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【707】逆転祈念の謹賀新年 [ビジネス]

 明けましておめでとうございます。本年も御愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
 一応まだ三が日の最終夜だし、夢のあるハナシをしようってことで夢洲の話を続ける。

 2025万博構想図を見ると海側に大きな内海の親水ビーチ(?)が描かれており、いっぽう現状の航空写真に目を移すと、この部分は恐らく地盤沈下による低湿地だ。よってホバークラフトの海上アクセスには工事も楽々、申し分ない。
 モーターとバッテリーの小型軽量化が進んだお陰でドローンなんか実に軽快に飛び回ってくれるが、やはり鉛直下向きの推力で空中浮揚するのはボロボロにエネルギーを喰うので、どうしてもの理由でも無ければ、輸送機械としてはキホンやらないのが正解だ。どうにでも散ってしまう空気相手に体重の維持を踏ん張るのは極めて効率が悪いからである。
 だがホバークラフトの場合、スカートで船体底面に閉空間を作って内圧を上げ、僅かな浮上代でコト足りるため、この問題が解決される。飛び上がったにしても、数~十数メートルの高度なら『地面効果』『対地効果』と呼ばれる地面相手の踏ん張りが効くので、随分と効率が良い。

 そうだな、百均で買ってきたミニ扇風機なんか机の上に転がってたりしないだろうか。電源は家庭用100vでもUSBでも乾電池でも結構だ。例えばこれを地面に伏せて寝かせ、スイッチを入れたところで送風により扇風機が起き上がったり、よもや飛び上がったりはしない。
 だがファンの部分をお菓子の丸箱の底を抜いたりなんかしたやつで囲って『送風ダクト』にし、これを手近な箱の蓋に丸孔あけて突き立ててやると、にわかホバークラフトの完成である。重心が偏らないよう真ん中に持ってきてやる工夫は必要だが、かなりテキトーに作ってもちゃんと浮いてくれるはずだ。

 小学生時代の私の場合、スーパーで売っている肉の発泡スチロールトレイに穴をあけ、アイスクリームの容器と模型用のモーター、あと当時は数十円で買えた樹脂製の3翅プロペラを組み合わせ、1.5v乾電池2本の電池ボックスを手に持つ有線式にして犬のお散歩よろしく連れ歩くスタイルの作品であった。
 こんなものでも軽く5ミリ以上は浮上して水上走行も難なくOKである。工作の得意な人は、プラスチックごみの日にでも近所で丈夫な空気枕型の緩衝材をかっぱらってきて切り貼りし、スカートを作ってみるがよろしい。
 エネルギー消費を抑えながら対地摩擦を激減させる技術として実はポピュラーなものであり、平滑な床面上で重量物を自在に移動させられるツールとして市販されていたりもする。案外とフツーの技術なのである。

 では自動車の方はどうしようか。自動車はそもそも走るモノだから、これをわざわざ飛ばすというのは本来機能を完全停止させて違う機能で稼動させることになり、要は機械設計としてセンスが良いとは言えない。ならば走りながら付加価値を与えて、海に潜ってしまうというのはどうだろう?水陸両用車は既に観光用のものが数多く走ってしまっているから、水中を行く。
 もっとも人が普通に乗れる水密キャビンとした瞬間に浮力に逆らわねばならず、クソ重いウェイトを積んで空気抵抗の替わりに海水を押しのけながら、海底を這いずり回る非効率な姿が決定的となってしまう。せいぜい物珍しさとしての娯楽がウリの海中アトラクションにするのが関の山だろう。

 ただ吸排気を伴う内燃機関の自動車よりは電気自動車に圧倒的に分があるはずであり、中高生に中古車一台くれてやって『お前らコレで海に潜ってみろ』みたいな課題を与えてやれば、そこそこ手応えのある自由研究になるかも知れない。やり過ぎないよう気を付けながら、周囲の大学生や大人たちが必要都度に手を貸してやれば結構夢中になるヤツいるんじゃないかな。面白い科学ドキュメンタリーできるかもよ。
 昨今の、何をどこまで自力でもがいて成長の糧にしたんだか判らないような、スカみたいな自由研究なんぞ止めちまった方がマシだと思う。やるんならガチのマジ、その気になれないなら最初から綺麗さっぱりナシにして、余計な心配ごとの無い長期休みを過ごさせてやるのが子供たちのためだと思う。

 そうそう、私の小学校4~6年生を受け持った先生は『宿題ゼロ』がモットーの教育者だった。
 自分が子供のころ宿題をたくさん出されてせっかくの休みがいつも面白くなかった記憶があり、いま自分が教師の立場になってなお、自分としてはそれが君たちのためになるとは思えない。宿題の重圧は一切なくすから、やってみたいと思うこと、普段できないいろんなことを存分にやってみなさい。
 そんな先生だったのだ。改めて私は、本当に幸運を渡り歩いて育った人間だと再認識する。

 海中アトラクションに話を戻そう。まだ20代のころ豪グレートバリアリーフで『下向きに拡がる世界』に強烈なインパクトを感じて以来、どこかで役に立てたいと考えていた。
 ヨーク岬半島の付根に位置するケアンズは、地図上はグレートバリアの真っただ中に見えるのだが、実は湿地帯が岸に拡がる港町である。従って船で沖に拡がる珊瑚礁まで出て行って、水深の浅いスポットで止め、船まるごとを遊覧基地にして海面にタラップを降ろし、ダイビングやシュノーケリングを楽しむ形態となる。私はダイビングしなかったので、呼吸筒付きの水中眼鏡を借りて泳ぎ回っていた。
 これが大層おもしろく、水面を泳ぐ自分の視点から下向き立体的に展開される極彩色の景色は忘れられない。ちょっと目を引くものがあったら、素潜りでも数メートルは簡単だからお手軽に見に行ける。この『上から見下ろし、好きな時に舞い降りて好きな所を見に行く』という自由度を、どうにか体験型アトラクションにできないかと常々思っていた。
 所詮アトラクションなので実用化したところで数が出ないのだが、『空飛ばずに潜水する自動車』が、海上に向けて発進する『空飛ぶ自動車ならぬホバークラフト』を横目にズブズブ潜っていくという光景も、なかなかサンダーバード的に楽しいではないですか。

 さて正月が明けたら徐々に厳しい話題にも触れて行くことにするかな。
 昨年デタラメ法案ばかり勝手に決まったコトになってしまっていて、どれも国民の誰ひとり日本社会での実現イメージが持てずに宙ぶらりんの行き詰まりだが、ここで紹介している夢洲やATCの未来構想が、皆さんの脳内VR、AR、あと最近はMRか、とにかくそんな中で思い巡らされ膨らまされ、実感に響く『嬉しい楽しい2025年の現実』になって日々進化していることを願って止まない。

 明るく判りやすく、みんなが笑って納得し力を合わせられる日本社会でありますように。
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