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【780】1億総活躍の政府公認バトル・ロワイヤル [ビジネス]

 千葉の大停電による被害が長引いているようだ。真夏は過ぎたがまだまだ暑いし、飲食料もすぐ傷むし、とにかく何をするにも『きれいな水』と『低温』の確保が前提となる事態だが、それを含めたライフラインのカナメ=オオヤケ電気がいかれているというのが致命的にツラい。
 頑張れ、頑張れ。

 もう処分してしまった納戸が、かつて雨漏りして慌てて屋根を修理したものである【291】
 発見が早かったので漏った雨水が落ちたところの畳を上げて乾かすだけで済んだのだが、対候性の無い屋内構造部が雨風にさらされると、家屋は手の付けられない傷み方が進む。水は重力に引かれるまま落ちて拡がりあらゆる隙間に染み込んでいくし、ひらけた自由空間では気持ち良く吹き渡る風も閉空間に吹き込むと、風圧が天井面や壁面で掛け算され面積全体で押すから、その想定外の力が見える部位・見えない部位を見境なく圧し壊していく。
 もう時計の針と分刻みの競争であり、手早く損傷の実態を確認したら、水分を完全に飛ばしてソッコーで復旧の恒久修理を済ましてしまわねばならないのだ。ブルーシートの応急処置は、遮音・遮熱の快適性が損なわれて不便なだけに留まっておらず、みるみる周囲の残構造に二次被害が拡がっていく。
 どんな算出法かはともかく、被災直後に損害額おいくらと出した数字が、あっという間に何倍単位の勢いで嵩んでいくのだ。とにかく全てを後回しにして修理作業を急ぎたいところだが、水も飲食料も衛生も涼感確保もままならないとなると、力尽きての中断が怖くてとても手が出せない。
 そしてこの季節、大雨も強風も次やその次がすぐの繰返しで襲って来るのは、日本列島に暮らす日本人なら考えなくとも判るだろう。このままでは打つ手なしの絶体絶命である。

 いつもはすぐ起動する『災害対策本部』の報道が、今般に限って全く無いのは何故だ?
 この日本社会には取るに足らないかすり傷のようなものだから放っておいて構わない。もっと重要な、どうしても譲れない国力投入の必須課題がある…ってことだろうか。
 今年だけでもこの房総半島のみならず四国や九州で大規模災害が起きており、日本中に困って泣いている仲間たちがたくさんいる。いっぽう経済は世界的に鈍化と混乱の方向性が露わになっており、日本国としては国内生産力を温存・保護するため、余計な経済負荷は徹底して抑えにかかるのが必然の道理だ。

 即効性・確実性を期待できるその現実解は、いま一部の政治権力が、勝手に日本社会全体への適用を決めたことにしてしまっている、何の国益があるのか誰も理解できないし誰にも説明されていない、不可解極まる税制の改変をやめることである。

 よく『大規模組織は、すぐには変われない』と言われる。確かに『組織の自我』を成す要素はその構成員ひとりひとりの個人の自我であり、大勢いるほど変わらなければならない要素の数が多くなるのだから、一般論としてそれは正しい。
 だが逆に、いかに大勢であろうとも、その全員が『変わろう、変えよう』と一斉に方針転換するならば、今度は現状維持で置いておきたくとも置いておけないケースが発生することを忘れてはならない。
 ではナニガシかの方向性を目標に持ち、それを現実化しようとする意志が大規模組織の中にあったとして、いつ何が叶えば『意図した方向に自組織の自我が向いた』というガチンコ真実がついてくるのだろうか?

 各種スポーツや囲碁・将棋などの対戦ゲームにおいては、『ナニナニがコレコレとなったら得点いくつとする』のような、戦局をスコア換算するルールが設定されている。プレイヤーは、自らの戦意や勝算とは無関係に、そのルールに準じてスコア値を獲得し、このスコア値が観客まで含めたその場の社会組織全体の勝敗パワー比共通認識となるところがポイントである。
 そうやって積極的に優劣や勝敗を断じない限り、ゲームの解釈が決まらないのだ。
 考えてみりゃそうだよな、将棋で王将の駒を取られたからって、飛車・角や桂馬・香車など残っている限りゲーム続行は可能だ。むしろ戦時中の日本国は『歩兵ひと駒になっても、突合せた敵の王将は食えるはず』というコンセプトで国民の参戦意識を鼓舞していた【771】

 裏返せば、あれこれ過去の経緯を経てそれなりに組織の方針決定プロセスが定着していたとしても、所詮はその場に暮らす人々本人たちが本気の本気で『それは違う、実はこうだ!』と声を揃えればどうにでも変動する、『決め事=共有情報』の効力の程度問題でしかない。
 つまるところ社会組織の自我がガッチガチの現実感をもって稼動方針を決心し自身の腑に落ちて、それが本当に現実社会でコトとして流れるような、そんな因果が成立しない限りは何も起こらないということだ。泣こうが喚こうが、何も起こりようが無いのである。

 ひとつ確実なのは、『そもそもから成立していない=実現不可能な税制改変を現状ママで10月初日まで放置して、ハイ期日到来・勝負あった!でその通りに成立させること』なんていう想定は、物事の道理としてあり得ないということだ。
 日本経済の全域で『こんなもの、手が無い』の白旗と、『こんなもの、今すぐやめろ』の非難ゴウゴウが渦巻くばかり、処置ナシで今以上の大混乱に陥るだろう。世界経済の減速を背景に、日本経済だけが更なる自爆自沈の独り負け状態となるのは必至である。

 繰り返すが、9月30日深夜であっても
  『予想される経済不具合が甚大過ぎると判明したので、税制は現状で据え置きます』
と公表すれば、日本経済の現場隅々までが一斉の一瞬に『ああ良かった、直ちにそうします』で落ち着く。
 今ここを御覧いただいている方々には、実感もって頷いていただいているのではなかろうか。1億2千万人巨大組織の自我のありかを皆さま御自身が自然に率直に感じ取っていて、その直感と実感に逆らわない現実的な選択肢として響いているためである。

 まるで『議決の儀式』をもって日本国社会の世論にウムを言わせぬ勝利でもしたかのつもりで、一方的に期日設定した10月初日まで意地の張り合いを押し切れば、1億2千万組織が負けを認めて諦める…とでも勘違いしているように見えて仕方がない。つくづく人さまの制御というのは、組織マネジメントというのは、そういうモノではないのだ。
 千葉の被災地を私利都合に切り捨て、嬉しそうにあほヅラ並べたひな壇の光景を眺め直して、これが自爆テロ非国民政権のスコア何点なのか、その得点で何を相手に勝ったのか御一考いただきたい。

 夢洲人工島には世界一のカジノIRを作って、ガンガン売上額を計上したいところだ。
 その数値は、国内外にガチの勝ち点として作用するからである。大阪の成長を止めるな。
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