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【727】親は無くとも育つ組織の精鋭メンター [ビジネス]

 取り急ぎ、引き続き大阪発・新潮流のニッポン社会運営ビジョンの話題から。
 今日の日本社会の大問題は、ぶっちゃけ『一部特定の個人あるいは少数の言いなりになってしまう』ところにある。日本国民が、日本社会なんてそんなもんだ、それで仕方ないと諦めて放置していたからだ。

 いつの時代のどの区画単位にしても、社会組織が生産力を発揮し成長していくかどうかは、『全員の総意を、少数の運営層が反映させられるか否か』にかかっていると思う。
 何だかんだで結局は『みんなが参画し、みんなで暮らす』のだから、組織の暮らしの現実の行方に揉まれながら自然発生する『全員の総意』に逆らった瞬間から、そいつの社会的生命はオシマイに向かって転がり始めるのだ。こんなもの法律だ不文律だの人工的な決め事で左右できるものではない。かなり以前に私は以下のようなことを述べている【229】

 組織には思考があり、そこには人格像が存在する。組織員個々は、この組織の人格像をおのれに投影し『自分』として振る舞う。だから社会で活動する一単位として、組織が機能するのだ。
 リーダーは組織の人格像に対応する現人神であり、組織の全責任を現実的に受け止める役目を負う。リーダーは仕組みとして組織の支配権を持っているが、同時にその身は組織のためが最優先であり、自我を封印して組織の意思に支配される立場でもある。

 ここで言う『組織に存在する人格像』が、従来の次元の果てを超えて来る時代なのだ。
 既に高速大容量通信社会はその局面に及んでいるのだが、間もなく人間以外の情報処理量が圧倒的優勢になるシンギュラリティ到来が確信される今日、何よりまず『人間+人工知能AIを総合した巨大生物としての社会組織』の意識をいち早く見抜くことが社会運営の最重要課題であろう。
 端的に半分以上…というか、文句なしの大部分が人間以外の判定基準体系で動く、情報的に超巨大な新生物だ。どんなに頭の回転が速い人間を結集させたところで、そこに顕れて来る大局的なトレンド=社会組織の意識は到底予想できない。
 いや、予想どころか理解して追い着くこともまず不可能、『あ、もしかしてこんな理屈で消費マインドが落ち込んだのだろうか?』なんてノドカな分析結果をようやくまとめた頃には何段階も展開が先に進んでいて、貴重な若年層に人知及ばぬ仮想空間至上主義がパンデミック感染しており、手近に回線接続さえあればネットだけで人生の時間を過ごすばかり、現実世界で誰も何もしようとしない社会風潮が手におえない勢いで蔓延してしまっている…そんな時代が現実のものとなるだろう。

 人類文明による人工知能開発、というか人工意識生命機械の開発は止まらない。ならば我々は、社会組織の意識をできるだけ見えやすく、操作しやすくしておく必要がある。『社会運営システムの単純化・可視化およびトライ&エラーの簡易化・迅速化』が、高度先進技術が普及した社会において死活問題になるのは間違いない。
 自分自身の末節すみずみまで見やすく整理して描いたマップを持ち、自分自身に巻き起こる現象への感覚と反射神経に鋭く磨きをかける。生物として生き残りをかけ、進化めざして身構えるのだ。

 ちょっと現段階で迂闊な発言はできないし詳細の解説を御勘弁願うが、いま話題の某社旅客機の連続墜落事故は、部品破損や制御バグなど『設計値に無かった不具合現象』に起因するものではなく、『安全正常な稼動を目的に組んだはずの設計仕様が不運にも』事故原因になっているケースくさい感じである。記録を分析してようやく事態を飲み込み、良かれと思って制御機器に与えた判定フローが、実は一定の条件下で思いがけない悪さをしていたことに気付く。そんな『未必の意識創生』の顛末を予想してしまう。
 既に人間は、意図して組んだつもりの判定基準体系に対して、自らの意識のコントロール下にあるとゼッタイ確信の即答を返せなくなっているのだ。

