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【602】ポケモン考 [ビジネス]

 平成ひと桁時代、まだパソコンがオフィスに導入され始めた頃のこと。
  『オレ、社内の業務は全て情報の形で定義できるんじゃないかと思うんだ』
 会話していた上司の一言だが、これ以降いつも私の心の中でこの一文が確認し直されることとなる。
 ふむ、なるほど。いったん全てを情報の姿で語ってみて、その内容に管理をかけるのか。
 設計部署なら図面、実験部署ならデータと判定結果、工場なら生産数や不具合率…
 全ての日常作業は、そのための手段だと。

 確かに開発部門と生産部門を独立した会社にして、『開発が工場に図面を売る』という方式にしている実例もあるんだよな。設計と試作と実験を繰り返し、『これに従って生産ラインで流せば良い製品ができあがる』という情報を完成させるワケだ。その業務フェーズで労務や採算の管理を閉じさせる。
 不具合発生の折には、図面を間違えたのか、図面は正しいのにちゃんと作らなかったのか、情報処理の正誤判定に始まり、責任の所在を明確に特定しながら対策が進むことになる。完結した会社機能を丸ひとつ持つ負荷を上回るメリットが見込めたなら、これが効率解だ。

 記者会見のフラッシュやSFアニメの閃光描写など、テレビで『光の点滅に御注意ください』のテロップが出るのをよく見かけるだろう。あれは20世紀の終わりに、テレビで放映されたアニメ番組『ポケットモンスター』において画面が割と派手に明滅するシーンがあり、これを見ていた視聴者がひきつけのような症状で救急搬送される事態が、各地で同時多発した事件を受けてのことである。『極端な明暗を速い周期で繰り返す視覚刺激が、ふと脳神経の誤作動を呼び起こすことがある』と結論付けられ、上記の注意喚起テロップが普及した。
 当時、偶然この放映回を家庭でビデオ録画していた同僚がおり、もちろん私は大喜びで借りて実際に視聴したのだが、やたらチカチカするとはいえ正直なんてことないシーンだったという印象である。ま、だからこその事故発生だったし、注意しないといけないってことなのだが。
 私が『ポケットモンスター』を視聴したのはこれが初めてで、後にも先にもこの一回きりなのだが、なかなか技術的にも道徳的にも好感度が高かったため、よく憶えている。

 悪玉の二人組だか三人組だかが、自分たちをウィルスプログラム化してインターネット空間に侵入し、通信回線を伝ってユビキタス社会=表現をアップデートしてIoT社会のあちこちで悪さをするという、今になって改めてドキリとするストーリー設定で始まる。
 人間の意識をプログラム化すれば不老不死が実現するという説を思い出そう。これが叶えば世界中のどこへだって瞬間移動できるワケだ【559】
 いや人間ごとインターネットに飛び込む日を待たずとも、家族用の室内ライブカメラが家電ハッキングされ、見知らぬ誰かの目になっていたという話も既に現実である。

 さてこの悪玉クンたちを退治するため、ピカチュウの力を借りて善玉少年たちもプログラムとなりインターネット空間に飛込んで、悪玉たちと追いかけっこを始める。
 だが現実空間では、何にも知らず機器の誤作動に困った人々がワクチンプログラムを組んでインターネット空間に投入してしまうのだ。これが確か敵を見つけて撃ち落とす宇宙船のように描かれており、悪玉・善玉の両方をバグ扱いで追い回して駆除にかかるという緊迫の展開となる。ワクチンプログラムにつかまれば消去されてしまい、現実空間に永久に戻れなくなるから、大ピンチだ。
 ここでヘマって逃げ遅れる悪玉クンたちなのだが、善玉少年たちは見捨てることなく危険を冒して彼等を救い出し、再びピカチュウの力で滑り込みの倒れ込み、命からがら現実世界に帰還する。
 確かこの電脳時空フルパワー脱出過程で、口を結んで頑張るピカチュウの背景が目まぐるしく明滅してたんじゃなかったっけかなあ。まあいいや、めでたしめでたし。

 悪玉クンたちは起き上がって慌てて善玉少年たちから距離を置き、助けられてなお『お前たちになんか負けないからな!』みたいな憎まれ口で意地を張って見せるのだが、最後の最後にきちんと『でも今回は、ありがとー!』と声を揃えてぺこりと頭を下げ、大急ぎで逃げ去って行く。
 ハイ30分番組、終了。ピカチュウが『チュウ』でなく『ピカ!』と鳴くのが衝撃であった。

 約20年を経てAIが人の精神や意識と横並び概念になりつつある今日、その先見性に思わず唸らされるストーリーであり、また悪玉たちがコミカルに他の諸事情ときっちり区別する意思表示まで挟んだ上ででも、受けた恩義には確かな様式で応える礼儀をわきまえているところが微笑ましくも正しい。
 情報化社会の自由な発想力マル、立場相応の確実な情報伝達マル、人間にとって『情報』とは何か、コミュニケーションの中どう健全に保たれるべきかを解りやすく子供に見せていて、いい漫画だなと思ったものだ。

 ここは『情報』として、どのくらいうまくやれているのだろう? いかがでしょ?
 一応ホントの事を、この世の何者にも揺さぶられることなく正直に書いているつもりなので、とりあえずお得意様からそのセンで信用いただけているようなのが何よりである。
 来年も良質な情報発信を心掛けながら、ささやかな独り言を静かに放ち続けて参ります。

 よし、大晦日ぐらいは暗い見解や厳しい批判はナシ、ほのぼの系の内容で終われたぞ。
 今年も御愛顧ありがとうございました。皆さま、よいお年を~!
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ネオ・アッキー

明けましておめでとうございます。
今年も相変わらずよろしくお願い致します。
by ネオ・アッキー (2018-01-03 06:10) 

にすけん

 ネオ・アッキーさま

 御丁寧に御挨拶いただきまして恐縮です。
 いつも美しい画像の数々を楽しませていただいております。
 …ビミョーに羨ましい生活されてるような(笑)

 本年もよろしくお願い申し上げます。
by にすけん (2018-01-04 18:43) 

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