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【782】イノチの原則、知らぬが破滅の認知症 [ビジネス]

 また台風の来襲である。再び西日本を通るコースだが、反時計回りの大渦ゆえ日本列島の南東に突出した房総半島は継続して太平洋上から南風成分の暖湿空気に晒されることになる。心配だ。
 ブルーシートだらけの千葉県被災地の様子が繰り返し報道されているが、JRで京都から大阪まで乗れば、昨年の大阪北部地震か台風21号かその両方か、とにかく今なおブルーシートは散見されるし、熊本城石垣の尾根線一本を骨だけ残した姿が衝撃的だった2016年熊本地震だって、ちょっと現状について調べにかかれば被災地にはまだまだブルーシートがいくつも残っている。

 皆その直前まで普通に日常を暮らしていた。つまり今あるのは日本経済にとっての損害の姿であり、このぶんだけ日本経済が単純に弱体化している。本来であれば最優先の緊急対応をもってまず以前の水準まで経済活動を修復し、そこから予定外の特別損失をどう穴埋めするかの検討となろう。
 例えば国家全域レベルの負荷発生を伴う政策の計画があるなら、とにかく延期を先に判断・発表して国内を安心させておいてから、損害額に合わせて遅延期間の計算を始めるという順番が正しい。

 返すがえす、9月30日深夜であっても、いや10月1日を過ぎてでも、税制を現状据え置きにする判断をすれば、日本経済は可及的速やかにその方向で了解・収束し、景気落ち込みも現時点の選択肢としては最小となる。
 経済に詳しくなんかない人でも、日本社会に暮らしているなら全員判っているはずだ。

 まだ今般の奇妙な税制改変が低所得者層の救済策だと言い張るなら、その違和感を解き明かす解説を日本社会組織に向かって広域発信せねばならない。大衆が理解し共感してくれなければ組織体は内乱を起こして崩壊するからだ。
 こういった広域発信=マス・コミュニケーション機能を司るのがマス・メディアだと、日本の学校では社会科で教えている。
 だが現状『こんなコンセプトのこんな仕組みで我が日本国は、平和に、立派に、うまくやれています』と子供たちが学校で習うような、理に適った組織の作動像はその通りに実行されず、日本社会は平和でもなければ立派でもない、うまくないどころか集団自殺のネズミもびっくりの発狂自滅ビッグバンにまっしぐらというのが率直なところであろう。

 私は『戦争ができる国』『戦争をしたい政府』みたいな痴呆左巻き言論は大嫌いだと、まず改めて断っておく。どこの誰だって、キホン戦争なんかやめといた方が良いと判っているのだ。
 言ってしまえば、現状の日本国に他国と一戦交えるまでの国力は無い。国防最前線の自衛隊が、超法規の域まで含めて現場判断で出来る限りの事をやってくれる、その限りが全てだと思う。
 まあちょっとそっちの議論は置いといて、それにしてもここ最近の、社会空間に飛び交う情報の検閲や言論統制の露骨さ分別無さはタダゴトではない。その露骨な言論統制にしおしおと這いつくばって無限の言いなりを土下座保証するマスコミの卑屈さ無力さもタダゴトではない。

 軍隊も特高警察も無いのに、この異常な主従関係は何に起因するものなのだろうか?
 マジの実力闘争に持ち込めば、役所組織の権力もナントカ学会の後光も『人間社会で忌み嫌われる架空チカラ関係の押し付け』であることは周知の事実なのだから、普通にやって十分に勝算は見込めるはずなのである。
 現実にはあり得ない役所組織やナントカ学会の『絶対支配力』を身の程知らずに信じ切って振り回す馬鹿がいて、『そんな絶対支配力は現実にはあり得ない』と思えない馬鹿が、まるで催眠術にかかったかのように奴隷となって跪く。
 傍目の正気の人々にしてみれば、アブナイ壊れ方でアッチの世界に行っちゃったガイキチさん同士の看守vs囚人ゴッコにしか見えないワケなのだが。

 結論から行こう。
 私は『天敵』の存在を意識する精神構造の有無が要因のひとつだと考えている。
 十分な生命力があり、故に自分の生存確率を上げようとする個体は、常に天敵の存在を意識し、その出現の可能性に警戒するのだ。
 裏返せば、高齢化によりダメになった個体は、手前勝手なジブン帝国の妄想を描いてその自画像の致命的欠陥に気付けない。『デビルマン』の高度経済成長期の時代、ひ弱なクセに思い上がった退化生物・現代人の姿である【779】

 私がかつて一応は『名の知れた大手』と呼ばれる程度の組織にいた時代のハナシだ。
 同僚個々人の執務スキルはまあ確かに優秀と言われるようなレベルにあるものの、『人さまと関わり支え合って生きている』という有難味の世界観がどうにも欠落していて、本気で協力的な稼動ができずに業務効率を落としてしまっていたり、職場の日常に流れる空気を世知辛く面倒くさいものにしている感じがいつもイヤだった。
 …このヒトたち、なんでこんなに『偉そう』なんだろう?『自分のための他人』なんだろう?

 その後ちょいと訳あって、その部品メーカー=サプライヤーさんの職場の実態に触れる機会に恵まれたのだが、そこの生活の楽しさ面白さに驚くことになる。
 そこらの管理職は軒並、さらには役員層に到るまでが『我々みんな客先の支配のもと、一丸となってそれに応えて生かしてもらう運命共同体』という、森羅万象・食物連鎖のイチ単位を自覚する世界観を共有しており、これが組織内で腹を割った仲間意識にビッタビタ効いていたと思うのだ。
 もちろんサプライヤーさん社内での上下関係や軋轢なんかは、ガチ内部の方々にしてみればそれなりにあったのだろうが、それにしても親会社で『天敵知らずの生態ピラミッド頂点』を疑いの余地ナシの前提にして生きている自称オレさま連中に比べれば、まるで欧米のキリスト教文化の空気のように『ひとつの天の支配下に生きる同胞』を認める人好き気質が普及していると感じたものだ【762】

 いや、みんな活き活きしていたこと。何だかんだで、ちゃんと仲間だったんだよ。
 生涯総所得がいくらだとか、何の肩書で何人従えたとかいうのではなく、望ましい現実を前に一生に笑った回数だとか快楽物質の分泌量だとか、そっちの尺度では桁違いに上だったこと疑いない。

 だからだが、ジブン絶対支配の『偉そう』を決め込んでカタチだけでも許されて、そんな誰にも心底認められないようなチンケなmy理想郷がどこかにあると勘違いしているような幼稚な人種が、その非現実性を理解できずに威張り威張られ、今般のような国政の混乱を招いているのではないかと思うのである。

 おっと今回もいい分量になっちまったか。
 嬉しくない原発の処理水は、嬉しくないが放っておいても消えてなくなったりはしない。科学的根拠をもって腹が括れるなら、東北の仲間のために相応の負荷分担をする判断は正しいと思う。
 大阪湾、いろいろ賑やかになるんだろ?風評被害は間違いなくタイヘンな苦難だが、その悪影響が最も軽微な海だとする視点はあると思うぞ。大阪の成長を止めるな。
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