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【595】怒髪逆行テクノロジーの共済費 [ビジネス]

 いよいよ師走も中盤に差し掛かろうとしている。
 遂にというか実にここまで、公共言論の場で軽減税率が話題にされることは無かった。

 ソーリ世襲のチロくんも怖い怖い年長さんに口止めされたのだろう、あっけなく手懐けられて従順なことには、見ていて脱力するしかない。まだ若いのに大したイケメンのホープくんだよ。
 もっとも軽減税率をやったらやったで、公務員ことさら還暦公務員はベーシック・インカム受給の真反対側に立つことになる、この原理的事実は動きようがないんだが。

 繰り返すがカネというのは、関係者の世界観で限られた流通空間において、そこでの交換レートが正確に共有されていなければ機能しない。交換経路の途中で、何の役にも立たない嫌なヤツが割り込んで来てネコババするようなことであれば、関係者たちはそのカネを放棄して仮想通貨などの代替案に移行するのが当然のなりゆきだ【587】

 ビットコインは、言ってしまえばそこらの勝手な自由参加の同好会の中でのみ通用する仮想通貨であり、日本円の銀行預金のような法的保護の対象ではない。ある日サイバー攻撃の対象にされ、その数値をぐちゃぐちゃに操作されて価値喪失したらそれっきりである。そのリスクは確かにある。
 だが法的保護された日本円は、それで何か経済活動を行うたび、いつ何時にか納得の行かない用途に垂れ流されることを『合法だから』と泣く泣く承知せねばならないかも知れない。これはこれで更なる大きなリスクという考え方があって、何らおかしくない。

 インターネットを介して何でも起こってしまうこの時代だからこそ、むしろアナログ管理の価値交換もどんどん増えてくるように思う。
 魚と野菜の交換を例にしてカネの発生起源の話をしたが【246】、お互いが裏切らない仲良し同士なら『こないだアレもらったよね』『いついつにはコレが欲しいな』みたいな覚え書き共有メモがあればカネなんかなくても事足りる。双方で暗号を決めれば守秘も完璧である。
 アナログメモは経時劣化で故障することもなければ、バッテリー切れで内容が確認できないというトラブルも無い。そもそもスマホやPCなど通信機器を購入する必要も、回線業者と使用契約を結ぶ必要も、毎月の使用料を支払う必要も無くなる。
 全ては無いなら無いでその生活が始まるだけ、慣れてしまえばそれきりだ。

 一気に完全な脱デジタルまで行かなくとも、例えば単身世帯が集まったシェアハウスの進化型として、キッチンやトイレにリビングのみならず家電製品や自家用車まで皆で器用に共有しながら暮らす、ネオ長屋みたいな共同住宅形式が出現するかも知れない。
 自家用車なんかは、稼動管理のスケジューラーアプリを入居者全員で共有し、車に自分ちのUSBメモリーを差し込めば自動的に運転席の自分用セッティングが決まり、各入居者の使用履歴がブロックチェーンでクラウド上に残っていくとか、また一人が使用中に別の誰かが緊急要請となった折には、AIが稼動中の車の使用現況を鑑みて適宜近所の別長屋の待機車輌を当たりにかかるとか、利便性を工夫する余地はいくらでもありそうだ。
 あ!スマホ持ってりゃUSBメモリーも要らないのか。まあいいや。
 コインランドリーなんか既にユーザー認識でお任せ運転モードや施錠・解錠までやってしまう機種が実用化されており、大量の洗濯物を短時間に乾燥まで一気に片付けるなら、巧みなシェアリングでこっちの方が自宅自前より優位になる可能性は十分にある。

 デジタル全盛…というか、これ以上のデジタル進化もまだまだありそうに見える今日の日本社会だが、だからといって無条件で薄らぼんやりこの延長傾向が続くと考えるのもアタマ悪過ぎである。
  『こんな馬鹿馬鹿しい税金だけは、何としても払いたくない』
 あからさまな税制のアンフェアに対する険悪な抵抗感は、これまでに無かった新次元の動機で経済生活の平均像を動かすだろう。
 今どちらかというと『払いたくない』というより『払えない』の方が実情なのだが、そしてデジタル文化生活の先進的で華やかな印象により判りにくくはなっているのだが、もうかなり以前から、人々は人生を過ごす時間の中で、実質的にカネ絡みの生活を縮小し続けている。
 もう一段階これが進展するだけのハナシだ。『不便だろ、あり得ない』と思うのは勝手だが…

 その初期投資額やランニングコストを、恐らく『連綿と続く税務システム総収支の中の1アイテム』扱いにし、過去から将来に伸びる税務年表の全景に溶かし込んだことにして黙っているのだろうが、軽減税率にかかる新規発生費用はどう考えても莫大だけでは済まない規模のものだ【349】【431】
 にも関わらず初期投資いくら、ランニングコストいくらの話題なんぞ、数年前の過去にまで遡って一度たりとも耳にしたことがない。
 …っちゅうか以前はメッチャクチャな政策でも強行前提で偉そうにふんぞり返って豪語しまくっていた政治家どもが、ここ最近は軽減税率に限らずすっかり出不精の口数少なになりおって、これじゃ国民の理解を得た政策の遂行も何もあったもんじゃないと思うぞ。
 『知る権利』はどうしてくれる?シンシでテーネー、一回とぼけて御破算じゃないんだがよ。

 若者たち、軽減税率の論議がいつどんな形で開示されるのか、よく見ておけよ。
 録画ファイルは内容を忘れてしまうとオシマイで、開かないままお蔵入りになる結末が見えてるから、ちょっとしたレポート用紙や雑記帳なんかにでも書き留めて、そこらの見やすいところにでも置いときな。その方が『生きた情報』になる確率が高い。

 10年を待たずにあなたがたが、間違いなく現状に処置を下す側の立場になっている。
 その時の準備を抜からないよう意識しながら、ついて来いよ!
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