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【449】赤字劇場に淀む空気の研究報告 [ビジネス]

 判ってたが見事なまでに『超巨大無駄公務の軽減税率』は隠し通しての参院選である。
 日本社会の維持発展のため本当にやるべきならば、ここぞとばかりに徹底解説を入れつつ精一杯強調する部分のはずなんだが、まあやっぱりそういうコトなのだ。どんな結果になろうがこの参院選後も手を緩めず、絶対に阻止しなくてはならない。

 山本七平という人が書いた『「空気」の研究』という本を御存知だろうか。
 第1刷はまだ紙面メディアが元気だった1983年で、ちょっと重ため小難しめの論調であり、今の時代だとそこそこ読者を選ぶ本だと思う。だが冒頭30ページくらいは誰もがさらっと読めるので、ぜひ一度、目を通してみていただきたい。
 高度な話題を扱う本は、結構な確率で重く読みづらい印象が漂うものだ。そんなものに圧倒され自分を息切れさせないよう、『軽い流し読み』や『読めるとこだけ摘み読み』などをうまく使えるようにいろいろ試しておこう。せっかく出遭ったきっかけをみすみす逃さず目を通して知っておき、いつか『あそこに書いてあったな』と必要性を感じた時に、気合いを入れて読み込むようにすれば良いのだ。
 ここでいう『空気』は理科の気体ではなくKYのKで、時に本音や真理を不自然に封じ込めながら、得体の知れない共通意識で物事が動いてしまう現象およびその環境を指す。冒頭の軽減税率など代表例だが、社会全体できちんと納得して進めるべきコトを事前にきちんと情報開示せず、やたらとこの『空気』だけ仕込んで社会を動かそうとする傾向がこのところ目立つようになったと思う。怖い。

 私がいつも若い人たちに、高い社会性を備えた思考力・判断力を開発させようとするのは、どんな『空気』にも惑わされることなく、焦らず恐れず諦めず自分で考えて、誰にも負けないと自信ある結論で行動する人間になって欲しいからだ。
 能力が低いと何よりまず結論を誤るし、自信がないので一貫した行動が続けられず、中途半端で断片的なことにばかり時間を費やして結局なんにも残らない。これでは効率が悪いばかりでなく、達成感や充実感を知らない空虚な時間を過ごすことになってしまう。これが積み重なるほどに人生の可能性が信じられなくなり、社会組織が改善や発展を目指す努力に興味が持てず、非協力的な万年脱力状態に陥ってしまう訳だ。
 日本国のデタラメ運営が長期放置され大損害を積んでしまったのは、高度経済成長期以降いまの大人たちが怠けて自分を賢く強くしなかったが故の失敗なのだと思う。これを変えるには、まず若者たちに賢く強くなって貰わねばならない。

 ダメオヤジ組織は能力によらない妄想の上下関係を『空気』で強いて構築されるが、その実作動がどんなものか見てみよう。
 いま哀れなのが何とかいう元・総務大臣氏で、小池ねえさん相手にもう尻尾が腹にまわってるのが一目瞭然だ。誰が勝算のないストリーキング玉砕役なんぞに名乗り出るものか。
 だがダメオヤジ裸劇のシナリオには『自分らの有力な対抗馬が出て、生意気オンナを成敗する』と書かれているから、その対抗馬を演じるヤツが要る。現実的な勝率を腹に隠しての執拗な押し付け合いの果てに、力関係と慣れ合いの行きがかり上、断れない立場だったコイツがババ引かされたという訳だ。
 『出馬すれば俄然有利』といきなりとち狂った前評判が叫ばれ、『ウリは実務経験、ウリは実務経験』と意味不明の漠然キャッチフレーズを本人以外が連呼するイタい光景が涙を誘う。

 まさに『ヒエラルキー・パペット』である。若い人たち、よく見ておくんだね。
 ダメオヤジ裸劇団につけ込まれて世話になりラクにあやかると、こういう繋がりの仲間意識が支配する世界に大事な人生を売り渡すことになるのですぞ。

 考えてみよう。
 そもそも自然体の正統派で通用する能力を持ち合せているなら、忌み嫌われ笑われてまでダメオヤジ裸劇に出演する必要などない。つまり劇団員は『社会でまっとうにやれない劣悪な個体』でしかあり得ないという理屈になる。検証しよう。
 まっとうにやれない奴の集団だから、宿命的に社会のネガティブ勢力になる。
 一人前として通用しない奴の集団だから群れるのだし、群れた以上は自由を諦める。
 奇しくもダメオヤジが小池ねえさんのことを『自由人』と呼んだ。あれは実に自分らの組織の本質をよく反映した日本語の選択だったのだ。
 そして区長のほぼ全数が、この哀れなヒエラルキー・パペットを生贄に担ぎ上げているという事実こそ、議会と役所に跨がるダメオヤジ文化の根深さを物語っていると認識しておこう。

 普通なら自党の同僚だし推薦しないならしないで、せめて公示の準備に間に合うよう早々に結論を出してやるのが仲間ってもんだろう。それをわざわざ参院選の後まで保留する、これが典型的ダメオヤジ文化のひとつ『嫌がらせ』である。
 もともと小池ねえさんは推薦なしの出馬も十分覚悟してるだろうし実は嫌がらせになってないんだが、ここに典型的ダメオヤジ文化その2、『とにかく謀反者の主張が通る構図は許さない』が見て取れる。
 この後の展開はもう明らかで、担ぎ上げたヒエラルキー・パペットに照らして『我々の希望の星が出たのに、その対立候補に立つとは何事だ。党の不利益を働いてるじゃないか』という論法を立ち上げて、『除名だ!除名だ!』と騒ぎ出す。
 典型的ダメオヤジ文化その3、『気に食わなければ、オンナ相手にでも力を振りかざす』という最低のやつだ。

 ま、ここ最近の『日本の空気』を考えると、転覆にかかったほうが賢明でしょうな。飴玉もらってパシリに仕えるどっかのガキが、ますますみっともないよ。
 よし、小池ねえさんのいいオンナっぷりに、乗った!
 …さて、参院選の行方を見よっと。
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mwainfo

「気に食わなければ、オンナ相手にでも力を振りかざす」よく言っていただきました。
by mwainfo (2016-07-15 17:27) 

にすけん

 mwainfoさま、いらっしゃいませ。

 こればかりは最近、本当にどうにかならないかと思いますね。
 何の目的があるにせよ、これをやって一生続く自己嫌悪に陥らないのか、余計な心配しちゃいますよ。
 こんなの理屈も何も無い。やっちまったら一生の恥だと、子供時代の基礎人格形成期に、問答無用で叩き込まれてないんでしょうかね。
 教科書にする訳にもいかない語り継ぎ文化のゾーンでしょうが、社会のこういう面の整備は最重要課題のひとつだと思います。

 コメントどうもありがとうございました。
 またのお越しをお待ち申し上げます。
by にすけん (2016-07-17 22:39) 

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