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【1083】松竹梅ナンバーツーのSDGs実力派 [ビジネス]

 盆休みに入っちまったし、この際もうちょっと竹ネタで走り切っておこう。
 竹は一本切り倒すと処置がやたら面倒臭いので、小中学校でトラック出して数本を山野で分けてもらって、校庭でみんなで御飯炊いてできるだけ効率的に軸の部分を使い果たし、残りを学校で処分する…という企画なんかどうだろうか?
 竹の一本~数本を持ち帰れば、ごく一般的な集合時間の設定で子供たちの旅費もかけずに、お手軽な教育プログラムが実現する。衛生管理もラクチンだし熱処理も強烈だし、食中毒の心配もなかろう。

 前回述べた通り厳密には竹は草なのだが、とりあえず樹木とひっくるめて大雑把にこの形の植物において、英語でいわゆる『幹』の部分の事を”stem”と呼び、上の方の『葉っぱが付いたわっさわさ』の部分を”crown”と呼ぶ。たまに日本語で『樹冠』という表現を使っている例も見かけるかな。
 まあいいや、山中で樹木を倒すとこのクラウン部分が超ウザいのだ。これのせいで、しょっちゅう他の木々に引掛かって倒れ切らないのでまず危ない。運よく倒れ切ってもクラウン部分の膨らみがあるので、枝を払わないと幹が地べたに沿って寝てくれない。
 寸断作業のため木立から引きずり出すにも、クラウン部分が他の木に挟まって倒れているのですんなり出て来ないし、まず鋸や枝切り鋏を手に枝葉の茂るモサモサを刈り落として運び出さねばならず、作業姿勢は悪いし葉っぱに紛れて何がいるか判んないしで、もう全てが鬱陶しくて厄介で面倒臭いのだ。

 故に持ち出しやすい竹一本ないし数本を切り倒したら、そのまま最短距離で引きずり出して、軽トラにでも積んで持ち帰ってまず広い校庭に放り出し、子供たちでステムを切り刻んで御飯炊きに使ってしまい、残ったクラウンは学校の組織力で処分…というのは、なかなか現実的な工程なんじゃないかと思う。
 今どきセン公の方があやふやなんだろうが、ノコギリの細目つまりピッチの細かい側を使って普通に引き切りの要領で結構、最も初歩的な木工作業だから誰もが安全簡単に切断できるはずだ。

 さて、山野整備において倒す竹は倒すとして、もし安全な竹林でまとまった時間を過ごすチャンスがあったなら、ハンモックを一度試しておくことをお勧めする。10センチ径ぐらいに育った太い青竹は、ハンモックを掛けるのには地球上で最高の強度支点だ。
 山中のハンモックは下の地面の無事を確保して吊らないと危険だからそこは注意するとして、確実に竹の節に引掛かるようロープの両端を縛る方法さえ心得ておけば、天にも昇る夢心地の反力で体重を受け止めてくれる。そうか、その前に。

 チマタが煉獄に喘ぐ猛暑日であっても、竹林の中は噓のように涼しい。機械装置も電力も一切介在させずに、人間がただの自然体でごく普通の感覚として『極上の快適』と完璧に言い切れる温湿度環境がそこにある。
 日は入って明るいが柔肌のお姉さんでも紫外線を心配することはないだろう。
 柔らかい風が全身を包むから乾燥を心配して化粧水が恋しくなることもないだろう。
 葉擦れのざわめきの先に、ひぐらしや野鳥など季節の涼やかなBGMが流れる。
 この私の体験記憶はせいぜい平成初期以降のものだから、もう十分に氷河期到来説は死滅し切ったその後、オゾンホールが盛んに騒がれ特定フロンガスの流通が駆逐され『温帯の日本が熱帯化している』とか『日本の四季から秋がなくなった』とか言われた時代にべったり重なる。実際ちょっと木立から離れた棚田のあぜ道に出ると、途端に今日と何ら変わらぬ猛暑日の感覚が間違いなくあった。

 人間どもがバカみたいに燃料を消費し高い電気料金を払って、冷媒コンプレッサーや送風ファンをがんがん回して、冷えすぎだの乾燥が心配だの文句たらたらの涼感をどうにか実現する空調技術は、この地球上でどんだけ効率の悪い物理現象なのだろうか。

 …お。竹が海岸線ぎりぎりに迫っている景色は見たことが無いので、潮風や塩土の影響とその周辺環境での植生維持に工夫が要るかもしれないが、大阪万博会場で期間限定ででも竹林を用意できれば面白いかも知れない。
 日本列島は、太古の昔から手放しでそこにある水と土と光と風だけで、ちゃんと日本人たちが心地よく過ごせる空間を用意してくれているのだ。こういうのこそが正真正銘の日の丸SDGsである。
 今どき田園風景に異常な勢いで割り込んできている太陽光パネルや、あっちこっちで無理な建設計画とその頓挫が報じられる風力発電ごとき、『太陽光を電力に変換しているだけ』『風力を電力に変換しているだけ』の不自然きわまる徒労プロセスであり、そういう非・文明的な無駄をやるために、一体どれだけ地球環境に人為的な悪影響を与えているのか、将来の時代を生きる子供たち若者たちにはまず興味を持って考える思考環境を用意してやりたい。どうかね万博アトラクション?
 一度竹林のハンモックを体感すれば、愚かで欲深な非SDGs老人どもが『継続』の屁理屈のもと、本当は何が欲しくて『いわゆるSDGs』をやっているのかがよく解ることだろう。見た瞬間、そこに謳われるゴリッパな『再生可能エネルギー』とやらの正体が直感できるようにもなるはずだ。
 何をもって『再生』という表現を充てているのか、『可能』だからといって何のできることを実現して、どんな自然由来相当の環境保護効果が得られるのか。

