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【83】中国食品騒動の真犯人 [ビジネス]

 中国製食品による相次ぐ食中毒の発生、さらに農薬の検出で食品業界に激震が走った。
 野菜に付着した残留農薬にしてはあまりに高濃度、工程で混入した可能性が高いとのこと。
 受注先を失い立ち行かなくなった日本の業者の仕業かとも思ったが、当面のところ包装に異常は見られないという。

 各地の小売業者や飲食チェーン店が中国製食品の排除に動き出した。
 ただでさえ食品値上げラッシュの時期だというのに、これでは今後ますますエンゲル係数が上がってしまう。勘弁してよと泣き言も出そうなところだが、ちょっと待て。

 一昔前なら、主婦は肉を肉屋で買い、野菜を八百屋で買い、台所で具を皮に包んで餃子を作るのが常識であった。
 『冷凍食品が夕食のおかず』なんていうのは、料理のできない駄目オンナを侮蔑する言葉だったはずだ。今回のようなパニックなど起こり得なかったのである。
 屠殺場で肉をさばく役目も、畑で野菜を作る役目も、それらを店頭に並べ金銭と交換する役目も、嫌がって人任せにした結果、他人事として包装された食品を受け入れざるを得なくなった。
 安価で誰かが請け負うからといって、後先考えずに安くて楽な方向に走ったらこうなるのは当然だ。何のことはない、自業自得ではないか。食べ物の値段も昔の水準に戻る方向であろう。

 洋菓子メーカーの不正が発覚した時も、例によってニュースワイドショーの司会者が
  『信頼していた老舗のブランドは利益のために我々を裏切っていました』
  『我々はいったい、何を信用すればいいのでしょうか』
 などと世論を傘に着たような軽口を叩いていたが、本当にメーカーを糾弾する世論があったとして、その主はメーカーにとって信頼のおけるユーザーだったのか。
 隣にちょっと見慣れぬ安い商品が並び、一度試して味が及第点だとわかった途端、
  『だって、こっちの方が安くて美味しいんだも~ん』
 の一言で平然と鞍替えするような人間に、信頼していただの裏切られただの言う権利はない。

 お客様は神さまではない。
 商品に表示価格なりの価値を見出して、納得の上で金銭と交換するだけのこと、売り手と買い手は求め合い感謝し合う五分五分の関係にあるのだ。
 違法行為がよくないのは間違いないが、よく確かめもせず目先の自己都合で相手をないがしろにするような人間が、被害者ヅラで正義や信用を訴え人を責めるというのも、負けず劣らず相当によくない。

 もう、いいではないか。くだらない贅沢とだらけが過ぎているのである。
 子供に携帯電話を持たせる金はあるんだし、海外旅行に出かける金だってある。分不相応な家のローンもおのれの身の程知らずと観念すべきだ。週休二日なら家族で餃子を作る時間ぐらい何とかなるだろう。
 一度、だらしなく体重を預けたものから離れて、大企業から家庭まで、日本が何をせねばならないのか考え直すのに良い機会なのではなかろうか。


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