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【649】窮屈セルフリミッター付き飲み放題の無礼講 [ビジネス]

 ちょっと殺伐とした話が続き過ぎたので、一旦だるんだるんに肩の力を緩める話題を。
 以前にも何度か書いたが、成人年齢を18歳に引き下げる案には賛成だ。

 だが飲酒・喫煙を20歳のまま据え置く理由がよく解らない。たかが2年のことだし、いっそ揃えちゃったらナニがいけないのだろうか?
 初回放送版『宇宙戦艦ヤマト』において、古代進と島大介の両名は18歳という設定であった【448】
 いつだったか沖田艦長は艦長室に古代クンを呼び出し、床にふたりしてあぐらかいて、一升瓶にコップ酒を決め込んでいたと記憶している。

 私が二十歳を迎えた昭和の終わり近く、オトコが二十歳になった時点で、習慣かどうかはともかく酒と煙草は飲めて吸えなきゃ、ちょっとカマっぽいナヨナヨ系の未熟としてさえ指摘されたものだ。
 私の場合、煙草はその身体や周囲に纏いつく不快臭と出るゴミの汚さに、習慣化する遥か手前でノーサンキューその後に決別となったが、酒は普通に飲めるし美味いので続くことになったワケだ。

 非喫煙者としては、もう紙巻きの煙草なんぞ絶滅させてもらって構わないと思っている。
 いや、出る煙やタールを吸い込んで喫煙者本人が体内で100%吸収し、無臭の水蒸気と二酸化炭素だけ吐き出してくれるなら真横で1万本吸ってくれても良いのだが、現状の技術でそれが叶っていない。
 髪や服を汚すあの悪臭も、あとに残る汚らしい吸殻も、公共性を欠く迷惑ゴトもいいとこだ。
 私が子供の頃、長距離列車でも映画館でも病院の待合室でも灰皿が普通だった時代なのに、『山火事を起こすと取り返しがつかないから』という常識概念により、山野での喫煙は自粛する風潮が広くあったと思う。だが今の時代に到っては、あほヅラ脳足りんの喫煙者どもが吸うこと吸うこと。注意しても『ダメなら書いといて欲しい』などと傲慢な無知をさらけだして毒づくばかりである。

 さて本題は酒のハナシ。その昔の宴会の様子については書いた【56】
 私には大学の先生の知り合いが何人かいるのだが、もう随分前に『今の大学は、構内での飲酒は全面禁止ですよ』と聞かされて仰天したものである。
 そ、そんなことってあるの?大学生活から酒を奪ったら学術研究が空中分解し、セン公に付いて教わるのが基本の小中高校と同じになっちまうじゃねえか。世間の時間の流れに縛られず、好きな勉強を好きなだけ追求して、そのまんまの勢いで飲み倒して遊び倒して眠る。
 だからこそ大学は最高学府として機能するのだ。違うか?

 私がいた研究室は、主に講室や研究室・事務室で構成される3階建て学舎の最上階の端にあり、部屋を出てすぐの屋外非常階段を降りた筋向かいの別棟に実験室を備えていた。
 特に実験室の方は、室内の一角にコタツが定置されており、回流水槽や大型風洞装置なんかに囲まれて、まあしょっちゅう先生方と学生陣で夕方から朝まで飲み倒したものである。少々羽目を外しても、構内で飲んで大騒ぎする限りは、通報もされなければ警察に踏み込まれることもない。
 好きな勉強に好きなだけ取組み、理解できなくて悔しいなら理解できるまで噛み付いて、存分にアタマ使って研究した息抜きに、時間も量も飲めるだけ飲む。
 そこで寝たけりゃ寝る場所もあったけれど、大抵は朝帰りして家の布団で寝てたっけ。

 ここに、労務管理や業績ノルマの概念に縛られない高負荷・長時間労働と、これまた人間関係のシガラミやウケ狙いとは無縁の至高極楽・大量飲酒の、体力全開ワークライフバランスの実地体験があったのではないかなあ。

 なんというか昨今の社会情勢を眺めるに、仕事にしても飲酒にしても、誰かに決めてもらったガイドラインに沿う沿わないばかりが逃げられない自主規制になっており、人間本人の心のうちに自然発生する動機とかけ離れてしまっているように見えるのだ。
 やらねばならないことも、やりたいことも、余計な雑念を払ったおのれ自身の普遍的な判断で、『自分には、これだ!』と力まず素直に定義できなくなっているのではなかろうか。

 これが『働き方改革』みたいな奇妙な決め事が、そもそも国の仕事として起案される原因なのかも知れないと思っている。
 就業年齢に到達した時点で、自由な自力の存分な作動を体験していない人間が増え、社会がその機会を奪っていたりもしていて、そこに長年続く不況のシワ寄せも加わって、非・人間的かつ無機的に労務管理を見誤らせるのではないかと。
 総じて、人間なる生物の限界作動に対して未熟なのである。

 そう、今なおゴタゴタやってる『働き方改革』法案なんぞ、死ぬ程どうでもいい的外れだ。
 景気好転のデマ流布を仕込む悪辣な魂胆も見え透いているし【646】
 どこまでやれるか、それこそ頑張れるだけ存分に頑張って欲しい。応援するぞ、野党たち!
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