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【668】財務診断、カネのなる木のジパング果樹園 [ビジネス]

 困ったことに、文章の量を手早く調整したところ『またしても』ミスをやらかしてしまった。
 『もう一回のオマエを筆頭に』も何も、世襲のガキは一度も証人喚問の場に立っていない。何しろ複数の違法行為がたて続けに発覚し、それらの登場人物も多過ぎたもんだから、いったん表にでもまとめて整理し、首っ引きで確かめながら作文しないと頭がゴッチャになってまた失敗しそうだ。ともあれ修正しておきます、うっかり続きでスイマセン。

 私がまだ中学生の頃のこと、学習塾の先生が『いずれはどの国も社会主義になっていくと思う』と話していたのを思い出す。決して政治思想を本題にした場面で、その目的をもって語られた言葉ではなかったことを断っておこう。

 まず自由競争の市場では宿命として経済格差が発生する。
 いっぽう高度文明社会の考え方として、常識的な感覚を割り込むような経済衰弱層に対しては、一時的にでも公共の資本を充てて生活レベルをまず立て直させる措置を取るのが普通だ。
 そのか弱い経済力で切り回す生活が社会の一般構成員としての安泰要件を割り込んでくると、その層域に対してイレギュラーな対応が周囲に発生するし、『そんな厳しい立場の仲間がいるんだ』という事実により社会全体の幸福感が阻害されてしまい、社会の全層域に望まない精神状態が伝播するからだ。
 自由経済下で貧富のバラツキが幅を持っているにしても、知恵ある文明人の社会全体=オオヤケとして、しんどい仲間を助ける仕組みを布くならば、そこは自然のなりゆきとして社会主義のカラーを帯びることになるはずだと。そんな話だったと思う。

 この時代、まだ日本国の人口ピラミッドは三角形の面影を残しており、日本の工業製品は元気に進化発展を続けていた。確かウォークマンが出た頃だっけ…と調べたら、1979年らしいから的中である。
 日本社会はそれ丸ごとが生産性組織であり、第一次産業の急減や第二次・第三次産業の急増などバランスの大変動はあったものの、常に『ナニガシかを作り出し続ける集団』であり、それが社会というものの定義の大前提であった。
 そこで生産した成果物をカネに換算して生活保護の金銭で分配する…みたいなプロセスまでは一切イメージにないまま、何だか生産性組織としての高度社会が力不足の末端を手厚く引張りながら継続していくものだと、漠然と思い込んでいたのだ。

 ま、知らず知らずのうちにそんな感覚を覚えさせるまで到達できていた日本国は、後になって『最も成功した社会主義国家』と呼ばれたりすることになるワケだが。

 いま日本で妙なチグハグ感として引掛るのは、農作物にせよ工業製品にせよザクザク生まれ出て来ている訳でもないのに、経済成長だの過去最高の業績だの調子いい文言ばかり飛び交うところではなかろうか。
 御存知の通り、いっくら好況を吹聴し、デマ煽動のその情報をばら撒いたところで、つまるところ誰ひとり本心に響いていないのだ。
 第一次産業は真先に高齢化による体力喪失で衰退しているし、第二次産業はすっかり中国や東南アジア諸国の製品に凌駕されている。第三次以降の産業はそもそもコト消費だから物品の産出はあり得ない。これでは社会主義化するも何も、分配する元手そのものが日本国内に存在しなくなっているということじゃないか。
 非・生産性組織つまり『何も作り出さない集団』に向かう日本社会は、もう文明的な生活を底上げする平和的な社会主義には、なりたくともなれなくなっている。

 以前にも述べたが、人間食わないと生きていけないことを考えると、複雑怪奇に制御不能となり過ぎたカネ経済と決別した第一次産業回帰の志向は手堅く強まって来ると思う【370】
 この日本列島に暮らして衣食住を確保しようとすると、必然的にそうならざるを得ない。
 『資本主義経済は成長し続けるしか道は無い』とする説があるが、高齢化を迎えた日本社会でそんなものは選択肢にならない。人口全体の高齢化により生産力の消耗が避けられない以上、とにかく元手が減るのだから実質的成長は原理的に不可能である。

 ダメノミクスの一環として、停滞し困窮し続ける日本経済市場に向かって『まだまだやるぞ異次元緩和!』と居直り続けた日銀だが、最近になって態度がぐらつき始めた。
 非・生産性組織つまり『何も作り出さない集団』でありながらも、紙と印刷機さえあれば『カネだけは作り出す集団』にはなれていた日本国、そこに書かれた数字には『文明人の合理的計算に則って生産力と釣り合せます』という理性の保証が付いている。
 カネ生産機関としての日銀はその理性の保証を直接業務としてやり切る立場にあり、いま現実解の無さに腰が退け始めたのだとすると、これはなかなか面白いことになって来た。
 当初あれほど調子の良かった『バーイ!マーイ!ダメノミクス!』、実績が付いて来ないその後も悔し紛れの負け惜しみで『ダメノミクスの恩恵、トリクルダウン』などと嘯いていたが、ここ最近の日銀の発表はその勢いに水を差すものではないのか。
 ここはひとつ、総裁選の候補者討論とやらに出て来てもらって、これまで成否判定の中間報告も無ければ修正もされていないダメノミクスの勝算について、真摯で丁寧な説明をぜひ聞きたいところである。

 中国人の友人が『共産主義というのは元々個人バラツキを気にせず皆で等しく、仲良く社会を回して行こうという優れたコンセプトのはずなんだよ』と話してくれたことがある。実にその通りであり、ナニ主義であろうが人間社会の平和な運営を目的にしていることに変わりは無い。
 粗悪な人間が混ざり込んで、その基本コンセプトを無視してアンフェアに振る舞うのが問題なのだ。

 近年これだけ未解決の不祥事を抱えた与党の総裁選なんかなかったろう。完全公開の総裁選候補者討論会で双方からすっきり解説して理解を得ておかないと、世論の支持がついてこないと思うぞ。
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