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【629】寝る子は育つ、睡眠デフラグ進化論 [ビジネス]

 アルツハイマー型認知症患者の脳には『老人班』と呼ばれる変性部位が特徴的に見られ、それは『アミロイドβ蛋白質』の蓄積が引き起こすとされる。
 アルツハイマーの症例としては、さっき食事をしたのに忘れてしまうなど短期記憶力の低下が有名だ。また食事の作り方や家計簿の計算など、ずっと習慣的にできていたことがやれなくなってきたりする。

 脳が毎日デフラグ処理を繰り返すなら、『使用済み、書き込み不可』となった細胞ビットが代謝できずに残骸データとなり蓄積していく故障モードが考えられる。
 タスク領域の断片化が進み情報処理速度が落ちてきて、さらに新規ワンタイムROMで埋め直す容量も日々減っていくことになるだろう。デフラグ処理で既存のファイルやフォルダーを移動させるにしても、その過程でデータの脱落や損傷が度々起こるはずだ。
 ここまでいろいろと辻褄は合うが、私にはここで脳細胞の記憶ビット機能原理に関わる生体化学の専門知識が無い。どなたか頭いい人、この仮説を検証してうまく論理構築できるようなら役立ててやってください。

 さて、もう少し小市民の私なりに睡眠中デフラグ仮説の検証をしておこう。
 まず思い当たったのが、お手本動作を直近ライブ観察した体験が、後にある日ある時、自分自身の内的世界に噛み合って習得される現象だ【15】
 視覚・聴覚以外に、現場間近の空気の圧力波から温冷感から、地面接地の振動から荷重感から、組み上がった現実進行情報の総合コンビネーション一式を全身全方位から入力される。これが後のデフラグ処理過程を経ていて、ああでもないこうでもないと孤独に試行錯誤を繰り返した記憶情報と、ふと整合されるのではなかろうか。あの何というか、全てが『いきなり噛み合い始める』『みるみるハマっていく』感じはこれだろう。
 うまく行かずにもがき苦しんだ後、一夜明けて『できる感覚』が勝手に身に付いている現象【168】なんかは、まさにその夜のデフラグで断片化していた習得スキル情報が一連に組み上がる偶発成果なのだと思う。

 どこかの数学者さんの話だったと思うが、面白い記事を読んだことがある。
 『人間とは便利にできていて、寝ている間に脳みそが自動的に考えてくれるから、壁にぶつかってもあんまり気負う必要はない』とおっしゃるのだ。面白い表現である。
 あ、あのことだな、やっぱりみんな体験してるんだと確信した反面、こういう余裕のある理解の仕方は、激しい競争を日夜繰り広げる大企業の職場においては現実解として思い切るのが難しいとも感じた【119】【120】

 コトここに及んで、梅棹忠夫著『知的生産の技術』【260】~【262】は、今まで自分になかった情報の発想・着想により知的進化が起こる現象について、経験則を的確に方法論化していると思う。
 いろんな記録や思考履歴を片っ端からカードに書き落として分類整理し、アイディア発掘の際には適宜カードを取り出してきて一面に並べて俯瞰。視界から関連成立を思い付いたカードを次々拾い上げて組み合わせ、順番に並べてホッチキスでつなぎとめてしまい、それを眺めては思考チャレンジを繰り返す…と、ざっくりそんなやり方の手引書ではなかったかなあ。
 これを散々やってよく眠れば、またデフラグ処理が新たな偶然を呼び起こしてくれるだろう。

 そうか、元々だいたい同じような臓器を揃えて、わりかし似たような身体構造を持つ我々動物たちは、脳の記憶容量を増やしながら『情報的に進化』する運命にあるのですよ。そこに『新規性のある動作が生存率向上や食物の捕獲率増大につながる』みたいな進化のきっかけを、厚かましく偶然任せ以上に仕込もうとしているのが人間、こういうことだろう。
 意図的に進化したいなら、毎日メシ食って睡眠デフラグに精出すのはもちろんだが、最初に入力する情報網トランポリン交信画像のデータを高品質に管理すべきである。まず流通する一般論のトライアル入力を自分なりの解釈で丁寧に試し【14】【95】【126】、正しい情報の多彩な組み合わせ発現を高頻度で呼び込む。これが基本だ。
 事実現実に正確であることは大前提、そして情報密度の高い記録データが望ましい。

 生物の本質に立ち返って考えるなら、余力に溢れた優良で強い個体は『現実を正確に把握して、多種多様のトライアルで回数を稼ぎ、隅々までしっかり記憶をデフラグ処理する』ということになる。端的に、あらゆる環境変化に的確に適応して進化・生存できる特性だ。
 裏返せば、体力が衰退し弱った個体は『現実から目をそらし認識を捻じ曲げてでも独り思い込んだ架空シナリオに執着し、不動の過去キャリーオーバーを原則にしがち』ということになる。こうなるとまず自身単独で変化に対応できないし、環境に適応しようと努力を絶やさぬ群れからは脱落していくことになるだろう。
 生きとし生けるモノ全て、老衰により体力を落とし新陳代謝をスローダウンさせる運命にある。自然界にあっては、群れのみんなと意思疎通ができるうちに組織認知症の導きで、自ら相性を崩して離脱していく特性がDNAを紡いだのではないだろうか【617】

 ここまで理解して、いま高齢化ニッポンに実現可能な即効解とは何だろう?
 まず日本国民の睡眠中デフラグ処理を一斉促進させる手が考えられる。具体的には、一人でも多くお肌のゴールデンタイムを逃さずに眠る習慣を布くこと、つまり早朝タイムシフトだ【204】【560】【575】
 また連日深夜まで研修所に缶詰めでアイディア創出なんてのは非常に効率が悪いはずだから、例えば最初に演劇仕立てで成功事例を台本にしてしまい、プロジェクトメンバー劇団で鬼気迫る本気の演出のもと大芝居うったら、みんなでメシ喰って早寝した方が成果を上げられるのかも知れない。社会実験式に、計画立てて標準の台本を作って、いくつかの職場で同時進行させ比較してみるとか。

 『裁量労働制にした方が時短になりラックラク』などとウソっぱちの情報をでっち上げれば失敗しかしないのは間違いなく【4】【5】【6】、理に適った『生産性革命』『働き方改革』の現実作動を目指すなら、こういう科学的な根拠で議論せねばならないはずだ。
 マトモな頭なら簡単に判ると思う。政府与党ってのは、どこまでマトモなのかね?

 犯意含みの予算案は未然に緊急停止し、まず情報の隠蔽と偽造を国家運営の意思決定プロセスから消せ。
 引き続き応援するから頼む、野党たち!また対応事象が増えたがダレないように!
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