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【47】叱れないオトウサン [ビジネス]

 仮病騒動の相撲取りが、何の用だかまた来日したようだ。
 昨今はコトの発端も信じがたいほどくだらない愚行だが、その後例外なくバツが悪くなった揉め事の張本人がひきこもり、なぜかそれが病気扱いされて訳がわからなくなるケースばかりである。
 すぐ謝った方が遥かに楽だろうに、ことごとく話をややこしく引き伸ばす裏には、ワイドショー製作者から礼金でも出ているのではないかと疑いたくなる。他にもう少しましな話題はないものか。

 とりあえずこの騒動が八百長芝居でなかったとして、やたらと見苦しいのは管理的立場にある年長者のだらしなさだ。無理やりにでも本人を引きずり出し、頭をわしづかみにして地面に押し付ければ良いだけの話である。
 それができないのは、やはりそれなりの実力があり経済効果も上げているからだという意見も聞いたが、本当にそうだろうか。

 役員執務区画に近接して役員専用の喫煙エリアを用意したところ、そうと知らずに新人くんたちがそこを占拠してしまったという話がある。
 オフィスには既に排煙装置を置いた喫煙室があるのに、他に深いソファが用意された無人の喫煙エリアがあったとして、何か不自然さを感じて避けようと思わないところがある意味すごい。執務区画から一服しに出てきた役員を見ても、彼らは役員と気付かぬまま、誰ひとり席を譲らなかったというから笑ってしまった。

 笑えないのはここからである。
 役員は何も言わずに執務区画にひっこみ、各部署の所属長に
  『今後このようなことがないよう、各自、御指導をよろしくお願いする』
と電子メールで通達を出したという。普段から見慣れた顔には職位を傘に着て無理放題のお殿様、職位の後光が効かない新人くんに対しては、名乗ることも叱ることもできなかったというわけだ。
  『ワタシは役員の○○だ。ここは役員専用の喫煙エリアだよ』
 このふたことをその場で言えない理由が解らない。
 会社の中なら凶暴で限度知らずの反撃に遭う心配もないだろうに、なぜその場で毅然と正せないのか。

 所属長を通した一般通達の形で注意された彼らは、それが自分たちのことだと認識し、その後役員用喫煙エリアを使うことはなくなるだろう。だが同時に、会社や仕事に対する意識は学校並みに甘くなるはずである。
 職位や人事権などを根拠にしないとものが言えないような人間は、あらゆる相手になめられる。

 指示命令系に仕事の真剣さを阻害する要因が紛れ込んでいては生産性が上がらない。こういう役員は即刻解雇すべきだと思う。適性なし、組織を崩壊させるだけである。
 組織の規律を維持して生産力を発揮させるためには、自らを律し自信と責任を持って、それを乱す人間を非難し改めさせねばならないのだ。

 今日もまた、テレビでお偉いさん方のしけ顔と裏含みの態度を見ていると、人生の大先輩世代にのしかかかる現実の厳しさもまた身にしみるのである。


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