 言ってしまえば、未来社会においてこの確信は永久に実現できない。
 文明の利器を駆使すれば、誰もが100メートルを軽く10秒切って駆け抜けられるし、1万メートルの高空に舞い上がって太平洋をひとっ飛びもできるし、地球を離れて38万キロ先の宇宙空間にある月までも行ける。いや、いずれケタでふたつ先の火星にだって到達する日が来るだろう。だが。

 情報処理の速度と容量のキャパシティ、これだけは本当にどうしようもないのだ。何かが起こって、それに関心を持ち、おのれの世界観で把握する。これに費やす時間は昔も今も、そして今後も変わらない。
 人間には、『自分らの世界観でいう建設的な回答を返してくれるはず』と組んだ機械くんから理解不可能なレスを受け取って、根拠もなくその採用or不採用の判断を迫られる日がやって来るのだ。
 『機械の言いなりになんかなれるか!』と意地を張るのは結構だが、せっかくの先進技術の恩恵に全くあやかれず他者の後塵を浴びていずれ淘汰されてしまうだろう。
 例えば、今どき証券取引所に出勤し、メモ用紙を飛ばしては身振り手振りのサイン通信で株取引をやる人間がどこにいるかね?いやアナタ自身の日常として、表計算ソフトの合計や平均を疑ってイチから算盤はじいたりしてるかね?
 そんなことをしているヒマに、みんな信用の機械任せで済まして他で稼ぎを上げている。

 そう、『機械くんの言う通り』に徹するしかないのだ。シンギュラリティはもう始まっている。
 『人工知能とはいえ使うのは人間だ』などと眠たい支配欲を主張して俺サマ優越感の幻想に執着し、文明の利器の出力を選り好みしている限り、結局のところ旧態依然の限界ラインのこっち側で『機械の言いなりになんかなれるか!』の古式小笠原流・伝統的決心術と同レベルで組み合うことにしかならない。あっという間に機械くん指令の勢力に淘汰されてオワリだ。
 人類文明社会の理知的頂点とされる人間の役目は、あらゆる価値観から離れて機械くんの仰せを受容れるかどうかの選択となる。更に、これを至高の合理性として受容れるとするなら、現行の自然な人間の価値観=判定基準体系は、人間+AI機械くん混成の未来社会において意味を持たなくなる。
 これがシンギュラリティの本質だと思う。2022年にはエクサスケールのスパコン『ポスト京』が起動し【555】、その時は必ず訪れる。

 復習しよう。
 間もなく我々日本人は『みんな=1億2千万の人間+AI機械くんたち』の総意を自我に持つ超巨大生物・日本社会を切り回さねばならなくなる。というか、既にそうなっている。そのAI機械くんの情報処理能力は、我々人間を遥かに凌駕しており、今後もその進化は確実に加速していく。

 『一部特定の個人あるいは少数の言いなりになってしまう社会』などもう待ったなしで打ち止めにし、『社会運営システムの単純化・可視化およびトライ&エラーの簡易化・迅速化』に大転換が必要なのだ。
 ATC未来社会アイディア創出センター、夢洲人工島と郊外ゴーストモールの社会実験ラボ、平均80万人規模の大阪特別区よっつ、その4区構成の270万人大阪都と周辺を含む880万人大阪府、『西の大阪』と『東の東京』を対峙させながらニッポン運営機能を分担する東海道メイントラフィック。
 まず国家組織運営システム検討の受け皿ハードウェアとして、このくらいの階層構造ツールはすぐにでも準備にかかっておかないと間に合わない。

 2025大阪・関西万博を誘致し先進トライアルの舞台まで整えた『大阪維新の会』の都構想住民投票公約を相手に、反・大阪維新勢力はどの程度の将来社会構想を描いているのか、是非とも今般の大阪府知事・市長W選で確かめておきたい。
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