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【628】晴れ待つてるてる坊主の白日夢 [ビジネス]

 つい最近、1億分の1秒の分解能を持つ超高速デジタルカメラが開発され、向かい合せた鏡の間を反射しながら約3メートルずつ進むレーザー光の連続ショットが公開された。これで光通信しながら撮影すると、何らかの断続破線パターンが空間をかっ飛んでいく姿が写るんだろうな。凄いなあ。

 NHKの番組がうまく映像にしてくれていたが、円周上に四肢の筋肉や臓器をずらり並べて、隣や向かい同士を光通信ケーブルで結びつけるとしよう。どんどん結びつけて、無数のケーブルが織りなすトランポリンのような構造イメージまで行こう。四肢や臓器などの身体構成パーツから情報の光シグナルが発信&受信され、トランポリンの膜には様々な破線パターンが縦横無尽に錯綜することになる。
 この光通信網トランポリンの交信風景を、真上から俯瞰して撮影し動画ファイルを作り、取捨選択を経て適宜保存するのが脳の機能なのではないだろうか。
 生命維持・自己保存に直結するような本能ファイルは浅層高次元システムファイルとして小脳に、いっぽう未知なる進化のきっかけを引き起こす、偶然の組み合わせ発現の冗長ネタになるような知識ファイルは深層低次元ユーザーファイルとして大脳に、ざっくりこれが生きた人間の情報構造モデルではないかと思う【616】

 また最近のタヌキ寝入り夢うつつの話になるのだが、時々目を閉じた暗黒の視界が、暗赤色に点滅することがある。テレビ番組の古い映像の演出で、敢えて明滅を粗くした動画を流すではないですか。あの感じだ。
 チカチカチカチカチカチカチカチカ…いま何やってんだオレ…?

 デフラグだ!
 恐らくハズしていないと思う。自信ある。実感だ。

 ちょっとパソコンの扱いに手馴れていて、XP以前のウィンドウズで仕事した経験をお持ちの方には御馴染みであろう。
 まずパソコンの基本構造についておさらいしておくと、演算機能=CPU、記憶機能=ハードディスクやSSD、入力機能=キーボードやタッチパネルや音声認識マイク、出力機能=ディスプレイ画面やプリンター、の4機能で構成されている【238】
 また記録データを長期保管する書庫相当のハードディスクに対して、そこから今使うデータを取り出してきて仕事を拡げられる作業机のサイズが、短期記憶=メモリー容量に例えられる。
 ここに、パソコンが何かタスクを実行する場合、メモリーにせよHDDにせよSSDにせよ、その広大な記憶領域の隅っこから必要都度に逐一データを書き込んでいくのではない。まず『このプログラムならこのくらい』とひと声ナンボで、がばちょんと白紙領域を確保し、そこでデータの操作が進むのである。
 例えば下書き文面を作って、最終版の完成後にそれを削除しディスプレイ画面上からそれが消えても、実は『削除済につき非表示のこと』という作業指示札が付くだけで、記憶機能デバイス上には下書きデータが残っている。つまり作業すればするほど、『見えない無駄記録』が蓄積していくのだ。
 そのうち、タスク開始でひと声ナンボを確保しようにも、あっちこっち残骸だらけでまとまった白紙が確保できなくなる。『あそこと、ここと、こっちと、向こう』みたくツギハギだらけのタスク領域でもって、それらを順番に覗いては組合わせつつ作業を進めるしかない。パソコンの反応速度が鈍ってくるのだ。

 早い話が、本棚が残骸だらけで成果物の記録ノートも離れ離れで散在するようなことになっちゃっているので、残骸は捨てて記録ノートたちはちゃんと左端に寄せて揃えましょう、これがデフラグである。
 ウィンドウズ7なら『コントロールパネル』→『システムのセキュリティ』→『ハードドライブの最適化』を開いて出てくる『ディスクの最適化』がこれだ。最近はタイマー仕掛けで自動的にやってくれるが、XP以前の昔は業務時間に開店休業状態でデフラグ進行中の画面を流して放っておくしかなかったものである。
 XPの場合は記憶領域が左端から右端までの帯グラフ形式になっており、点在するデータが輝線スペクトル風に断片表示され、これらが順番に左詰めで整理されていく。いっぽうWin2000以前では、画面いっぱいが細かいテトリスのような景色となり、ずらりと一面に並んだブロックの虫食い部分を詰めては順次最下段まで落としていくような表示だったと思う。

 ともかく情報記録の原理として、コンピューターの記憶機能=『0』or『1』の1ビット単位と同じように、生物の記憶機能もつまるところ『細胞の何かを無or有』みたいなデジタルチックなやり方しか無いような気がする。いや、電荷の出し入れなんか生体細胞にはムリだから、細胞ビットのひとつを不可逆に何か変化させるのではなかろうか。
 この仮説に則れば、人間の情報処理プロセスのモデルがうまく整理できるのだ。

 覚醒中の活動で得た通信網トランポリン交信動画の記録ファイルは、睡眠中に身体各部の記憶機能のデフラグ処理とともに、整理整頓されて大脳に記憶し直されるのではないかと思う。その細胞ビットは一旦『1』と書き込んだらオシマイのワンタイムROMみたいなもので、『0』の新品が調達したいなら、まず使用済み残骸ファイルを廃棄処分にして、新規『0』細胞ビットを作り出す新陳代謝が必要なのではないか。
 …だから生物はメシ食って眠るんだよ!頭脳フル回転すると腹が減るんだよ!【201】

 今だいぶマシになったが、この年末年始からの私の故障モードにおける最大の難点は『連続した体系思考で頭が働かない』ことなのだ。
 五月雨式に着信する数値を同一単位で揃えて、発信者別に分類し、必要な係数を掛けて、色分けして一覧表示させる…のような一連の作業がさっぱりダメ、数分~せいぜい十数分毎に計画思考も短期記憶もオールクリアされるような、抵抗しようにも抵抗できない情報処理プロセスの機能不全なのである。砂浜の波打ち際で筆算するようなものとでもいうか。
 これは恐らく、私のメモリー機能部位が総力あげて全面更新中であり、さっき記録した細胞ビットも見境なく壊しては作り直しているのだと思う。またデフラグを自前の人力操作でやるとすれば、片っ端から過去ファイルを開き内容を確認して整理していくはずだから、ここで『アレ、何だっけこれ?』と覗くたびにそれが夢にもなると。
 特に今の私は、数あるファイルやフォルダーを順次避難させつつ、普通なら絶対やらないところまで記憶機能部位を更新していっているはずだから、その作業の抱き合わせで、記憶の奥底に眠っていた子供時代の想い出が立て続けに蘇ってきたのかも知れない。
 そうか、今の私はハーネスが分断され壊れたパソコンなのだが、ハードディスクから記録ファイルを読み出すだけみたいな作業でしかないから、ここの更新はこのレベルでどうにか叶っているのだ。

 うわー、ますます『プログラムになって機械の体で不老不死』が現実味を帯びて来やがったぞ。そりゃ当然、視覚から入った情報の通信網トランポリン交信動画は、身体各部の作動や構築に反映もされるだろうよ【559】
 このハナシはまだまだ拡がる。
 通信網トランポリンの中央をつまみ上げたとすると、膜の周囲に四肢や臓器がぞろぞろぶら下がった『てるてる坊主』みたいな形になるだろう。これが『情報で描く人間』の概形モデルだと思うのだ。

 シビアな話題が続いていたので、ちょいとこのエンタメ集客サイエンスで様子を見ますかね。
 組織はいつも『興味を持てる、面白い発信源』目掛けて受信しに来るのだから。
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