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【726】上方ブレークスルー第二幕の開演チャイム [ビジネス]

 こないだ未来志向の話題をハンパにやり損なったので、ここで刈り取りをしておこう。
 ちょうど大阪でまた時代変化点の動きが出て来たからである。いま松井大阪府知事と吉村大阪市長の二人が大阪府市政を切り回しているのだが、この二人が先週辞職した上で、入れ替わって『松井大阪市長候補』と『吉村大阪府知事候補』となり、改めて選挙を実施して再選を狙うというものだ。

 先に結論から。
 この二人は『大阪都構想・特別4区再編案』の牽引役であり、この政策は日本社会の政治形態の定義を原理レベルから大転換する可能性を秘めていると、私は見込んでいる【697】
 その背景にあるのは大阪府議会・市議会の両方で第一党を占める『大阪維新の会』の政治思想であり、『大阪府・大阪市で効率的に機能分担して府市民の生活を向上する』という目的が合理的に設定され行政チャレンジの目標アイテムとなり、いま都構想の準備段階でその実績が上がっているのだと見受ける。
 今般のダブル選に終わらず、ここでは『大阪都構想・特別4区再編案』の支持を続けると共に、これを基軸とした未来社会の具体化構想を、組織論・技術論などあらゆる面から随時に紹介して行こうと思う。

 発足当初の橋下政権まで含めて、人気のあったあの人だから味方するとか、たまたま今が調子良さげからその先を期待するとかでは毛頭ない。『人間の集団が、その総意をもって自分たち自身の生活を決めていく』という自然な生命力のセンスが感じられるのだ。
 どんなに計算処理ツールが発達しようとも、昔も今も人間が良い悪いの判断をもって、理屈立てて改善の手順を捌き切れる情報量には限界があり、例えば大阪市270万人組織だとくくりがデカ過ぎてナニがナンだかよく判らない【7】
 端っこと端っこで事情が違い過ぎて、『大阪市としてココをこう良くするために、こうしよう!』と簡潔に話がまとまらないのだ。だからこの全貌の掴めない化け物を大きく切り分け、270万÷4区=70万人弱の特別区よっつにくくり直して、『淀川と万博ウォーターフロントの区』『大阪キタから大阪城や花博会場の区』…などなど、各区が持つ特色に応じて独自の議会よっつを設置する。これが『大阪都構想・特別4区再編案』である。
 理に適っていて、よっつの区議会が自分たちの自画像と立ち位置を明確に意識しながら、各々勝算高い独自の区政を決めていけるはずだ。

 かつては『くくりがでか過ぎてナニがナンだか判らない』が故に予算管理の判断が甘くなり、いくらでも使い放題で税金を投入して、大阪府vs大阪市の公務員勝ち負けバトルで無駄な公共事業を乱発していた。当然、高額事業の発注先を巡って大阪全域が利権の温床になるのが解ると思う。
 まず、この『ナニがナンだか判らない』を切り分けて『お手頃サイズでワケ判る』にするのが大阪都構想・特別4区再編案であると理解しよう。住民にもわかりやすくなったぶん区政に関心も高くなり、みんなの問題意識で参画し、みんなの知恵を反映して生活空間を改善していくことができる。

 だからだが、大阪府市が公務員キャリアの怨念を賭けて火花を散らし合う中【647】【648】、巨大すぎる270万市政の多数決議会に紛れて【687】利権絡みの予算費目をザル通しにし、関係者ウチワで税金資本にたかっていた奴等がわんさかいる。こいつらにとっては、大阪都構想・特別4区再編案で『わかる行政』を将来にわたって確定されちゃ困るってことだな。
 橋下政権時代、『大阪都構想、わからない、わからない』と頭ごなしに繰り返し、『よくわからない大阪行政』について、考える前から理解を諦めさせる小細工は定番であった。
 その種明かしは上記の通りであり、利権の旨味を持って行かれる反・大阪維新勢力の議員どもはともかく、一応中立がタテマエのマスコミ露出で『大阪都構想、わからない』を口走る手合いを見つけたら、後に続くその発言の根拠をきっちり聞いて確かめてやるがよろしい。

 電光石火の頭の回転で臨機応変にやれていた橋下さんのプレゼ能力に比べれば、誰を引張って来ても見劣りはしてしまうのだが、それにしても損をし過ぎている感のある松井・吉村コンビなので、この知事・市長入れ替わりダブル選GO判断に関して少々解説を入れておこう。

 端的に、『大阪都構想・特別4区再編案』をきちんと住民投票にかけ可決した上で、その実現に向かって進む道はこれしかなく、妥当かつ正しい判断である。

 前回4年前のダブル選では松井知事と吉村市長が圧勝した。ビフォー大阪維新時代の大阪利権政治が、府市民に否定されたからだ【412】
 この時点で大阪府議会・大阪市議会ともに議席数の第一党は大阪維新の会だったが、過半数には到達できていなかったのである。ここに常套戦法で、ナントカ学会ゲタ政党が文字通り議席数にゲタを履かせ過半数を成立させる形で懐柔して来て、大阪地方議会は『大阪維新の会+ナントカ学会ゲタ政党』の連立与党体制となった。
 ゲタ政党は形だけ与党の立ち位置を手に入れたものの、大阪都構想・特別4区再編案には協力したくない。予想通り反・大阪維新勢力が束になって大阪都構想の議論開始になりふり構わず抵抗するのだが、さてナントカ学会ゲタ与党はどうしたか?

 『特別区設置協議会を置いて議論を詰め、松井知事・吉村市長の任期中に住民投票まで実施する。この可決に協力する』と文書で約束まで交わしてウソをついた。社会人としてあるまじき行為である。
 手強い橋下さんも政界を離れているし、いざタイムリミットが来てとぼけ通して大阪維新が折れてしまえば『ほ~ら本気じゃなかった、維新政治はオワリだ』とでも吹聴して回るネタにもできると当て込んだのか。

 つまり前回のダブル選での公約を守って大阪都構想を実現に向けて進めるには、松井・吉村コンビが延命して今後の手を打たねばならない。
 松井・吉村コンビは今年の秋までが任期なので、二人が席替えクロスでお互い新たに知事と市長の座につけば、そこからまた4年の任期が始まる。それを狙うのである。
 なお企業の製品開発部門においても、設計部署と実験部署での教育ローテーションはごく自然に行われる人事であり、もちろん対をなして業務を進めるにあたり相互理解を深め業務の効率的連携を図る目的だ。有効な一般解なので、『ただの席替えに意味は無い』と言いたがるシロートさんには教えて差し上げていただきたい。

 この一件、ナントカ学会ゲタ与党は確かに社会人として…というか人間としてあり得ないレベルの品の無いルール違反であり、大阪維新がカッカ来るのはよく解るのだが、何しろ怒りの光景はパッと見の映像として誤解されやすい。
 ま、場は荒らさないに越したことがないってことで、着実・冷徹がイチバンである。

 おっと、タイヘンに中途半端なところで切れてしまうが、この大阪ダブル選はニッポン政治の将来に大きく影響すると見ているので、取り急ぎ言及しておいた。積もるハナシは次回以降に送りだな、こりゃ。
 いま国会で自爆テロ非国民政権を相手に頑張ってくれている野党たちだが、こと大阪地方議会においては、この新進気鋭の大阪維新に対して筋も理屈もない頽廃的な抵抗を繰り返している事実が惜しい。
 ともあれ国会は国会で、引き続き自爆テロ非国民政党の追及を着実に頼む、野党たち!
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