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【669】ビニール梱包の受験必勝参考書 [ビジネス]

 さあてと。笑える話が最近ないし、ちょいと夏休み終盤の気紛れに、受験生世代の理系学力底上げ企画でもやっておきますか。
 ほらほら若い子たち、試験にゼッタイ使える実用知識を紹介するから寄っといで♪

 元素の周期表を御存知だろう。受験勉強では、あまりにもつまらない登場の仕方しかしないので、学生がバケ学を嫌いになる原因のひとつにもなってしまっている。
 実は世間で出遭うさまざまなケミカル現象をロジカルに理解できるので、こんなに面白い知識ネタもそうそう無いくらいなのだがなあ。その四方山話はいずれ機会を探すとして、今日は端的にこれを暗記するという、いかにもベタな点取り勉強から始めようか。

 『元素 周期表』で検索すればその画像が山のようにヒットするので、どれか1枚プリントアウトしてみるがよろしい。何だか上の方の行が数少なく中抜けしたような表が出て来ると思う。
 これは原子の姿を太陽系の惑星軌道のようなモデルで描き表わした場合、一番内側の水星=最内殻軌道に電子が2個までしか入れない規則があり、同じく二番目の金星軌道には8個まで、三番目の地球軌道にも同じく8個まで、と定員制限がかかっているためである。
 これら2個や8個の根拠は今もって解明されておらず『魔法数』と呼ばれている。

 最も有名な語呂合わせは『水兵リーベ―僕の船。名前もあるさシップスクラークか』というやつで、水素H、ヘリウムHe、リチウムLi、ベリリウムBe…と上から横書き行で読んでいくワケだ。これで第4周期のアタマからふたつめ、2A族のカルシウムCaまで行ける。ま、中学レベルだな。

 では高校理系コースの領域に進もう。
 ここでは伏字を一切使わずにやって来たけれど、さすがにコトここに到って到底マトモには書けないので、伏字を使うことにする。当て字も御容赦いただきたい。
 見りゃ判るがその品性たるや惨憺たるもので、さしもの私も、何度もキーボードを打つ手にブレーキがかかる。しかしまあ男子高校生の標準的な頭の中が実によく反映されており、タイヘンに興味深い。

 ではGO!第4周期のカリウムK、カルシウムCaから。
 『カカアは好かん小さいバナナ、黒マン鉄子にどうも会えんが、下痢して明日はS○X匂う栗とリス』

 続けて第5周期のルビジウムRb、ストロンチウムSrから。
 『ルビーのスリップ一等賞、じっと匂ってもう勃った。流浪のパトロンは銀のコン○ームでインもすんなり、素晴らしいテクニック、愛のS○X』

 バケ学的な物性を論じるにあたっては、むしろタテ方向の暗記が重要な場合も多い。
 一番左、アルカリ金属で知られる1A族は、これのみ下から上に読み上げる方向で
 『フランスでせしめたルビーはかなりエッチ』

 その隣、アルカリ土類金属の2A族およびそれ以降は、普通に上から下に読み下ろす。
 『ベッドに潜り込む彼女のスリップ薔薇色』

 その右側の大きく中抜けしている『遷移元素』の部分は、私の人生であんまり暗記対象にならなかった。一応、我々の生活に馴染みのある金属元素の多くがここに入っているのを見知っておこう。

 さて気を取り直してホウ素B、アルミニウムAl…の族から再開するとしよう。左から順に縦読みで続ける。
 『ボールがインしてる』 どこにだ馬鹿たれ。私の学生当時ニホニウムNhは未発見だった。
 『くさい下痢すんな』、これは『くさい下痢すぐ治る』という微笑ましいバージョンもある。
 『秩に淋菌アソコしぼんでびっくり』、もう最初を当て字にしないとやってられない。
 『幼いS○X照れてポー』、多少学術的を気取って『雄の精子は鉄砲だ』というのもある。
 『ふっくらブラジャー愛の跡』、これは結構有名らしく、あちこちでしょっちゅう聞いたものだ。

 最後に右端タテ一列の不活性元素だが、『変なネエちゃんある日狂ってS○X乱発』が一般的、たまに『ある日クルマで』の現実派バージョンを好む向きもいる。

 以上、私の人生でこの言い伝えを文字に書き落としたのは初めてである。随分と無理のある語呂合わせまで押し込みつつ、劣情全開だけでは済まない男子受験生の妄想回路がこんな文化を横行させていた。
 セクハラの概念がこれだけ普及した現代日本社会においても、時を越え間違いなく役に立つだろう。男子受験生ならもう忘れないはずだ。

 中性子とかドッチラケなのもいるんだけど今それは置いとくとして、単純には、あらゆる原子はプラス電荷の陽子とマイナス電荷の電子が各々いくついくつあるかで、どんな物性つまりどの元素になるかが決まる。因みにどの元素もただ単独そこにいるだけなら、プラス・マイナスは同数で釣り合っている。
 水素Hなら陽子と電子は1個ずつ、ヘリウムHeなら陽子と電子が2個ずつ。
 もちろんリチウムLiは3個ずつなのだが、最内殻軌道の魔法数は2で既に定員いっぱい、よって3個目の電子はその外側の第二軌道にひとつめとして入ることになる。周期表でリチウムLiの下に並ぶナトリウムNaやカリウムKも同じ事情により、最外殻軌道に電子ひとつだけ周っているモデル構造だ。
 だから『余計な電子ひとつ放り出して、電荷バランスがプラスっぽくなっても構わないかも』みたいな性質=イオン化傾向大、というところがお互い共通点として似るってことにもなるのである。このあたりが元素の周期性の本質であり、こんな形式の表に整理される所以だ。
 またニホニウムNhなんかは自然界に存在しない元素であり、この周期表に則って原子構造のモデルが先に想定され、人工的に生成実験が繰り返され成功した一例だったりする。

 原子モデルの知識を持っていれば、分子構造やそれを組み換える化学式が理解できる。新しい素材や、必要な化学反応を得るための思考背景となる、応用性の高い大事な基礎だ。
 有機化学も無機化学も面白いハナシはたくさんあるのだが、まずは今日ここで元素の周期表を憶え、陽子・電子だけで構わないから原子モデルに基づいて周期性の意味を知っておいていただきたい。

 では本日のレクチャーはこれで終わり!みんなで拡散・共有の輪を拡げて役立てるように!
 下ネタが苦手な読者さまには申し訳なかったが、男子の脳内ってこんなもんですぜ。
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