通費の一覧整理』というと、いかにもシンプルな軽業務として直感されるのが普通だと思うが、こうして職場全体で質の揃った情報を並べて俯瞰すると、組織全体スケールの関心事が何となく感じられるようになるのではないか…という気に仕方をしてみよう。
 では経営目標のひとつにもなりそうな重点業務、例えば『年度明けから国内文芸ジャンルの売り上げを倍増させたい』だとか『新規受注した自動車用ネジの製造ラインを立ち上げたい』だとか、そういった課題事象は先の交通費などとは根本的に異質のもので、要因系も断然複雑だし『一言で語れないモノ』『事情に通じていないと全然理解できないモノ』なのだろうか?

 結論から行くとNOである。
 一言で『良い』と断じて語れないモノなら、やめておいた方が賢明だ。
 全然理解できていないなら、まず理解しないと『良い』『悪い』の判定ができない。

 『この新人はイケる!』でチャラく推すだけではダメであり、経験則にしても直感にしても『だいたいこのぐらい注ぎ込んで、おいくらで抱えれば3年で売上倍増できそうだな』みたいなIN-OUT情報処理が、あの一見うさんくさい編集者リュー北條氏のアタマの中でなされているはずなのだ。
 実際どう扱うかは業界風土や経営方針にもよると思うが、その気になれば貴司くんプロモートを業務課題タイトルに掲げて、目標値=国内文芸の売り上げ2倍、達成時期=3年後などなど、事業要素アイテム欄と管理値を対応させて並べた『重点課題フォーム』が書けるはずである。マジそこまでやるかどうかは別として、これがきちんと書けて目標達成できなければ、長山出版は赤字を出す。その位置関係だ。

 おっとっと、職場のありとあらゆる課題についてこんな管理をやると、書面作成の工数にしても管理・被管理の負担感にしてもムダに膨らみ過ぎるのでオススメしない。
 業務の現状を的確に反映させる書面の組み方にもセンスがあり、ヘタクソが見覚えで組んだ管理フォームは苦行タスクにしかならないから、業務管理プロセスには案外と特殊な才能が要求されるのだ。

 もっとも、だいたい諸事情をわかって課題をどうさばくか現実的なイメージが持てているヤツは、あんまり嫌がらず困らず、どんな書面もセンス良く埋めてくる傾向が感じられる。
 ということは、書面作成イメージの習得から遡って、個人の能力開発や職場の風土整備ができるのではないかという企みが成立しそうだなと前々から思っている。うまく整理できたら随時にここで紹介していくつもりだが、とりあえず今回この話題を取り上げてみたのは別の問題提起あってのことだ。

 『新しい資本主義』だの『異次元の少子化対策』だの、いっぺん課題の構造を分解して要素機構を開いて、A4一枚に収まるフォームで日本国民に提示してみろ。

 国家運営として何をどうして良いのか、雲を掴むままに雲を掴むばかりで認識を固められず、故に認識すべき情報も見える形でまとめられず、カラッポの断片キャッチコピーが茫然と流れるだけ。この現状ニッポン国政の体たらくには、現政権にまず重点課題管理フォームを書かせて提出させるのが具体的第一歩のアクションだと思っている。

 我が物気取りのサル山をどうしたいのかも決められない黄色いサルは散って消えろ。
 若者たちはサル山なんぞ気にせずに、最新の人智をメいっぱい仕入れておきな。
 気候の安定しない受験シーズンだが、引き続きの御幸運を!
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