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【812】与太話キャスターたちの新旧プロファイリング比べ [ビジネス]

 そう言えば自宅から歩いて5分の神社に恒例の二年参りに出かけると、初詣参拝客の列は例年に勝るとも劣らない長さだったが実にそれだけのそれっきり、すっかり数が減って点々と残る屋台にはどこひとつとして、客がただの一人もいなかった。キリコの絵じゃあるまいし、シュールな光景である。
 ぼちぼちチマタの休暇モードもおしまいか。印象の薄い年末年始だったことよ。

 もっともここ数年お祝い娯楽ムードの正月なんぞ過ごせた試しは無く、まあ今年は当面のところ絶不調の水面下から顔が出てどうにかなり始めた感じだが、一昨年・昨年はすっかり臥せって寝正月ならぬ伸び正月を繰り返していたことに気が付いた。あーそれを思えば、随分と改善してるのか、確かに。

 自覚する限りステロイド離脱症状に季節性はあまり感じられない。だがこの事実を振り返って、年末近くは要注意かも…と結果的に導き出した経験則を書き留めておくことにする。
 ふと知り合いのステロイドユーザーが、『冬になると必ず悪化するんだ』と憂鬱そうに話している姿を思い出した。例えば寒くなると新陳代謝ペースが減速し、一時的に廃棄すべきモノが体内に残りがちになる可能性は十分考えられ、だとすると今まで私が鈍くて気付けなかっただけなのかも知れない。
 こうなる前は、人間もっともっと自分で自分のことが把握できていると信じていたものよ。

 さて、コミュニケーション空間での情報信頼性とおのれを名乗るアカウントについて、最近気付いたことがあるのでこの機会に解説しておこう。
 実は誰あろうこの私も、日常の電子通信文面において、自分の本名をそのまま表記で第一人称に使わないタイプである。いや、だからってまるっきり無関係の架空然としたキャラクター名や、完全に人間性を消して記号然とした文字列IDなんかは使いませんぞ。
 ま、誰が見ても『あ、ヤツだ』と一目瞭然できるレベルのニックネーム表記とする一方、通信文書の最後には、まさに本名フルネームに住所に自宅電話番号まで揃えた署名欄が、自動でぶら下がる設定にしてある。

 そして本文領域は、そうでなければならない特段の別目的でもない限り、思いっきり仕事内容であっても、完全に話し言葉に徹したトーク書き下ろし文章である。ここみたいなもんかな。

 平成の時代が始まってまだ間もない頃のこと。
  『おおい、ちょっと来てくれないか?』
 いま思えば当時は世代交代を早々に見据えたオン・ザ・ジョブ式の社内教育がしっかり根付いていたのか、オフィスに人も減った残業タイムに、管理職席からまだ三十路になるやならずの私に時折声がかかったものだ。
  『これ、どう思う?意見を聞かせてくれ』

 まだ電子メールどころかパソコンという物体がようやくオフィスにちらほら見え始めた時代、社内の文書通信は紙面送付で行われていた。A4版封筒に社内郵便表示のステッカーを貼り付け、『発信部署および発信者』『受信部署および受信者』を記載して、自分の課の社内郵便ポストに放り込んでおけば、女の子が定刻に回収して各部署を巡回し、お届け先まで持って行ってくれるのである。そういえばドラマ『特命係長 只野仁』で永井大さん演じる森脇クンが時々この役やってましたね。あな懐かしや。

 まあいいや、そんな社内郵便の封筒から取り出された手書きの便箋、そこには他部門の役員からの相談ごとが直筆で書かれていた。当時の私の知能は温泉に浸かることを覚えたニホンザル程度のものであり、具体的な内容はさっぱり忘却の彼方なのだが、ひとつ『この自分が読んでも今すぐ解る、完全な対話語調の文章』だったことが鮮烈に記憶に残っている。
 必死で何か少しでも足しにしてもらえそうな回答を取り繕って、あたふたと形だけ答えた。
  『そうか、ありがとう。役員間の通信ってこんな感じなんだ。お・手・紙、ですよ♪』

 …そうか、だいたい大手製造業だと本社部門・開発部門・製造部門・販売部門あたりがあるワケだが、例えば本社の購買から、ドラマなんかでありがちなお仕事メモで
 『開発センター御中 実験統括部長殿。
  原材料費が高騰:昨年比150%、東南アジア拠点の工場稼働率低下:18%、…』
みたいな指標値タグが列挙された式の情報なんぞもらっても、何の役にも立たないのだ。
 だからどうすべきなのか、誰の組織運営の思考判断=情報処理にも連携しないのである。

 『にすちゃん元気?ちょいと助けて欲しい。中国の経済急成長で材料原価が5割増しになりやがって、現地製品が原価割れしたまま取り返しのメドがつかない。インドシナの工場がイマイチ転がってなくてもったいないと聞いてるが、技術屋に入ってもらって製品仕様をアレンジして、そっちに移せないかって思い付いちゃった。向こうの状況聞きたいんだけど、お宅あそこの拠点長と同期だったんじゃね?』
 元の事実文書がここまで崩れていたかどうかは定かでないが、組織運営を前進させる現実解として有効なのは断然こっちだろう。

 この一件をわざわざにまで意識してのことではなかったのだが、その時代を迎え早々に私の電子メールはニックネーム自称+直球口語体がスタンダード形式となった。
 相手の呼称にしても、そのヒト本人のじかの暮らしの管理にまつわる、いわゆる個人情報の領域にさらさら興味なんか無い反面、恐らくは『いっつも一緒にやってくれてる御馴染みのアナタさま、ねえお願い、また御世話にならせてくださいな』の意味合いを籠めてのことだろうが、すぐ勝手にニックネームにしてしまっていると思う。
 これ、『解ってるヤツ』同士は3行のメールでも一通見れば響き合って相手が解るぐらいに日本語の質として、『情報信頼性の保証付きID』となってツーカー機能する流儀だったりする。

 今の賢い若者を見ていると、たまの事件で浅はかな大人どもが知った顔して騒ぎたがる『SNSの危険性』なんぞ当代流・通信文化の本質でも何でもないのだが、そういえば私みたいな昭和のオッサンも彼等と似たようなもんで、ちゃんと解ってるヤツは響いて解ってるんだよなと気が付いたのだ。あ、でもカタチだけ他人様を真似しようとして中身まで真似できるものでもないので、生兵法は禁物ですぞ【581】

 あなたの職場で流通する通信文は、どんな書式でしょうか。仕事始めで確認してみては?
 それではハイ、今年も正月オワリっと!
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