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【605】情報大海原の日本沈没 [ビジネス]

 ここ数年やたらに長く伸びていた眉毛が短くなったのを見るに、体組織の更新プログラムが変わりつつあるようだ。ともあれ不便なので早く過ぎて欲しい。
 粒子っぽいのが頭の中心から身体の厚みを通過して行く過程が判るんだもん、ヤだねえ。

 さて、流通する情報に制限のかけようが無いこの現代社会で、階層構造モデルは成立し得ないというところまでであった。『情報』は、受信者がそれを信用して理解し、そこに籠められた意図に沿って行動を起こしてくれない限り何の意味も無く、ただのムダ放言に終わる。
 自組織を運用するための組織内の情報伝達プロセスにとって、現代社会に拡がる大容量の高速通信網は手強く、要は昔のやり方で組織を動かそうと誰がどこから情報発信しようが、一般世間空間の情報力が強すぎて勝てないということだ。

 昔と違って多くの情報が次々と手に入り、何事も『今この瞬間を過ごすだけなら、現実ベースでどうにかなってしまう』恵まれた現代社会。
 自組織を動かそうと何か発信したとして、そこにしょうもない間違いやボロい未熟さが見えた途端に、相手にする価値ナシと判定され無視される。他にすることの無かった昔なら『ダメ出しだけじゃみんな困るし、これもうまく行ってる方が良いんだろうから』と目をつぶって馴れ合いで許してもらえた能力不足も、今日においては容赦なく見捨てられ人々が離れていく。

 誰の目にも自明になるよう収益性の確証取りに気を遣えなかった東京五輪は、この期に及んでなお日本社会にそっぽを向かれ続けているし、マイナンバーとやらも本来なら利便性・必要性の理解も得られたはずなのに、今もって誰もまともに取り合おうとしないでしょうが。
 日本社会の手厚さ寛大さにつけ込み、調子に乗って日本社会をバカにした愚政ばかり繰り返した結果、『困った時はお互いさま』の良心が期待できない厳しい世の中になったのだと思う。
 何しろフツーに真面目に頑張ったとしても、現状維持だけでは魅力を保てず発散と崩壊の末路が待つタイヘンな時代になっているのだから。

 いつだっけか世襲のガキが『国民の皆さまに、ケンキョに、シンシでテーネーなゴセツメーを云々…』とか抜かしたろう。あれを慇懃無礼という。『いんぎんぶれい』と読みます。
 相手を持ち上げ、自分が素朴かつ神妙に接しようとする態度の表明ではあるワケだが、御存知の通り内心は真反対だ。かつて責任者だリーダーだと自称で口を滑らせたあたりに、その本性が垣間見えていた。
 傲慢で相手を見下したヤツが異常なまでに丁寧を装うさま、これが慇懃無礼である。

 支配者であるオレさまがいろいろと国の面倒を見てやっているのだから、たかがガッコ汚職ぐらい黙って無かったことにしろよ。このオレさまが、お前ら下々にこんな丁寧なコトバ使ってやってんだからよー。
 そおそ、改憲の歴史的名声をオレさまががめるためにも、ここはコトバだけでも下々をヨイショしとかないとな♪

 心の内は、せいぜいこんなところに違いない。次の通常国会の会期中も、国外逃亡してほとぼりを冷ます作戦で布石を打ち始めているらしいから、今時これで済むとでもまだ思っているのだろう。絶望的な能力不足である。
 ガッコ汚職の顛末について解説十分と判定するのも、それが叶ったとして改憲の旗振り役として容認するのも、日本社会組織の自我だ。主権在民というだろうが。

 昨年末、役人組織の言いなりに衆議院を解散し、代替案となる選択肢が存在しなかったため、目論見通りの与党再選となった。
 だがここで『ウッシッシ、これで役人と政治家の間で好きなコトを好きなように決めれば、誰が何と言おうと日本社会は意のままに隷従せざるを得ない。多数決議会制の現代法治国家だからな』などと思い込んだところに大きな見込み違いがあるのだろう。
 日本社会組織の自我は『代替案が無いんだからコイツらに任せるしかない。諦めよう』ではなく、『イヤなものはイヤ、コイツらもイヤ』で受容れを放棄し、社会の仕組みが解ナシで機能停止する道を選ぶ。ただ発散してそれっきり、悪だくみはやり散らかしの断片だけを点々と残すのみの結末となる。

 もう社会は自傷の損害さえ厭わなければ、気が向かない指示情報に対して拒否権を行使できることに気付いてしまっているのである。

 組織を組んで機能させたければ、まず情報戦を勝ち抜かねばならない時代なのだ。
 そして、あらゆる情報に溢れたこの時代だからこそ、質の高い情報のありかに受信者が自ら狙って接続しに来る作業により、情報戦の勝率が稼げるという行きがかりになる。

 ここで組織運営ポストの役回りが、権力やステイタスなんかから切り離されると気付いたアナタは正解である。
 上に立ちたい下衆にリーダーは務まらない。前に引張りたい役だからリーダーと呼ぶのだ。
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