 さてさて総観的に竹という植物は、竹林全体で山野を移動しながら暮らしている巨大生物とする見方ができるという。確かに春には地下茎を伸ばして筍を林立させながら新たにその領域を拡張し、一方では立ち枯れして倒れて、その領域を畳んでいく。
 こっちの土地に侵蝕してきて欲しくない場合には小まめに生え出る筍を伐採し、ウッドデッキなど建築物で地面に直達する日光を覆うと、そこからは生え出て来なくなると思う。竹は先端部を作り足しながら伸びるため、根っこまで掘り起こさずとも地上部を切り落とせば、その一本はそこまでである。このへんは農地周りのしつこい雑草よりさっぱり素直に決着できて嬉しいんだよな。

 筍として食うには地表に頭を出す直前が良いとされ、地上数十センチになり葉っぱがちょろちょろ見え始めると、食えなくはないがアクの処理が大変になる。切り倒して半分に割って中身を食ったことがあるが、確かに出てきているやつは喜んでここで紹介するほど美味くはない気がする。
 竹の成長速度は非常に速く、これが僅か数日で数メートル級に育つ訳だが、まず新鮮でナマっぽい弾力の柔らかさを残しているぐらいのやつが御飯を炊くには最適なのだ。みずみずしくも神々しく果てしなく美しい内部空間になっており、これこそが極上の香りとなって白御飯に乗り移るのである。
 だが水分が多いので火が通りにくく、燃料となる他の伐採樹木や廃材が大量にあるシチュエーションで、炊飯というより焼却場作業の雰囲気でやれる条件でないとうまく活用できない。
 更に育って叩いてコンコン!ぐらいに乾いて固くなった青竹でも切り倒せば御飯は炊けるっちゃ炊けるが、こちらは火にさらすと時々はじけるので要注意だ。

 さてハンモックの話に戻って、ハンモックを吊るなら乾いて十分固くなった青竹でないと怖い。ハンモックは中央が一番低くなっていて形状の実体が無く、いざ身を預けようとするとどうしていいのか判らない人も多い。
 低い中ほどにまず座って、先に上体をハンモックに沿って倒してしまい、思い切って足の接地を放棄すれば、ぐるりと体重が低い位置に落ちて一気に乗れる。怖がらずに着地点を放棄するところがポイントだ。いっぺん乗っちゃえばもうサイコー!である。

 竹林のハンモックで身体を揺すると、二本の竹のステム同士がおじぎし合って、伐採には最悪だったあのクラウン同士がわっさわっさと音を立てるのだが、あれほど柔軟ながら信頼性高い支持力を私は他に知らない。
 竹の葉と木漏れ日に天上を覆われ、山野の音と風に包まれて寝落ちするひとときは、残念ながら例外なく昼寝の時間帯になってしまうのだけれど、この睡眠環境で一生行けたら人間はどんだけ長生きするのだろうかと思うほど心地良い。大枚はたくグランピングも素敵だけれど、自然が創り出す最高の快適に比べれば、豪華な外食と同様、出遭わないから知らないからといって執着心を燃やすほどのものでは全然ないと思う【1060】

 バカなオトナどもが『どこそこ有名料亭の和牛コースやうんたら一流ホテルの最上階で接待されてああ羨ましい』みたいな話を大好きなのは、要はこれまでの人生の時間をかけて、そいつの存在意義が日本円に金額換算しておいくら、その御利用額をお支払い…程度の価値観で物事が動く世界にしか到達できなかったからだ。あいつより高額のジブンは実力者でエライとか、何でVIPの俺がこのグレードなんだ、とか。
 だから経済が狂う。若いあなたがたは、そんな『哀れ』『惨め』を見憶えておきな。

 そうそう最後に、山野の環境での虫よけには蚊取り線香が最強なのだ。豆知識。
 庭や公園だとそれなりに使えている殺虫剤も空中にあえなく消えていくのみで、正直あっという間に吹き流され無力と化す。実感として蚊取り線香が最もよく効いて、持久性もしっかりあって重宝する。
 電池を入れてどうたらの除虫ツールは、ガチの山野で使い物になった記憶が無い。やはり日本の自然で、古来から重宝され今もポピュラーな伝統的手法というのは、それなりに実力派なのだろう。

 どっかの夏休み企画として、間に合うようなら御飯炊きからでもお試しを。くれぐれの絶対に、この日本列島の山野を荒らしてはならない。頼んだぞ。
 まず美味しい御飯を腹いっぱい食って、精神力と体力と思考力をつけましょうや。
 今夏いきなり試せる人も、当面は計画立案の人も、暑さに負けずグッドラック!
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